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『徒花』の世界  作者: ホレッサ
フォレスタルの章・前編
3/6

接近、姉・妹


ぬぬぬ…僕とした事がうっかりしてました…!


今、僕は他のヒロインの情報を得るべく接近を図っています。ですが…


そうです。僕は思い違いをしていました。僕は最初『あのやろーに近づかずにヒロインに近づく』という作戦を立てていました。しかし…


『ヒロインの近くにあのやろーが居る』のではなく、『あのやろーの近くにヒロインが居る』というのが現実だったのです!特に今接近しようとしているヒロイン…姉のサヤと妹のリサですが…いっときもあのやろーのそばから離れようとしません!どんだけベタ惚れなんですか!


他のヒロインに先に接近しようかと思いましたが…姉と妹というのはかなりの重要ポジション…!他のヒロインよりも観察を重視するべきなのです…!


しかし離れませんねぇ…僕の尾行はバレていないと思いますが…いつまでもこんなでは全く近寄れません。


…特に姉のサヤ…偶にこちらを見る事があります…恐らく鋭い勘か何かを持っているのでしょう…


しかし!前世で『隠密行動の達人』と呼ばれていた気がする僕の尾行はバレません!…でも、多分これ以上近づくとバレますね…


ここでは耳を澄ましてもあのやろーの会話は聞こえてきませんし…一旦帰って作戦を練り直しましょう!



…そういえば僕の知識では幼馴染も居た筈なのですが…見ませんね?何処に居るのでしょうか…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『フォレスタルノート』


さてさて、このノートに分かった事を逐一書き込んでいきましょうか…セーブデータレベルで書き込みますよ!まずはあのやろーから…


『ユウタ・この世界の主人公。色々な女の子に囲まれて居るが彼女等は居ない模様。いきなり話しかけてくる事がある。』


『サヤ・ユウタの姉。タレ目で黒髪、ロングのサイドポニー。巨乳。勘が鋭い可能性あり』


『リサ・ユウタの妹。銀髪ロングのツインテール。一見分からないが恐らく巨乳。』


ふむ…外見以外の特徴が全く分かってませんからね…今はこんな物でしょうか…


取り敢えず今はこの姉妹は諦めましょう…重要ポジションならそんな直ぐには死なないでしょうし。


…次は…そうですね。先輩・後輩ポジションの人達に接近してみましょう。


さて、少しばかり休憩しましょうかね…尾行で精神が少し疲れてしまいました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…ふぁ…」


…寝過ぎましたかね?と思いながら体を起こしつつ時計を見ると…針は19時30分を指していました。


「…おーのー…」


家の夕飯は19時と決まっているのに…やってしまいました…ご飯…まだ残ってますかね…


階段を降りてドアを開けるとそこには暖かそうに湯気を立てているご飯が。どうやらまだ残っているようですね…!


「おはようフォレスタル。随分気持ち良さそうに寝てたから起こさなかったんだけど…どうしたの?お疲れ?」

「えぇまぁ…少しばかり精神的疲労が…」

「そう…体調には気をつけてね?さ、ご飯食べましょう?」

「はい…」


…あのやろーがいなければ疲れる事もないんですけどね…あぁもう!なんであのやろーの事をずっと考えなくてはいけないのですか!そんな事よりご飯ですご飯!今日もカレーですね…!2日目は1日目より美味しいですからね…


そういえば、2日目のカレーが美味しい理由って旨味成分とかは関係なくて、ジャガイモ等が煮崩れた事によって増加したとろみの影響らしいですね。舌に長い間留まるので美味しく感じるのだとか…


こんな知識も覚えてるんですね…だったら自分が誰だったか位覚えててもいいと思うんですけど…


「フォレスタル?また何か考え事してるわね?」

「はっ!…いただきます」


もぐもぐもぐ


…うん。今日も美味しいですね…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


湯船に浸かっているとストレスや疲れが抜けていくような気がしますね…


はぁ…しかし、少しばかり食べ過ぎてしまいました…調子に乗って食べると太ってしまいますからね…少し反省です。


…それにしても…この世界…平和ですねぇ…何人も死ぬゲームとは思えないですよ…本当…あのやろーが何も行動を起こさなければずっとこのまま平和が続いていくのではないでしょうか?


…いえ、それは無理ですね。ゲームは必ず動きます。動かなければならない…だってそうプログラムされているのですから…もし、この世界がプログラム済みだとしたら…僕がこういう風に色々嗅ぎ回っているのも設定された1つに過ぎないのでしょうか…


…いや!そんな事はないはずです!僕は僕の意思で動いていますからね!


あれ?何故か景色が半透明に…?それに、息も苦し…


「…!?ごぼごぼごぼっ!?…ぷはぁ!?げほっ!げほっ!」


…この癖…いい加減なんとかしないと命に関わるかもしれませんね…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


…やはり…あのやろーに近づくというのも1つの策ですよね…あのやろーの周りにヒロインが居るというのなら、僕があのやろーの近くにいれば全員を見張れるという事ですし…


…しかし…嫌です!あのやろーの近くに行くという行為がもう嫌です!


…これは最終手段という事にしましょう…あのやろーに近づかずに調べられるだけ調べて…どうしても情報が手に入らなければ…


あ、いい事を思い付きました。友達にも協力してもらいましょう!そうすれば沢山の情報が…


…あれ?それって…


『この人の情報を出来るだけ集めて貰えませんか?』

『いいけど…なんで?』

『…理由は…言えません』

『はっはーん♪』


……………却下!却下却下!却下ですっ!変な誤解を生んでしまいます!


やはり、僕が1人で調べるしかないですね…


そうと決まれば寝ましょう。昼寝をしてしまったので寝れるかは分かりませんが…寝ないともちませんからね。

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