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『徒花』の世界  作者: ホレッサ
ゲームスタート
1/6

朝の目覚め

ピピピピ…チュンチュン。


…朝チュン。ですね…やれやれ、もうこんな少女漫画チックな朝にも慣れてしまいましたよ。


…目覚ましの設定には多少余裕を持たせているとは言え、そろそろ起きないと不味いですかね?着替えも慣れてきたとは言え、まだ時間かかりますしね…


しかし、転生…というのが僕の今の状態に当てはまるかは分かりませんが。そういうのは普通生まれる所から始まるのでは?いきなり高校生ってどういう事ですかね…ハードモードですよ…


体を起こし、布団から出る。春の陽気が僕を包んでくれるので布団から出るのは苦ではありません。


…さて、僕のお母さんがご飯を作ってくれている筈ですので、下に降りましょうか。


部屋を出て、階段を降りる。玄関の扉を開けると美味しそうなご飯がテーブルの上に乗っていました。


「おはようフォレスタル、今日も早いのね」

「おはようございます。お母さん…今日は卵焼きですか?美味しそうです」

「召し上がれ?」


僕のお母さんの名前はユイと言います。漢字ではなくカタカナです。変だと思いますか?


…それを言ったら僕の名前『フォレスタル』の方が変です。まぁ、ゲームの世界なのでこういう名前もありなのでしょうが…


この世界は『徒花』というゲームが元になっています。主人公は例のごとく色々な女の子に囲まれています。


姉、妹、従兄妹、幼馴染に同級生。先輩、後輩から委員長。果ては教師まで。どうしたらそんな恵まれるんだ?というレベルで女の子だらけです。


…そうです。僕もヒロイン…嫌な言い方をすれば主人公のハーレム候補です。ポジションは同級生…近くて遠い…そんな距離関係です。是非とも主人公にはこの距離を詰めようとする努力をやめて頂きたいですね。


…しかしこの『徒花』僕の知識が正しければ一つ大きな問題があるのです。それは…





『ヒロインが最終的に全員死ぬ』という事です。





まぁつまり…ヒロインに転生した時点で寿命が決まってる訳ですね。


…転生とはなんなのでしょうか。普通、最強になったりお金持ちになったり魔王だったり…そういう物だと思うのですが。なんで死が超近距離に迫っているのでしょうか。正直僕は死にたくなんてありません。しかし、僕が持っている知識はなぜか穴があって…


『ヒロインが全員死ぬ』という事は分かっていても、『誰』が『どの順番』で『どのように』『いつ死ぬのか』が全く分からないのです。ポンコツですね。


…そして、前世の自分についての知識もありません。『男』だった事は知っていますが、『誰』だったのかは思い出せません。ポンコツですね。


「どうしたのフォレスタル?ボーッとして…」


目の前で手が左右に振られています。状況整理をしていたらボーッとしているように見えたようです。


「なんでもありませんよ。お母さんの卵焼きの美味しさに意識が飛んでいただけです。」

「何言ってるの…ほら、そろそろ時間よ?」


おやおや。余裕を持って起きたのに結局ギリギリです。これは走らないと間に合いませんかね…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


…うっかりしました。まさかニュースで犬特集をやっていたとは。見惚れていたらこんな時間です。多分走らないと間に合いません


レディー…GO!


走る時の注意を確認しましょう。こういう急いでる時は、曲がり角に注意です。もし、主人公とぶつかって


『大丈夫かい?(イケメンスマイル)』


とかやられたら困りますからね。僕の気持ちはともかく恋愛メーターみたいなのが上がったら困ります。


なので曲がり角に注意しつつ走っている…のですが。


…このポニーテール邪魔です!ゲームの世界なので髪が赤いのはまだいいですが!セミロングのポニーテールとか邪魔です!下手したら電車の扉に挟まりますよ!?


…しかもこれ、理髪店に行っても意味がないんです。店を出たとたん伸びました。ゴムまで帰ってきました。…まぁ、慣れるしかありませんかね…


そのまま5分程走り続けると学校が見えてきました。学校の名前は『花散高校』。もう少し縁起のいい名前にしたらどうなんでしょうか?


まぁいいです。見たところ校門も閉まってませんし…遅刻ではないでしょう。


…全速力で走ったせいか、ブレザーの制服がちょっと乱れていますね…


こういう所をキチッとするのが大切です。


…よし、OKですね。さて、学校に…いざ!

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