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誕生日会2

しばらく投稿出来てなくてすいません。

体調管理がんばります。

続いて、この国の大臣が

先程と同じように

次に琉斗に挨拶する予定の国の大使に

挨拶を求める。

「・・・それでは、エイクロイド王国、

 第三王子フィリップス殿下、

 並びにウィルソン大臣お願いいたします。」

それに、返事をしたのは

第三王子フィリップス殿下と呼ばれた銀髪の若い男。

「承りました。」

その男、フィリップス王子がそう言って頷くと

ウィルソン大臣と呼ばれた、

少しお腹回りの大きい男と共に

琉斗の元へ向かう。

そして、胸に手をあて二人揃ってお辞儀をする。

「私は、エイクロイド王国

 第三王子フィリップスと申します。

 こちらのウィルソン大臣と共に

 エイクロイド王国の大使として、

 国を代表してお祝い申し上げます。」

そして、フィリップスは自分の紹介と、

ウィルソン大臣の紹介、

そして、祝いの言葉という形式に則った

先に挨拶したクライラス大臣と

あまり変わらない挨拶をする。

そして、クライラス大臣と同じように二人も

礼儀として頭を少し下げたまま言っている。

「ありがとうございます。

 これから、誠心誠意務めさせて頂きますので

 どうか、よろしくお願いします。」

琉斗は、二度目の挨拶なので、

同じ事を繰り返す事無く、少し縮めて挨拶する。

「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

 私も、殿下の叔母上とは『知り合い』ですので、

 殿下の手助けが出来れば、と思っているのですが・・・

 私も、叔母上とお話しさせて

 頂いてよろしいでしょうか?」

どうやら、フィリップス王子も

梨華の『知り合い』だったようで、

梨華との話し次第では琉斗派に入る事も

やぶさかではないとの考えを示す。

「ええ。もちろんです。

 顔を上げてください。」

琉斗も、その意図を理解して、すぐに了承する。

「はい。

 では、失礼します。」

フィリップス王子は、そう言うと頭を上げ、

梨華の方を向く。

それに、少し遅れてウィルソン大臣も顔を上げる。

「・・・お久しぶりです。梨華殿。

 私の事は覚えてくれていますよね?」

そして、フィリップス王子は

親しみのこもった表情で微笑む。

「ええ。もちろんです。

 フィリップス殿下ほど忘れにくい人は中々いませんよ。」

梨華は、若干苦笑しながらその問に答える。

「それはよかった!

 音沙汰が無いので、忘れられてしまったのかと

 気を揉んでいたのですよ?」

「そ、それはすいません・・・」

「・・・いえ!

 ですが忘れられてはいなかった!

 それに、これで私達の結婚への

 ハードルが下がりましたね!」

フィリップスは、そんな事を楽しそうに言う。

「え、ええっと・・・ですね。

 そもそも、私はフィリップス殿下と

 結婚するつもりはないので

 ハードルがどうこうというのは・・・」

突然そんな事を言い出したフィリップスに、

若干引き気味の梨華は、そう言って断る。

「ええ・・・・・・

 残念ながら以前にお会いした時にも、

 私の求婚は断られてしまいましたが、

 今回は、了承して頂けるやもしれないと

 思いましてね?」

だが、しかしめげないフィリップス。

それどころか、前にも求婚をした事があるらしい。

そして、その時にもすげなく断られているらしい。

「・・・いえいえ。

 今回もお断りさせて頂きます。」

そして、今回もすげなく断る梨華。

「そうですか。

 まあ、残念ですが致し方ありません。」

フィリップスは、そう言って諦めたように見え、

梨華がホッとひと息ついたのもつかの間。

「では、今度お会いした時に

 また求婚させて頂きます。」

どこまでもあきらめない様子のフィリップスに

梨華も、半ば諦めたかのように小さくため息をつく。

「では、その時もまた、断られせて頂きます。」

そして、あくまでも結婚する意思はないと言う。

「あはは。

 私は諦めが悪いですからね。

 そしたら、また求婚するだけですよ。」

それに、本当に諦めの悪い

フィリップス王子が言い返す。


と、場の空気が悪くなりかねない

そこへ割って入ったのは

フィリップス王子と同じ、

エイクロイド王国の大使、ウィルソン大臣。

「いやはや、なるほど。

 先程クライラス大臣も仰っていましたが、

 いや、本当に美しくおなりになった!

 ここまでフィリップス殿下が

 固執されるのも分かる気が致しますなぁ。」

「は、はぁ・・・」

「・・・どうです?

 フィリップス殿下がお嫌でしたら

 我が国の王太子のウィリアムス殿下などでは

 いかがでしょうか?

 ウィリアムス殿下は、すでに正室を迎えている為

 側室という事にはなりますが・・・

 側室がお嫌だという事でしたら、

 第二王子は、まだ正室を迎えてはいませんよ?」

ウィルソン大臣は、冗談めかした軽い調子で言う。

「そうですね〜

 王太子殿下には、正室がおられますし、

 第二王子殿下にも、側室はもうおられるでしょうし・・・

 それに、私は琉斗が立派に成長して、

 大人になるまでは結婚しないと決めていますので。」

「なるほど・・・

 いやはや、そうでしたか。

 それは、失礼いたしました。

 しかし、殿下への愛情を感じるお言葉ですな。」

「・・・ええ。

 琉斗は、私のたった一人の肉親ですから。」

梨華は、この時だけは、

公爵として、琉斗の後見人としての

少し硬い表情を崩して、

ほとんど素の優しい笑顔を見せて言う。

「いやはや、

 殿下は本当に愛されておられる。

 喜ばしい限りですなぁ。」

ウィルソン大臣は、その梨華の様子を見て

そう、琉斗に言う。

「ありがとうございます。

 いつも僕を見守り、支えてくださる叔母上には

 とても感謝しております。

 今後とも、叔母上ともどもよろしくお願いいたします。」

琉斗は、それに五歳児とは思えないほど

そつなく答える。


ウィルソン大臣は、琉斗のその態度に

満足そうに頬を緩ませて

「いやはや、本当に聡明でいらっしゃる。

 わずか五歳で、これでしたら

 いやはや、本当に将来が楽しみですなぁ。

 こちらこそ、よろしくお願いいたします。

 エイクロイド王国は、琉斗殿下を支援いたします。」

そして、琉斗を王太子選びにて支援する考えを示す。


フィルス王国のクライラス大臣に続く

この宣言に会場内はザワザワとざわめき立ち、

皆、口々につぶやいたり、

周りと相談し始めたりする。

「・・・まさか、フィルス王国だけでなく

 エイクロイド王国までもとは・・・」

「大国が次々と殿下につくとは・・・

 これは、我が国も考えなくてはならんか・・・」

大国二つが次々と琉斗につく事を決めた事に、

他の小国や、中規模の国までもが、

琉斗を支援する事を思案し始める。

これは、かなりこちらに優勢な状況と言っていいだろう。


「ありがとうございます。

 それでは、またお時間のある時に

 お越しください。

 その時にゆっくりお話しさせて

 頂くという事でよろしいでしょうか?」

梨華は、その少し尖って長めのエルフ耳で

会場内の声をあらかた拾い終えると、

そう言って、ウィルソン大臣に尋ねる。

「ええ。もちろんです。

 そうさせて頂きましょう。」

ウィルソン大臣は、大きく頷いて答え

「はい。

 では、よろしくお願いいたします。」

梨華も、頷いてそう言う。

「はい。

 梨華殿、琉斗殿下。

 今後ともよろしくお願いいたします。」

ウィルソン大臣が、

それにそう答えて二人に頭を下げると、

「よろしくお願いいたします。」

琉斗もそれに答えてそう言って軽く頭を下げる。

「はい。では、これで挨拶を終わらせて頂きます。」

「はい。」

「それでは、失礼いたします。」

ウィルソン大臣は、そう言って再度頭を下げると

他の大使達の元へと戻って行った。

「それでは、私も失礼させて頂きます。

 またお会いいたしましょう。」

フィリップス王子も

ウィルソン大臣の後に続いて、

そう言うと、最後に片目だけ閉じて

ウィンクをして戻って行った。




その後は、挨拶を受ける度に次々と、

『知り合い』が現れ、

少しだけ昔話を楽しむと

『知り合い』達は、大方琉斗の支援をする事を

前向きに考えるとの意思を見せてくれた。


『知り合い』は、十人以上。

その場で支援をすると宣言してくれたのが、

フィルス王国と、エイクロイド王国も入れて、

五つの国。


他の十ほどの国も近々会って

話しをして、それ次第ではこちらについてくれるとの

好意的な意見をもらった。


過半数以上の国々がこちらにつく事を

前向きに考えてくれているので

恐らく王太子選びは大丈夫だろう。



「私の国では、

 Sランクの魔族を一体倒して頂きました。

 あの時は、ありがとうございました。」

「ええ。

 あれは、少し手こずりましたからね。

 魔力切れを起こしかけて

 魔力回復薬を頂いたんでしたっけ。

 こちらこそ、ありがとうございました。」



「私の国には大賢者殿と

 共に孤児院を作って頂きました。」

「ええ。

 私も孤児でしたからね。

 おじさんは苦しんでる

 子どもを見てられないようです。

 孤児院の子ども達は元気ですか?」

「はい!それはもう。

 大賢者殿と、梨華殿のおかげで元気に育って

 一番初めに孤児院に入った

 子ども達はもう成人して自立していますよ。」

「それはよかった。

 その後どうなったかと気になっていたんです。」



「私の国は、隣国との戦争を止めて頂きました。

 おかげで今は終戦し、

 我が国はどこの国とも戦争をしておりません。」

「それは喜ばしい限りです。

 戦争は、悲しみや憎しみしか生みませんからね。」



「私の国は、国王陛下の病気を治して頂きました。

 おかげ様で陛下は今もお元気に

 政務に励まれておいでです。」

「それはよかった!

 陛下には、あと十年は

 ご息災でいてもらわないといけませんね。」



「私の国では、大賢者殿に

 奴隷制を廃止して頂きました。

 あれは中々廃止するのに

 手こずっておりましたので本当に助かりました。」

「ええ。

 おじさんは奴隷制を嫌ってましたからね。」



「私の国では、魔物から大勢の民を救って頂きました。

 その時に梨華殿にはお会いした事があるのですが、

 覚えてはおられませんかな?」

「・・・ええっと、確か・・・・・・

 ああ!

 あの時アメやお菓子をくれた

 おじさんではありませんか?」

「はい!覚えておいででしたか!

 あれは、確か梨華殿が五歳の頃でしたから

 忘れられてしまっても

 無理はないと思っていたのですが。

 嬉しいことですな。」

「あの時はありがとうございます。

 あのアメ甘くておいしかったです。」

「喜んでもらえたならよかったです。

 よろしければ、今度同じアメを

 他の贈り物と一緒にお贈りしますよ。」

「いいんですか?

 ありがとうございます。是非!」



こうして、たくさんの『知り合い』達と

話しをして、少し懐かしい思いを感じながら

琉斗の五歳の誕生日会・・・という名の

王太子選びは終わった。





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