心配性
「おねーちゃんっ!」
琉斗が満面の笑みで言う
「んー?どうしたの?」
「僕、ポスルスウェイス領に
視察に行くことになったよ!」
「ポスルスウェイス領!?
なんでまたそんな所へ・・・」
キラキラとした瞳で言う
琉斗の言葉を聞いて驚いた梨華は
少し呆れの混じった声で聞く
「なんかねー、勉強だってー。
『もうすぐ五才だから、
そろそろいいでしょう。』って。」
「うーん、まあ、王妃様が言うんなら
それでいいんだろうけど・・・
ちょっと早くない?」
(というか、危なくない?)
「大丈夫だよ!
僕は、挨拶するだけだし、
護衛もいっぱいついてるから。」
「うーん、そんなこと言ってもねぇ。
何があるか分かんないし・・・うーん・・・」
(護衛の人だけじゃ心配だしなー)
「それに、翔斗も一緒だし!」
「!?」
(えっ!翔斗ってあの翔斗!
琉斗の異母兄弟の!?
えー、それ余計に心配だなー。
あの子にはほとんど会ったことないけど
どんな子なんだろなー?
変なこと吹きこまれてなければいいけど・・・)
「えっと、翔斗って・・・
いや、翔斗も一緒に挨拶するの?」
言いかけるが思い留まり言い直す
(ていうか、翔斗が大丈夫でも
周りの大人が何かしてくるかもしれないんだよなー。)
「うん!そうだよ!
ダメ・・・なの?」
琉斗が上目遣いで聞く
(うっ!可愛いー!)
「いや、ダメじゃない!
ダメじゃない・・・けど・・・・」
(うーん、まあ、別に兄弟で仲良くすることは
悪いことじゃないんだし・・・
というか、むしろそうして欲しいんだけどー。)
「お願い・・・お姉ちゃん!」
琉斗がうるうるした瞳で梨華のことを見つめる
(うーん、負けた!
琉斗可愛い過ぎ!
まあ、隠れて見守ればいいか!)
「仕方ないわねー!
ちゃんと言うこと聞いて
はぐれないようにするのよ。」
「うん!
・・・アハハ!お姉ちゃんったらおっかしーい!
護衛がいるのにはぐれる方が難しいよ!」
「あはは、そうだったわね。
まあ、とにかくそれくらい気をつけなさい!
ってことよ。」
(うーん、そういうことじゃないんだけどなー。
誘拐とか、そういうのに
気をつけて欲しいんだけどなー・・・)
「うん!分かった!
僕、張りきって行ってくるね!」
「うん、体には気をつけてねー。」
(まあ、危なくなる前に片づければいいか。)
「分かった!」




