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『徒花』の世界  作者: ホレッサ
フォレスタルの章・前編
6/6

買い物


僕は今、レナとの待ち合わせ場所に向かっています。自転車程の距離では無いですし、歩いて向かっているのですが…


「……!?」


スッ…


「…!ご、ごめんなさい!」


さっ!


…何故でしょう。さっきから歩く人全てに避けられています。


…なんででしょうか?今日は制服ではなく私服で来たのですが…センスが変なのでしょうか…この世界の流行が向こうと一緒とは限りませんし…


…それとも、このサングラスが原因でしょうか…?サングラスしてる人ってなんか怖く見えますからね…


…しかし、それだけでこんなに避けられますかね?…う〜ん…?


…さて、待ち合わせ場所に着きました。


えぇと…レナは…あ!あれですかね!


うわぁ…清楚なお嬢様って感じですね…白いワンピースとか現実では始めて見たかもしれません…


…ちょっと僕の服だと並んで歩くと僕が惨めになりそうですね…中身もいいから魅力が2倍です。


…そういえば今日は何故かゴムを外す事ができたので、ポニーテールではなくストレートなんですよ。なんかこの方が楽ですね…


おっと、考えてないでレナの所に行きましょうか…


「…レナ、お待たせしました。」


「…ひぃっ!?誰っ!?」


…ひぃっ!?って…酷くないですか…そんなに似合わないですか…?


「…レナ、僕ですよ…」

「…えっ…えっ!?フォレちゃん!?嘘!?何その服!?」

「…やはり変ですか?…お洒落してきたつもりなのですが…」

「いや…変…ではないけどすっごく変だよ!?女子高生って言うより女子高生を売り買いしてる人って感じの服じゃん!」


…奴隷商人かなんかですか…?


あぁ、まだ僕の服の説明をしていませんでしたね。


まず、サングラス。レザーのトレンチコートに金色のドラゴンが描かれたズボン。コートの下には銀の鷲が胸に描かれた服…


色は全部黒です。


あと、ワンポイントに首に金の十字架のネックレスです。


…かっこいいですよね?


「…かっこよくないですか?」

「かっこいいけど…かっこいいけど…なんか違うよ!」

「…何が違うんですか…」


「…大丈夫だよね?懐にチャカとか仕込んでないよね?」

「チャカって…また古い言い方を…」


懐に拳銃とか完全に危ない人じゃないですか。


「懐にあるのは…おや、ドライバーが。」

「なんでっ!?なんでドライバーがあるのっ!?」

「いえ、家のタンスが壊れましてね…どうやらそのままだったようです。」

「えっ!?家の中でその格好なの!?」

「いえ、今日はここに来る予定があったので、そのままやっていて…まぁ、いいでしょう?早く何処かに行きましょうよ」

「…服…買いにいかない…?」


「嫌です。」

「ぐすん…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


おやぁ…?レナは何処に…?…おかしいですねぇ…


『フードコートに居るね!』って言ってのですからここに居るはずなんですが…


ここにちゃんとコート掛かってますしね。フード付きの。


…何処にいるんでしょう?


トン!


おや、誰かにぶつかってしまいました。


「…うぅ…」


…小さい女の子ですね。…ていうか、あのやろーの妹じゃないですか。


「…大丈夫ですか?立てますか?」


手を差し伸べる…と…


「…ひ…ひぃ…うぇぇ!!」


泣かれてしまいました。


…なんで泣くんですか?そんな強くぶつかってないですよね?…手を差し伸べるのが嫌だった…とか…?


「…あ、あの?どうしたんですか?大丈夫ですか?」


「…ぅ…ごめんなさい…ごめんなさい…」


うわ言のようにごめんなさいと言い続ける妹。…どうしましょう?


困っていると


「こら!私の妹に何してるんだ!」


という声が聞こえてきました。


…というか、これ不味くないですか?色々誤解を生んでませんか?


「…貴方…私の妹を誘拐して![ピー]して[ピー]してから[ピー]するつもりでしょう!」

「ストップ!完全に放送禁止用語です!というかなんでそうなるんですか!?貴女想像力豊かですね!しませんよそんなことっ!」


「……え?女の…人…?」

「そこですか!?ていうか、そうですよ!」


「…お…女の人が…!?」

「ストップ!フリーズ!ジャストミニッツ!何を考えてるんですか!?僕がこの子にぶつかってしまったのです!それだけです!」


必死に弁解します。しないと小さな子に[ピー]しようとしたヤバイ人になってしまいますから。


「…な、なんだ…そうだったんですか…ごめんなさい…」

「いえ…分かって貰えれば…」

「ごめんなさい。」

「いえ、大丈夫ですよ。」


…なんとか誤解は溶けましたね…ふぅ…ところで、レナは何処に居るんでしょうか?


「…あの、フードコートと言うのはここですよね?」


「…えっ?」

「えっ?」

「えっ。」


…あれ?なんか、2人とも何言ってんだこいつ。みたいな顔したんですけど…


「…だ、だって…フードで、コートじゃないですか!」

「…あの…フードコートというのは…飲食店が何個か入ってて…広場みたいになってる所の事ですよ?」


「…えっ。」


…間違えましたぁ!そういえばそっちもフードコートって言うんでした!


「…あと…なんか、貴方の後ろで貴方の事を睨んでる人が…」

「へっ?」


ゆっくりと振り向くと…


「……………」


腕を組んで仁王立ちして無言でこちらを睨みつけるレナが。…怖っ!?


「…レ、レナ…あの…決してレナを放っておいたとか…そういうことではなくてですね…?ちょっとした勘違いでして…」


「ふぅ〜ん。フォレちゃんはちょっとした勘違いで私の事50分も待たせるんだ…?」

「いや、あのですね?待たせたのは悪いと思ってるんですよ?…でも…」


威圧を発するレナ。いくら言い訳をしても機嫌が治る様子がありません。


…どうしましょう…


「あの!ごめんなさい!」


土下座しようか…とか考えてる時に、お姉さんの方が間に入って頭を下げました。


「私の妹がこの方とぶつかって泣いちゃって…そのせいでこの方は遅れてしまったのです!…ごめんなさい!」

「ごめんなさい!」


「…そうなの?」


「はい!」


コクコクと首を縦に動かします。レナの怒りがこのまま収まらないと黒い服の人達に抹消されてしまうかもしれませんし!


「…じゃあ許してあげる…」

「ありがとうございます!」


「…ねぇお姉ちゃん。黒い服の人が白いワンピースの人に頭下げてるってかなり危ない状況だよね?」

「…確かに。」


なんか噂されてる気がしますが…まぁ、いいでしょう。


「…ありがとうございます…助かりました…」

「いえいえ…元はと言えばこちらの誤解が原因ですし…それでは。」

「またねー!」


…ふぅ。あのやろーと違っていい人達でした。


「…じゃあ、買い物行こっか?」

「そうですね…あの、レナ…この服…そんなに変ですか…?」


…気に入ってるんですけど…


「…大丈夫だよ…でも…サングラスははずそっか…?」

「…はい…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「いや〜…楽しかったですねー!」

「そうだね〜っていうか、その荷物重くない?大丈夫?」

「大丈夫です!本の6冊程度!」


いやぁ…まさかあのゲームが本になっているとは…!いい買い物しましたね〜…


そろそろ日がくれようとしています。

夕日が綺麗ですね。


「…じゃあねフォレちゃん!また遊ぼうね〜」

「はい!」


るんるるんるるるん♪いやぁ…楽しかったです…


気分が盛り上がるとスキップしたくなりますよね〜


スキップしながら帰っていると


「ママーあの人スキップしてるよ〜?」

「しっ!見ちゃいけません!」


という親子の会話が。


…現実世界で聞くのは初めてです。ぐすん…普通に帰りましょう…




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


…まさかラブシーンがあるとは。ゲームでは出てなかったので知りませんでした。


…というか、僕性欲とかありませんよね。珍しいです。高校生と言えば性欲の固まりみたいな物だと思うんですけど。


…まぁ、無いなら無い方が楽ですね。

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