琉斗の気持ち
二日後の日の夜
「・・・ふぁぁ~!つかれたーっ!」
王宮の自室へと帰ってきた梨華は、
そう叫んでふかふかのベッドに飛び込み、
ゴロゴロと転げ回る。
「あははっ!お姉ちゃん子どもみたい!」
それを見た琉斗が、そう笑ってそう言うと、
「むぅ〜!だってつかれたんだもん!」
梨華は、ようやく転げ回るのを止めて
唇を尖らせてさらに子供っぽくなった顔で言う。
「ふふふ!じゃあ僕も!・・・え〜い!」
琉斗は、そんな梨華を見ておかしそうに笑うと
同じ様に梨華のベッドへとダイブして、
ゴロンゴロンと転げ回る。
そして、体は仰向けのまま、
梨華に顔だけ向けて、また、ふふふと笑うと、
「お姉ちゃん。・・・今日は、一緒に寝てもいい?」
はたと、真顔に戻り、おずおずと不安そうな顔で
上目遣いで聞いてくる。
「・・・う〜ん。いいけど、どうしたの?」
そんな琉斗の様子に、梨華も真顔になると、
少し考えこみ了承するも、
少し険しい顔つきになって聞く。
「・・・なんとなく一緒に寝たくなったの。
一人だとちょっと・・・」
琉斗は、その問いに
いつもの元気さの無い声と顔で答え、
最後は自分でも何と言っていいのか
分からない様子で、考えこみ黙ってしまう。
「・・・怖い?それとも不安?」
そこを沈痛そうな面持ちで、後を引き継ぎ、
さらに言葉を繋げる梨華は、
「・・・ううん。両方だよね。」
自分自身の言葉に首を振る。
「・・・ごめんね。守ってあげられなくて。
ほんとはあの時もちゃんと傍にいれば
もっと速く、琉斗が、
あまり怖い思いをしない内に助けられたのにね。」
「つまんないことで気を取られて
一番大事な琉斗を傷つけちゃったら
何の意味もないのにね。」
申し訳ないような情けないような顔で
呟く様にそう言う梨華に、
「そんな事ないよ。
僕は、お姉ちゃんと一緒にいるだけでしあわせなんだ。
お姉ちゃんと一緒にいると何も怖くないし、
不安なんて何もないよ。」
琉斗は、そこまでを一息に言い切って
すぅと、息を吸って再び話し始める
「・・・だからね。お姉ちゃんはどこにも行かないで。
いなくならないで。・・・僕とずっと一緒にいて。」
不安そうに、懇願する様に言う琉斗の
それは、あまり寂しいと口にしない、
母親を亡くし、父親は国王であるがために
ほとんど接する事ができない琉斗の、
本当の、心の奥底から出てきた気持ちであった。
「!・・・・・・・・・琉斗。
当たり前でしょ。お姉ちゃんが
琉斗を置いてどこにも行くわけがないじゃない。
お姉ちゃんは、いなくならないよ。
ずーっと、一緒。
もちろん。琉斗が一人前の大人になるまでは
傍にいるし、いれない時も遠くに行ったりはしない。
それに、例え琉斗が大人になって結婚して、
私と一緒には暮らせなくなっても
心は、ずーーーっと・・・一緒だよ。」
梨華は、左手で琉斗の手を握りながら
右手で頭を撫でて安心する様にして、
最後は微笑みながら言う。
「うん!・・・うん!
お姉ちゃぁん!だ〜いすきっ!
ずーーーーーーーーーーーーーーーっと!
一緒にいようね!」
それを聞いた琉斗は、
その大きな瞳に大粒の涙を溜めて、
ガバッと起き上がり梨華に勢いよく抱きつく。
梨華は、おっとっと、と言いながらも
嬉しそうにその体を受け止め
こちらからも抱きしめて頭を撫でる
「うん!そうしようね。・・・約束!」
そう言った梨華は、抱きしめた腕を少し緩め
右手を握り、小指だけをだす。
最初は、離されて少し不安そうな
寂しそうな顔をした琉斗も、その指を見て、
大きな笑顔を浮かべ
自分も小指を出し梨華の小指に絡める。
「ふふふっ!ゆ〜びきりげんまん!」
「「う〜そついたら怒るか〜らねっ!」」
そして、琉斗の可愛らしい声から始まった
針千本飲ませるなんて、怖いからと言う理由から
始まった、自分達の中だけの改良版ゆびきりは、
前回まで入れていた(僕)や(お姉ちゃん)を抜かした
少しばかりリズムの良くなったそのゆびきりは、
何故だか、二人の成長とか、進歩とか、
そういうモノを表している気がして
なんだか、とても可笑しかった・・・
ちなみに、次話は琉斗視点になるのかなー
どーなんだろーなーって感じです。
そして、琉斗視点だと多分短めです。
って言っても、いつも短いけども。




