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見よ!私の腕前を!

 あなたの父親は死んでないから、仇ではない。

 そこは誤解なんだけどなぁと思いつつ、とりあえず魔力操作でこちらの全員を守る防御を展開すると、仇をうたん!と放たれた魔力を防ぐ。

 アリシアに感謝だ。王都への進軍の前にアリシアの指導を受けていて本当に良かった。こちらアリシアに褒められて順調に育てられた王位継承者です。

 はっ、防御の展開を維持するだけだったので、つい余計なことを考えてしまった。余計なことを考えたついでにアウグスティンに声には出さずに1つお願いをすると、アウグスティンは即答で了解を伝えてきてくれた。

 その間も立て続けに放たれた魔力をすべて難なく受け止めると、イドジャ・バルデルラバノは悔し気な表情になった。

 さて。こちらのターンかな。

 防御の展開はそのまま、私は、魔力を練って・・・炎にすると危険すぎるから弾丸のように飛び出す水滴の形にする。そして、一斉に放つ!

 イドジャとその率いる一団は、私の水滴弾丸が命中して吹っ飛ばされた。どうだ!魔獣たちを的に磨いたこの腕は!・・・何か今私悪役っぽくなかった?

「何度見ても凄まじいな、お前の攻撃は!」

デメトリオの言葉は純粋な賛辞だったけど(多分)、心なしかアドルフィ達は引いている気がする。いや、きっと気のせいだ。だって、死なせてはいないのだし。あくまで気絶させて戦闘力を奪うだけだ。

 しかし、

「このっ」

イドジャは立ち上がった。あ、そうだ。

「一応言っておくけど、あなたのお父様は生きてるから」

これは伝えておこう。

 そう思っておもむろに言ったら、

「今、言うか」

後ろのデメトリオから突っ込みが入った。いやだってこれは伝えたいでしょ。これから私がしようとしていることの前振りにも。

「何を・・・?」

イドジャが戸惑った表情になった。

「亡くなったと確定していないでしょう?」

行方不明ということになっているはず。

「だが、父がこんな風に戦いの場に出てこないはずがないのだ!」

イドジャが必死に言い募ってくる。・・・もしや逃げ出したとか言われてるのかな?そうだったら悪いことをした。

「亡くなってはいないけど、戦いの場にも出てこれないの」

何だかなぞなぞみたいな言い方になってしまった。イドジャは意味がわからないという顔をしている。

「私が契約している精霊に、幻術をかけてもらっているから」

「精霊の、幻術・・・」

イドジャはそれが何か知っているのだろうか。ちなみに私はアウグスティンに教えてもらうまで知らなかったけど。  

 しかしそこは当然知っていたかのように、

「そう。そして、私の契約している精霊なら今ここにいるあなた方全員にも同じ幻術をかけられる」

とイドジャに告げると、

「・・・それは降伏しろということか・・・?」

イドジャは、今度は苦渋の表情になった。

「いえ、そこまでは」

何だかますます悪役の気分になってきたので、ここはもう幻術を展開してもらうことにしよう。

「ただ、あなたとのお父様と同じところへ行ってもらおうと思って」

「え?」

イドジャが私の言葉の意味を理解するその前に、私はアウグスティンに合図を送った。

と、次の瞬間。

「送ったぞ」

イドジャとその配下達が消え、アウグスティンが事も無げに言った。

「幻術を展開したときって、こんな感じなんだね」

 前回はアウグスティンが術をかけた場所にいられなかったので、改めて感心してしまった。・・・が、何か今私悪役っぽくなかった?

「見事なものだな」

デメトリオの言葉はやっぱり純粋な賛辞だったけど(多分)、やっぱり心なしかアドルフィ達は引いてる気がする。いや、きっと気のせいだ。今回だって死なせてはいないのだし。

「で、では、行きますか」

 気を取り直して、私は誰もいなくなった空間を進むことにする。この先にいるのは雑魚ばかりだ。・・・あれ?やっぱり何か今私悪役っぽくなかった?

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