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お見合い

あれからしばらくたって・・・


連日王太子選びへ向けての

あれこれで忙しい日々を送っていた時、

それは突然にして舞い込んできた。


王妃様に呼ばれてやって来た

庭園の一角にある東屋でそれは告げられた。

「あなたにお見合いを受けて頂きたいのですが、

 いかがでしょうか?」

「・・・・・・え!?


お見合い!?

あっれー?

おかしいなー

こないだお見合いは丁重にお断りしたはずなんだけどな〜


 ・・・あの、お見合いは

 お断りさせて頂いてたはずですけど・・・?」

「ええ。

 前回までのお見合いはそうでしたわね。

 ですが、今回はどうしても受けて頂きたいのです。」

梨華が疑問を口にすると

王妃様は微笑み、有無を言わせぬ口調で言う。

「え・・・!

 えっと、それはまたどうして?」

今まで見合いを勧める事は多々あったが

梨華が断れば無理強いはしなかった

王妃様のその様子に首をかしげる。

「ええ・・・。

 それが、あのパーティ以来

 貴方に縁談が多数持ちかけられているのです。

 他国の王族や大臣の親戚など、

 無碍にする訳にもいかない方達ばかりですので・・・」

「はぁ・・・そうですね。」

今だに戸惑いの抜けない梨華は、

王妃様の言葉に曖昧に頷く。

「ですから、貴方には是非、

 お見合いを受けて頂きたいのです。

 ああ。安心してくださいね。

 何も全て受けて頂くという訳ではないのです。

 特にこの国と関わりの深い

 大国との縁談だけでよいのです。

 ですから、どうか受けては頂けませんか?」

王妃様はそんな梨華の様子に

気にした様子も無く、改めて問いかける。

「どうしても・・・ですか?」

問いかけるという形をとってはいても

有無を言わせぬその王妃様の様子に

梨華は、若干上目遣いで

目を潤ませてダメ元で尋ねる。

「ええ。どうしても、です。」

たが、やはりその願いは

王妃様には通じなかったようで、

あっさり断られてしまう。

「うぅ・・・・・・

 分かりました・・・」

それを聞いて、がっくりとうなだれる

梨華は、唸るような声を出した後に

諦めたように了承する。

「嬉しいですわ。

 ありがとうございます。

 それでは、そのように進めさせて頂きますね?」

「はい・・・。」

梨華は、王妃様の確認

・・・というよりは、

念押しと言った方が正しい問いに頷く。

それから、ふと肝心な事を思い出して

王妃様に尋ねる。


「・・・そういえば、相手はどなたなんですか?

 というか、私、お付き合いしてる人が

 いるんですけどいいんでしょうか?」

「・・・・・・!?

 まあまあ、それはおめでとうございます?

 いつの間にそのような面白い事に・・・・・!」

サラッとされた梨華の突然の告白に、

驚きに目を見開き、若干素の表情で

おかしそうにくつくつと笑う王妃様は、

しばらくして自分が

そのような状態で笑っていた事に気がつき、

少し慌てて口元を手で隠してまた楽しそうに笑う。

「・・・いえ、失礼しました。

 しかし、お付き合いされている方が

 いらっしゃるのなら、困りましたわね〜。」

しばらくして笑いの収まった王妃様は、

そう言って、言葉の通り

困ったような表情を作るとそう言った。

「やっぱりダメですよね?そうですよね!」


お願い

ダメって言ってください!


本当は、お見合いなんて面倒な物

受けたくはない梨華は必死でそう願う。


だがしかし、梨華の願いも虚しく、

王妃様はすぐに気を取り直して

いつもの表情で微笑むとこう言った。


「ええ。まあ、構わないでしょう。

 お相手もそこまで本気で

 縁談を申し込まれた訳ではないでしょうし、

 恐らく断られるとは分かっておられるでしょう。

 それに、今回の縁談は非公式な物ですから

 問題ないでしょう。」

「そ、そうですか・・・

 ソ、ソレハヨカッター」

ホントは問題があった方が良かった梨華は

一縷の望みが断たれ、

がっくりと気落ちした様子で、

言葉には反して全く『ヨカッター』とは、

思っていなさそうなカクカク声で言う。


「ええ。本当に良かったです!

 これでまず一安心、といったところでしょうね。

 それでは、先ほどの質問の答えですが、

 貴方の縁談のお相手は、


 エイクロイド王国

 第一王子ウィリアムス殿下並びに、

 第三王子フィリップス殿下となっております。

 よろしくお願いしますね?」


え?


えっ!?


「えーーーーーーーっっ!!!!!???」

王妃様の口から出た見合い相手の名前に、

思わず絶叫した梨華は、

大きな叫び声を上げたのだった。


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