梨太郎
梨太郎
むかしむかし、あるところに
おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは山に芝刈りに、
おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川でジャブジャブと洗濯していると、
どんぶらこ〜どんぶらこ〜
と、大きな梨が流れてきました。
おばあさんはその大きな梨を拾い上げて
家に持って帰りました。
そして、芝刈りから帰って来たおじいさんと
桃を食べようと、包丁で梨を割りました。
すると、中から元気な男の子がでてきたのです。
子どものいなかったおじいさんとおばあさんは
その子を梨太郎と名付け
自分たちの子として育てることにしました。
梨太郎はすくすくと育ち、
やがて強い男の子になりました。
そしてある日、おじいさんとおばあさんと梨太郎が
住んでいる村を、魔物が襲いました。
その魔物は鬼の魔族でした。
魔族は魔物よりとても強く、
魔物と違い、頭の良い魔族には
村人や、おじいさんおばあさんでは
とても敵いっこありませんでした。
村は鬼に支配されました。
「僕が鬼ヶ島に行って鬼を倒します。
そして、おじいさんやおばあさんや村の皆を助けます。
どうかそれまで待っていてください。」
梨太郎は鬼から村を開放する事を誓いました。
「梨太郎。元気で生きて帰って来るんだよ。
これを持っておいき。
これには傷を癒し、病を治す効果がついているからね。
困った時にはこれを食べるんだよ。」
おばあさんは、そう言って
梨太郎にきびだんごを渡しました。
そしてそれから梨太郎は村を出て冒険者になりました。
たくさんの魔物を倒し、どんどんと力をつけて
三人の仲間も出来ました。
それぞれ『犬』『猿』『雉』の獣人です。
まず梨太郎は、魔物に囲まれて倒れていた
『犬』を助け仲間にしました。
『犬』を襲っている魔物達を倒し、
倒れていた『犬』を抱き起こすと
きびだんごを一つと、それと喉が詰まらないように
一杯の水を与えました。
そして、『犬』がきびだんごを一口食べると
顔色が良くなり、傷口からの出血がなくなりました。
『犬』は、それを見ると
驚きの目で梨太郎を見つめました。
「これは傷や病を癒すきびだんごです。
さあ、もっと食べてください。」
梨太郎は、そう言って再び
『犬』の口元に持って行きました。
犬は、今度は感謝の目で梨太郎を見て、
それからパクパクときびだんごを食べました。
すると、みるみるうちに『犬』の体から
傷が消え、『犬』は元気になりました。
やがて立ち上がれるようになった『犬』は
深く頭を下げるとこう言いました。
「本当にありがとうございました。
あなたがいなければ私は死んでいたでしょう。
お名前を聞かせてもらえませんか?」
「僕は、梨太郎。
梨から生まれたけど
僕はおじいさんとおばあさんの子どもなんだ。
だから僕は鬼ヶ島に行って村を助けるんだ!」
「梨太郎さん!
私も鬼ヶ島に連れて行ってくれませんか?
私は私の命を救ってくれた
あなたに恩返しがしたいのです!」
「分かりました。
では、こちらから。
どうか僕の仲間になってください!」
「もちろんですっ!よろしくおねがいします!」
こうして『犬』は梨太郎の仲間になりました。
『猿』は病気を治してもらい、
『雉』は生まれつき開かなかった翼を、
大きく開き、天高く羽ばたけるようにしてもらい、
一緒に鬼ヶ島へと向かう仲間になりました。
そして、梨太郎達は鬼ヶ島へと辿りつき、
ついに鬼ヶ島の鬼を全部倒す事が出来ました。
最初に、鬼族の頭を倒しに向かい、
その途中で何体もの鬼を倒しました。
そして、鬼族の頭を倒してからは、
島中の鬼を倒して歩きました。
そして島から全ての鬼がいなくなると、
島からたくさんの財宝を持ち帰りました。
そうしておじいさんおばあさんの待つ
村へと帰って来た梨太郎は
島にいた鬼も全て倒し、村を鬼から開放しました。
それから梨太郎は二度と鬼や、魔族に
襲われないように村を茨や、
頑丈な木の柵で覆いました。
これが後にお城の城壁や、
街の外壁の元になったとされています。
そして村人や、おじいさんおばあさん達に
財宝を分け与えた梨太郎は、
村でおじいさんとおばあさん、
『犬』『猿』『雉』と一緒に幸せにくらしましたとさ。
・・・おしまい。




