表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わーるど・えんど  作者: 吉野 水春
1/1

プロローグ 魔王の誕生

初めての投稿です!お見苦しい点あると思いますが、読んで頂けたら嬉しいです!

『魔王!魔王!』

喝采を浴びている。

オーク、リザードマン、ラッドマン、ファストウルフ、スケルトン、ウィスプ、ガーゴイル、ジャイアントサイクロプスまでいる。

魔族の言葉なんてこれっぽっちも理解できなかった僕が、今は生まれながらにして会得している言語のように、しっかりと理解できている。

言葉を話すことのできない種族はただ雄たけびを上げ、スケルトンは……ただガシャガシャと骨を打ち鳴らし呼応している。

祭りだ。待ちに待った祭り。

虐げられ、封印させられ、地上に出ることも許されなかった彼らは、今日という日を待ちわびていた。

もう一度、もう一度と彼らは何回思ったことだろう。

今日、この日を持って世界へ反逆の狼煙が上がる。


熱狂が城を囲い、今か今かとコールが続く中、僕は幼馴染に手紙を書いていた。


ハロー、ユネ、元気にしているかな。

勇者になるまで……英雄になるまで絶対に帰らないって誓った僕だけど、どうやらまだ帰れそうにないです。

神様が今目の前にいるなら、運命ってすごい残酷ですね!って人を殺せる笑顔で言えそうなくらい、僕は元気です。

ていうか神様殺す立場です。今の僕。ごめんなさい。

違うんだ、最初から望んでこうなったわけじゃない。君なら分かってくれるって信じてる…信じて…る

今の僕の立場は――



「ハル様、お時間です」


後ろから呼びかけるのは、魔人。

シルクのような美しい銀髪はウェーブがかっていて、人間の女性が見ればほとんどが嫉妬してしまうであろう容姿。

卵形の顔、見る者を虜にしてしまう碧眼はパッチリと開かれている。

興奮気味なのか、頬は少し赤みがかっていて、何事に対しても涼しげな顔をしている彼女の新鮮な一面を見る。

その後ろには更に魔人族が待機している。昔の僕が見たら卒倒してしまうであろう光景が、城の内外に満ちている。



ふぅ…と一回溜息をつく。


どうしてこうなったのか。は何万回と考えた。

考えて考え抜いた結果、僕はここにいる。

この立場は成り行き…ももちろんあるけれど、そんなのはきっかけでしかない。

今ここに立っているのは、僕の意思だ。


「変えよう、皆が笑えるように。」


世界を救う勇者になりたかった。

人々を救い、世界を守り、巨悪を倒す。

御伽噺の主人公になりたかった。

でも…もうなれない。

出会ってきた人、見てきた世界、全てが今の僕を形作っている。

迷いはない、託された思いもある。


「僕はさ、御伽噺の中でもハッピーエンドが好きなんだ。ご都合主義でもいい、登場人物全てが笑えるような、そんな結末が好きなんだ。」

独り言を呟く。

後ろに控える魔人に何か応えて欲しかったわけじゃないけど、ただ胸中を流れる想いを口にしたかった。

無論わかっている。そんな世界は存在しない。誰かが笑っている横で、誰かは泣いている。

それでも、手が届く範囲の全てが幸せになってほしい。


純粋、しかし見方を変えれば歪すぎる想いを掲げ、立ち上がった。


行こう――空気を震わせ言う。


そして僕は…


今日魔王になる。

時系列的にはものすごい後の物語を、一番最初に引っ張ってきました。

いつたどり着けるかわかりませんが、ここから先は過去のお話になります。

ワクワクしながら書いていけたらなーと思います!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ