のんびり説明
六月二十三日修正しました
国王直轄魔術部隊から王宮魔術部隊に変更しました
梨華は、息を切らせながら戦場に向かって走ってきた。
「遅くなりましたっ!」
「おおっ。おいっ、みんな救援が来たぞ!
それも女神様だっ!」
ざわっ。一瞬にして、その場がざわめきたった。
「ホントだ。女神様だ!女神様が来てくれたぞ。
これでもう安心だ!」
おおっ、と顔見知りの冒険者たちが騒いでいる。
「なんなんですか、あの人は。それに女神様って?」
何も知らない新人冒険者たちは
わけが分からず混乱している。
「ああ、そうか。お前らは知らないのか。
この方は、とても強い冒険者で
Aランク以上の魔物が現れると必ずやってきて
ちゃちゃっと退治してくれるんだ。」
ここにいる冒険者の中でリーダー的な存在である
ウィルクが新人冒険者たちに説明をする。
「そんなアホな。
Aランク以上の魔物なんて
大勢でぼこってやっと倒せるやつだぞ。」
「それが本当なんだ、
おれも初めて聞いたときは信じられなかったぜ。」
「まじか、信じらんねえ…
あっ!ていうかこんなにのんびり喋ってていいのか?
まだ倒してないんだぞ。」
「ああ、それなら大丈夫だ。
ほら、あいつらが食い止めてる。」
「つってもあんな数人で大丈夫なのか?
すぐやられちまうぞ。
こんなんで、死人をだしたら笑えねえぞ。」
「それなら大丈夫だ。
少し持たせれば女神様が倒してくれる。
それに、死にさえしなけりゃ
全部女神様が治してくれるからな。」
「・・・それって、死にかけとか
手足がもげたりしても治せるってことか?」
ルートは、無理だろうと思いつつきいてみた。
「ああそうだ、女神様が魔法ですべて治してくれる。
だから俺らは安心して戦えるんだ。」
まさか本当にそんな事ができるなんてと思いながら
あることを思いだした。
「でも、おかしくないか?
そんなことができる魔法なんて聞いたことがない。
それは、本当に魔法なのか?」
「ああ魔法だ、ちゃんと聖なる光がでていた。
それにお前は聞いたことがないか?
国王に仕える王宮魔術部隊の魔術師は
LV4以上の見たこともない魔法を使うらしい。
あくまでも噂だがな。」
「LV4以上だと!
そんなのがあるなんて聞いたこともない。」
「それはそうだろう。
極秘機密として取扱われていて、
噂をしただけでも、捕まるらしい。
だから外で、ベラベラ喋らないようにな。」
「はい。それは分かりました。
でも、じゃあ女神様は、
王宮魔術部隊とやらに入っているんですか?」
「ああ。それは俺も気になって前に聞いてみたんだが、
どうもそうじゃないらしい。
まあ、詳しくは聞けなかったんだが。」
「そうなんですか。
・・・ていうかそろそろ
倒したほうがいいんじゃないか?」
「あ、ああ。
そうだなさすがにもう殺ったほうがいいかもな。
おーい、女神様そろそろ。」
呼ばれた梨華はすぐに走ってくる。
「はーい。そうだね、そろそろ行くよ。
久しぶりに会ったから会話が弾んじゃって。
ていうか、やめてよその呼び方。
恥ずかしいじゃない、もう。
こいつを倒したら絶対にやめさせるんだからね。」
「ははは。そうだな、考えておいてやるよ。
ほら、いいからさっさと倒して来い。」
「うん、じゃあやりますか。」
そう言ってすたすたと魔物に向かって歩いて行った
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