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6話 グループでの練習

「も、もう一回おねがいします……」


「美桜さん、喉大丈夫?ちょっと休んだ方がいいんじゃ……」


「優光さん……すいません。ありがとうございます」


優光が水を渡すと、美桜は受け取って飲む。みんなと歌の練習と振り付けの練習を始めてから時間が経ち、喉はカラカラだ。

有栖もレイから水を受け取っていた。

ハピネスに加わってから、美桜はメンバーにすっかり心を開いており、好感を持たれつつあった。

その一方で、有栖は人見知りを発動していた。好きで応援していたグループに入ったものの、なかなか心を開けず、男性メンバーに話しかけられる度おどおどしている。

そんな彼女にレイは話しかけていた。


「有栖もよく頑張ってるな。本番もこの調子でいけよ」


「は、はい……」


「そんなに緊張するなよ。俺達は仲間なんだから」


「え、あ、あ……」


有栖の顔が真っ赤になっていく。

その様子を見て、どうしたんだろう、と疑問に思う美桜。

すると、みちるはあることに気づいて笑いながら言った。


「レイくん、有栖ちゃんと顔の距離近くない?有栖ちゃんは恥ずかしがり屋なんだから、気をつけなよー」


「え、ああごめんな……」


「い、いえ……」


レイが有栖に謝ったあと、かなえが美桜と

有栖に話しかけた。


「振り付け、みんなと合わせてみる?」


「はい。やってみます」


「有栖ちゃんもどう?できる?」


「できるかわからないけど……やってみます」


振り付け、頑張らなくっちゃ……。

有栖は心の中でそう言った。

ライブで歌う新曲、キラメキリソウキョウは

6人でする振り付けがある。

これは少し難しい振り付けで、立ち位置を移動したり、腕を動かしたり、さらには足でステップを踏んだりするのだ。


「お!そうそう!2人ともすごいよ!」


振り付けや歌の途中で変わる立ち位置もすんなりと覚えた彼女達を、優光は褒める。

メンバー達は何回も歌や振り付けを合わせていった。

そして、今日の練習は終了すると優光がみんなに声をかけた。


「よし……、2人ともこの調子で。

今回はここまでにして、明日もみんなで頑張ろう」


「はーい、美桜ちゃん、有栖ちゃん、また明日ねー」


叶が可愛らしい笑顔で手を振る。


「みなさん、ありがとうございました」


「お疲れ様です。ありがとうございました」


美桜と有栖はメンバー達に礼をし、荷物を取ってレッスン室から出た。





その日の夜。

美桜と有栖は語り合っていた。


「今日、楽しかったわね」


「そうですね。練習やみなさんと話したことは緊張したけど、楽しかったです……」


「ハピネスと歌えるなんて、本当に夢みたい……あの日、ルナさんに出会ったおかげだわ……」


美桜は考えた。

私はあの時、ルナさんに出会ってなかったら、魔法の力を手に入れてなかったら、

歌い手になっていなかったら……、どうなっていたのだろう。

ライブに行ったり、音楽を聴いたりできて楽しいと感じていたとしても、どこか物足りない人生だったかもしれない。

だから、美桜はルナに会えたことに本当に感謝している。


「ルナさんは今頃何をしてるのかしら。

また会いたいわ」


「私も会ってみたいなあ。ルナさんに」


有栖は本当にルナに会って話をしてみたいようだ。

美桜の心は楽しみでいっぱいだ。

練習も順調に進んでいるし、私達新メンバーがファンのみなさんに認めてもらえる日も近いかも……!

美桜はそう信じていた。


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