四年前の事
気になってた方もいるかも知れない
あの人の本名が分かります。
ー四年前ー
「・・・さて、騒動も少し落ち着いてきた。
そこで、一つ"相談"がある。」
国王は、相談といいつつも有無を言わさぬ感じで言う
「・・・なんでしょうか?」
梨華は、怪訝そうな顔をして聞く
「カルヴァート公爵・・・
お前の父親が捕まった今、
その、カルヴァート公爵を継ぐものがおらん。
これでは、揉め事になるのは必至だ。
しかしながら、国王直轄領にすれば
一気に均衡が崩れてしまう。
そこで、梨華、
カルヴァート公爵の娘であるお前に、
後を継いでほしいのだ。」
すると、王様は、端的にその"相談"について話す
「えっ?・・・でも・・・・・」
それを聞いて梨華は驚き思い悩む
「勿論、領地の運営にはこちらで代理を立て、
お前は、一切関わる必要はない。
ただ、カルヴァート公爵は、
お前が継いだという事にしてくれるだけでいいのだ。」
「・・・・・・」
梨華は考え込んで黙りこむ
そして、頭の中でこんな事を考える
(なるほど、要するに私をお飾りの公爵にして
後は代理の者に命令して王様が運営すると。
だから、私は、関わるな。と、そういう訳ね。
それだけなら、特にこちらに害もないし、
別にいいんだけど。
まぁ、断っても国王の権限で
勝手にやっちゃうんでしょうけどね。)
梨華がそこまでを一瞬にして考え終えると
王様がさらに続ける
「・・・それに、王宮に入るにあたって
爵位を持っていた方が
他の貴族の反発も少なくなるだろう。
平民を王子に近づけるのは反対だという
貴族は多いからな。」
梨華はさらにその話しを聞いて
(う〜ん、それもそうか。
それなら頭の硬い貴族共を黙らせられるかもしれない。
けど・・・これには問題がある。
そもそも、そんな貴族達が
私が公爵になることを許すかどうかって話しよね。)
そう結論付けて、王様に返事を返す
「・・・そう、ですね。
それもいいかもしれませんが、
一つ大きな問題がありませんか?」
そう、問いかける梨華に対し
王様は、
「・・・それは、どんな問題だ?
言ってみよ。」
目を鋭く細め見極めるように聞く
「そもそもの話し、
貴族達が私が公爵になることを認めるでしょうか?
確かに私には、あの男の血が入っています。
ですが、そもそも庶子であり、
姉とは違いつい最近現れたばかりの・・・
しかも、双子である私を
果たしてそう素直に認めるものでしょうか?」
梨華は、「双子」の部分を一瞬言いよどむ
「・・・ふむ。
やはり、大賢者に育てられただけのことはあるな。
まさに、その通りなのだが、
解決策がないでもない。」
王様のその言葉に梨華は、
「と、言うと?」
短く簡潔に尋ねる
「まず、庶子と言うのはまず、問題ない。
琉花も、同じく庶子であったし
最近は、庶子が後を継ぐのも珍しくないくらいだ。
そして、現れたたのはつい最近とはいえ
素性が知れぬ訳でもない。
あの大賢者の元で育ったのだ、
その点については心配せんでもよい。
・・・だが、双子という点に
ついては強い反発が予想される。」
そして、王様がすらすらと説明し、
梨華が最後に尋ね、最も懸念していた
「双子」だという事については
やはり、反発があるという事を聞いて、
梨華は、目を鋭く細める
「しかし、双子への差別は法律で禁じられているし、
私からもきつく圧力をかけよう。
お前を侮辱すれば私を侮辱したも同然として
反逆罪で捕らえるとも、宣言する。
ここまですれば、そのような愚か者はいなくなるだろう。」
王様が言い終えると、
梨華は、逆にここまでしないと
そのような愚か者はいなくならいないのか。
と、相変わらずの現状を思い、ため息をつく。
「・・・分かりました。
それでは、好きにしてください。
その代わりと言うか、こちらからもお願いがあります。
私が『カルヴァート公爵』になったとしても
今まで通りの名前を名乗らせて頂きます。
私は、あくまで大賢者の養女であり、
大 梨華ですから。」
梨華は、そう言って、
滅多に名乗らない苗字を自分から名乗り、
自分は、大賢者の養女であり、
元カルヴァート公爵の娘ではないと宣言する。
「・・・!ああ、分かった。」
王様は、その見事な宣言に
目を見開いて驚き、すぐに了承する。
「それでは、失礼します。」
梨華は、そう告げると足早にその場から去っていく
「・・・いい娘を持ったな。
賢司・・・」
そして、王様は、その後ろ姿を見つめながら、
この場にいない大賢者の、本名を呟く
そうして、実際に行われたのが、
『パーティ』での宣言である




