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え・る・ふ

十一月十二日修正しました。


あれから三日たったある日のこと

「・・・まだかな?」

「う~ん、そろそろだと思うんだけど。」

二人で大賢者のことを今か今かと待っていると

コンコン

部屋の扉が叩かれる

「どうぞ!」

「失礼いたします。

 お客様がお見えです。」

梨華が声をかけると侍女が静かに入ってくる

「ありがとう、今行きます。」

「承知いたしました。」

そう言って侍女が部屋から出て行く

「よかったね!琉斗。

 おじさんが来たみたいだよ。」

それを見届けた後

声のトーンを変え琉斗に話しかける

「うん!ねえ、早く行こう!」

琉斗が嬉しそうに立ち上がり梨華を促す

「そうね。でも、慌てないの。

 おじさんは逃げないんだから。」

そう言った後思い出したかのように付け加える

「あ、でも、おじさんはたまに逃げるか。」

「えっ!そうなのっ!?

 じゃあ、急がなきゃ!」

それを聞いた琉斗が慌てて扉の方へ向かおうとする

「あはは、そんなに慌ててなくても大丈夫だってば。

 今回は逃げる理由がないしね。」

「そ、そう?

 じゃあ、いいんだけど。」

琉斗が立ち止まり梨華の所へ戻る

「ほら、手繋いでゆっくり歩こ。」

「うん!」

琉斗が笑顔で答え梨華と手を繋ぐ

「あはは、楽しみだね。」

「うん!すっごく!」

  ・

  ・

  ・

コンコン

「梨華様と、王子様をお連れしました。」

「ありがとう。」

「お通しします。」

そう言って梨華達を通すと

侍女は静かに部屋から出て行く

「久しぶり!

 元気そうだね!おじさん。」

「そうだな。久しぶり。

 おぉ!この子が琉斗か!

 ずいぶんと大きくなったな。」

大賢者が、かがみ琉斗と目線を合わせて言う

「そうでしょ!

 どんどん大きくなるのよ!」

梨華が嬉しそうに言う

「はっはっは!

 よっし!

 抱っこさせてくれ!」

大賢者が豪快に笑うと梨華と琉斗に聞く

「ほら、行ってきなさい。

 念願のおじさんよ。」

「うん!」

梨華が促すと琉斗が大きく頷いて

大賢者の胸に飛び込む

「どぉーれ、どのくらい重くなったかな?

 よっと!おお!ずっしりしたな!」

大賢者は琉斗を抱え上げると

頭を優しく撫でる

「あはは、くすぐったいよー!」

「ふふふ!仲良しさんだね。」

梨華が楽しそうに笑う

「おじいさんと孫だもんねー。」

梨華が、からかうように言う

「おいおい、おじいさん扱いはひどいだろ。

 僕はまだ老人じゃない。」

「えー、でも、おじさんが私の育て親で

 琉斗が私の子供のようなものだから・・・

 ね!おじいさんじゃない。」

梨華がヘッヘーンと満面の笑みを浮かべて言う

「いやいや、でも、

 琉斗は君の弟みたいなものだから・・・

 な!おじさんだろ?」

大賢者が必死に抵抗する

「もう!しょうがないわね。

 もう、それでいいわよ」

「あはは、やっぱりお姉ちゃん達って仲いいよね。」

「そんなことないもん!ふんっ!」

「あんまり、お姉ちゃんをいじめてやるな。

 お姉ちゃんが子供に戻っちゃっただろ?」

大賢者が腕の中にいる

琉斗を見て笑いながら言う

「あはは、お姉ちゃん子どもだー。」

「子どもじゃないもん。

 琉斗のほうが子どもだもーんだ!」

「はいはい、いい加減にしなさい。

 どっちも子どもだよ。

 それより、今日はどうしたんだ?

 なんか、相談後でもあるのか?」

大賢者が仲裁すると、本題へと入る

「ああ、そうだった。

 いや、相談って程のことでもないんだけど

 この間琉斗に聞かれたんだ。

 なんでお姉ちゃんと僕の耳は尖ってるの?って。

 まあ、それだけの話しなんだけどね。」

「ん?あれ、言ってなかったか?」

それを聞いた大賢者がいぶかしむ

「なんにも聞いてないけど?」

「君の耳が尖っているのは、

 ハーフエルフだからだよ。」

大賢者がさらっと何でもないことのように言う

「「・・・・・・・・・・・・・・

 ええええええええええええーーーーーーっっっ!!!」」

梨華と琉斗の声が完全に重なる

「そ、それってどういうこと?」

 えっと、つまり。

 お母さんがエルフだったってこと!?」

「ああ、そうだ。

 うっかりしてたな、話し忘れるなんて。」

「いやいやいや、

 そんなので済む話しじゃないでしょ!?

 エルフってあのエルフだよね?

 高位種族で魔法の才能があって

 隠れ里に住んでて希少なあのエルフ!」

「ああ、そうだ。

 君の母親はそのエルフだ。」

「えっ!でも、それじゃあなんで

 人間界で、しょっ・・・花売りなんかをしていたの?」

梨華は勢いでそのまま言ってしまいそうになり

直前で琉斗がいることを思い出し

言葉を変える

「それはだな。

 その、才能・・・・・とやらに

 恵まれなかったからだ。

 君の母親はエルフの里の長の娘に産まれた。

 初めての娘だったらしい。

 それで、親は娘を溺愛したらしいんだが

 三歳になったときに状況は一転した。

 彼女は魔法を一つも使えなかったんだ。

 魔力はある。

 他のエルフ達よりも群を抜いてたくさんな。

 けど、魔法が一切使えなかった。

 エルフの中では、魔法の強さが

 一番重視されている。

 むしろ、他の全ては

 どうでもいいとされるような世界だ。

 そんな中で彼女は

 すぐに冷酷な扱いを受けるようになった。

 それまで、溺愛していた両親からも突き放され

 里の者からも蔑まれる。

 そんな環境の中彼女は十歳になるまでを過ごした。

 それまでは、もしかしたら

 大きくなれば魔法が使えるようになるかもしれない

 ということから、生かされてきた。

 だが、一般的に十歳を過ぎて

 魔法が使えなかったら一生使えるようにはならない。

 そして、十歳の誕生日の日に彼女は里を追い出された。

 それから、慣れない人里で

 知り合いもなく、金もない

 彼女が選べる仕事はそれしかなかった。

 そういう理由ワケだ。

「そっか・・・そういうことだったんだね。

 それじゃあ、

 琉斗はクォーターエルフってことになるのかな?」

「そういうことだな。」

「それって、大丈夫なのかな?」

梨華が不安そうに尋ねる

「何がだ?」

「クォーターエルフだってことで

 琉斗に何か不利なことがないかと思って。

 それに、もしかしたら琉斗が

 王太子になりたいって言うかもしれないし

 そしたら、その時に

 不利になったらヤダなって・・・」

「ああ、それなら大丈夫だ。

 何百年か前の王にハーフエルフがいたし、

 逆にエルフを神聖視してるくらいだ。」

「それなら・・・ああ、でも

 それで、なりたくもないのに

 琉斗が王様とかに担ぎ上げられたら・・・」

「それも大丈夫だろう。

 エルフといってもクォーターだからな。

 そんなに血は入っていない。

 そんな事をしたってほとんど意味はないからな。」

「そっか!・・・よかった・・・」

梨華が心底安心したように安堵する

「ああ、そうだ。

 やっぱりちょっと報告だけは行ってこなくちゃ。

 じゃあ、おじさん!またね!

 琉斗はまだ、遊んでてもいいよ。

 じゃ、行ってくるね。」

そう言うと、駆け足で廊下へと出て行く

「大丈夫かな〜、お姉ちゃん。

 あんなに急いで転ばないかな?」

「さぁ?どうだろうな?

 多分そのうち、その辺で転ぶさ。」

ガラガラガッシャーン

「ほらな。全くこれだけ派手な音がしたってことは

 また、人にぶつかったな。

 やれやれ、全く梨華の世話をするのは大変だ。」

そう言いながらも、

大賢者の横顔は輝いていた

「・・・ふふふ!やっぱり仲良しだ!」

いつの間にか大賢者の腕の中から

降りていた琉斗が小さな声でこっそりと呟く





やったー!

ついに、だせたよ!この設定!


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