2話 歌い手始めました
カラオケ店に着いた美桜と有栖は、
個室に入って早速カラオケの選曲をする。
好きな歌い手のオリジナル曲やボカロの曲を選曲をして、美桜は歌い始めた。
歌い終わると、テレビの画面が90点という
高得点を出した。
「わあ、美桜さんすごいですね!」
それを見た美桜は嬉しくなり、
有栖は笑顔で拍手をする。
カラオケでかなりの高得点を出したのは、
これが美桜にとって始めてだ。
美桜は魔法の効果を改めて実感した。
「よし、この調子で歌い続けるわよ!」
調子に乗った美桜は、カラオケで次々と
高得点を出していく。
2人は2時間も歌い続けた。
それから、帰り道。
「美桜さん……歌を投稿してみたらどうですか?」
「え……!?」
「歌い手になってみてくださいってことです!」
「ええ!?」
有栖が美桜にそう言った。
美桜は驚きのあまりに絶句する。
「だって美桜さん、歌が上手くなってるし……、美桜さんの歌声なら、リスナーのみなさんを幸せにできますよ」
「そうかな……」
美桜は頭の中でこう思っていた。
自分は自信がなくて才能もなくて、
一歩踏み出せなかった。
でも今の自分は違う。ルナさんに出会って、
魔法の力をもらったおかげで、望んでいた
ようになれたんだから。
美桜は決意した。
自分が歌い手になることを。
「前から憧れてたんだし、やってみようかな……」
1週間後。
「え……!?」
美桜はパソコンを前に声を上げていた。
理由はこれである。
youtube 急上昇1位
キラキラ 歌ってみた みさき
貯めていたお金で録音機器を買って、投稿した歌。
一人でもいいから、聞いてくれたらいいと思い投稿した。
そしたらこれだ。
最初は冗談半分で疑っていた美桜だが、
再生すると流れてくるのはどう聞いても自分の声である。
(今回は運が良かったのかな……)
そう思いつつも、ものすごく嬉しい自分がいた。
それからも、美桜は歌を投稿し続けた。
コメントを貰ったり、再生回数が伸びたりすると笑顔が止まらなかった。
美桜はインターネットの世界で、次第に注目を集めていく。
リスナー達の間では、人々を魅了する歌声の持ち主、聞いてて癒される、可愛いと言われるようになった。
そんな時、ある出来事が訪れた。