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16歳の冒険者ギルド

「ありがとうございました!お元気で!」

「ええ。また会いましょうツカサさん。」


手を振ろうかと思ったら角を二つほど進んだところがハッターさんの店らしい。

あまり大仰にするのも微妙な距離なのでギルドに向き直る。


おお・・・石造りの武骨な外観。

木(樫かな?)でできた大きな扉には剣と硬貨が意匠化されたマークが焼き印されている。

これはなかなか雰囲気があるじゃない。

意を決して扉をひら「ガン!」・・・いってええええええええ!!!!

「むぐーーー!」

「え?あれ?ああああああ!!!ごめんなさいいいいい!!!」

何か話そうにも痛みで声が出ないし目も開けられない!

「癒しの力を彼のものに『ヒール』!」

目をつぶっていてもわかる温かくて優しい光が俺を包む。すぐに痛みが引いていく・・・ってこれ回復魔法!?

【スキル・回復魔法1を習得しました】

え?俺にも使えちゃうの!?


「大丈夫ですか?」

声をかけてきたのは同い年くらいの水色(!?)の髪の女の子。

柔らかい雰囲気の優しい目をしたシスターみたいな子。

「あ・・はい。大丈夫です。今のって回復魔法?ですか?」

「はい。私の不注意でしたので、痛みはどうです?」

「凄いですね。声も出ないくらい痛かったのですが、今は全然痛くないです。」

「良かった。本当にごめんなさい。申し訳ありませんが、私急いでますので。」

と、さっさといなくなってしまった。

折角の異世界美少女とのファーストコンタクトがあっさり終わってしまいこの時点で俺のハーレムルートは消えてしまったらしい。

まぁいい・・・いや、良くはないが、とりあえずギルドで身分証明書だ。


カランカラン

重い扉を開けると薄暗い室内の視線が俺に集中する。

(ちょっと怖いな)

想像していたような喧騒はなく、だれかれ構わず喧嘩を売るような冒険者はいないし、酔っぱらって人に絡むような奴もいない。

カウンターの向こうには何人かの職員さんも見える。どうやら今はそんなに忙しくないようだ。なにかに巻き込まれる前にさっさと身分証を作って俺も冒険者ってやつになってみようじゃないか。


「おねがいしますー」

「あいよ!」

俺が向かったカウンターの先にはちょっと大柄なかっこいい「姉御」がいらっしゃった。なんというか姉御としかいいようがない。

「ギルドに登録して身分証が欲しいんです。」

「は?身分証のためだけに冒険者になろうってか?ずいぶんと舐めたこと考えるね坊主。」

「いやいや、それだけじゃなくて。俺記憶なくてですね、それにこのままじゃ何もできないんで自活の手段が欲しくて。幸い少しばかりスキルはあるんで何ができるかわからないけど冒険者になってみようと思ったんです。」

「そうだったのかい・・・悪いね、早とちりしちまったよ。確かに自分で生活できなきゃこの世の中渡っちゃいけないからねぇ。無茶して死ぬ気がないってんなら歓迎するよ坊主。とりあえずこれに書けるとこ書いてくれるかい?っと文字の読み書きは大丈夫かい?」

「はい、たぶん大丈夫だと思います。」

差し出された羊皮紙のようなものに名前、出身地、年齢などの項目が見える、というか読める。この世界の識字率はわからないが普通に差し出されたってことはそんなに低いわけではないのかな?まぁできないよりはできたほうが便利なのは確かだ。ちょっとだけ神様に感謝しながら用紙に文字を書き込んでいると

「さぁこいつに触って集中してみてくれ」

「お、これが判定石ってやつですか?」

「よく知ってるじゃないか。こいつを使えば使ったやつのスキルが分かるって寸法さ。さぁやってみな。」

「分かりました。」

俺は判定石に手を触れながら集中してみる。


『判定開始』


名前 ツカサ・ニノマエ


年齢 16歳


性別 男性


職業 料理人


称号 竜神代行者


スキル ナイフ1


    料理3


    回復魔法1


ギフト 無し


『判定終了』


あああああああああああああ!回復魔法消すの忘れてたああああああああ!!!

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