表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/72

登場







「えっと・・・・・・え!?」

梨華が戸惑いを隠せないで

ウィルクの方を見るとさらに衝撃の事実を知る

「っつ!・・・・・お姉ちゃんっ!?」

「りゅう・・・・と?」

ウィルクの後ろで魔術師と医師達を引き連れてきた

琉斗が呆然として梨華のことを見ている

「・・・・どういうことなの?」

「き・・・聞いてたの?」

「・・・・・うん」

「えっと、違うの!琉斗!

そうじゃなくてっ!えっと、だから・・・」

梨華は混乱しすぎて言っていることが

支離滅裂になっている

「とっ!とりあえず手当てが先だっ!

女神様を診てやってくれっ!」

ウィルクが苦し紛れに

大切なことを思い出した、というように

慌てて言う

「っつ!そうだっ!

お姉ちゃん!体は大丈夫なのっ!?」

琉斗がそれに乗せられて急いで梨華に駆け寄る

「えっ?うん。

魔力が回復してきたし、

それに・・・お守りがあったから。

邪気はもう大体お守りが吸収してくれたから。」

そう言うと、梨華は起き上がって

胸元にあるどす黒く染まり

ひび割れたペンダントを触る

「ホントッ?本当に大丈夫なのっ!?

僕心配で心配でっ!」

「うん、大丈夫。

このくらいなら一週間もすれば治るから。」

心配している琉斗を安心させようと

言った言葉にさらに琉斗は反応する

「っ!一週間もかかるのっ!?

そんなの全然大丈夫じゃないいじゃんっ!

もうっ!お姉ちゃんはっ!

もうちょっと自分のことを大事にしてよっ!」

「そ、そんなに怒らなくてもいいのに・・・

ちゃんと自分のことも大事にしてるよ。

・・・他の人のほうが大事なだけで。」

梨華が少し目線を逸らして言う

「もうっ!!お姉ちゃんっ!

じゃあお姉ちゃんは他の人と僕のこと

どっちが大事なのっ!?」

「そりゃあ、琉斗に決まってるわよ。

当たり前じゃない。」

「だったらもっと自分のことを大事にしてっ!」

「・・・・・どういうこと?」

「分からないのっ!?

僕にはお姉ちゃんしかいないんだよっ!

父上は忙しいしおかあさんはいないしっ!

僕、お姉ちゃんがいなくなったら

生きていけないよっ!」

琉斗が目に涙をいっぱい溜めて

梨華にしがみつく

「っつ!ごめんなさいっ!

琉斗、私ったら!

そうよね、あなたには私しかいないんだもんね。

王宮に入ったときにあなたに寂しい思いは

絶対させないって決めたのに・・・・・」

梨華が琉斗をギュッと抱きしめて謝る

「ううん、分かってくれたらいいんだ。

それに僕お姉ちゃんと一緒にいられるだけで幸せだから!」

琉斗が涙を拭って嬉しそうな顔で言う

「ありがとう、琉斗。お姉ちゃんもだよ。」

それを聞いて梨華も嬉しそうに微笑む

「あ、そういえば!

お姉ちゃん、やっぱり診てもらったほうがいいよ。」

そうやって和やかな雰囲気になっていた所を

琉斗が突然思い出して言う

「あー、うん。そうだったね。

うん、そうするよ。

けど、琉斗。一つ聞いていい?」

梨華はそれについては納得し、

しかしもう一つ大切なことに気づいた

「ん?なぁに?」

琉斗が不思議そうな顔で聞き返す

「その人達って王様専属のお医者様でしょ?」

「うん、そうだよ?」

琉斗はそれがどうしたの?と言いたそうに答える

「ダメじゃない。

そんな医者ヒトを呼んじゃ!」

それを聞いた梨華が琉斗を叱りつける

「どうして?」

琉斗が不安そうに言う

「当たり前でしょっ!

この人達がいない間に

王様に何かあったらどうするの!?

それに、この人達は王様専属なのよ!

例え王族でも王子でも勝手に

診てもらってはいけないの!分かる?」

「っつ!」

琉斗が思い出したかのように息を呑む

「だって・・・・お姉ちゃんのことが心配で・・・」

琉斗が再び眼に涙をためて梨華のことを見つめる

「っ!・・・・んもう、しょうがないわねぇ。

お姉ちゃんも一緒に謝ってあげるから

後で謝りに行こう。」

その涙に負けて梨華は折れる

「っつ!・・・・うんっ!

ありがとう!お姉ちゃん!」

「いいのよ、別に。

どうせ、お姉ちゃんも怒られるだろうしね。」

梨華はあはは、と笑い立ち上がろうとする

「っ!おっとっと・・・・危ない危ない。」

その瞬間ぐらりと体が揺れバランスが崩れそうになる

危うい所で何とか立て直すが歩こうとすると

今度こそ本当に倒れそうになる

「っ!危ないっ!」

そう叫んでウィルクが

梨華を抱きかかえるようにして背中を支える

「っつ!?え、えっと・・・ウィルク?」

梨華が慌ててウィルクに抱かれたまま後ろを振り返る

「あっ!えっと、その、気をつけろよ?」

「あっ!うん。ごめんなさい。」

そして二人とも似たような反応をする

「えっと、その、ウィルク。

もう離してもらっても大丈夫だよ。」

「あ、ああ。うん、そうだな。

あぁ、いや。やっぱりダメだ。

また、倒れたら大変だからな。

だから・・・その、なんだ。

俺がおぶって連れて行ってやるよ。」

ウィルクが照れ隠しで頭をかきながら言う

「っつ!・・・・・・・・・」

梨華は驚き黙りこむ

「・・・・嫌か?

いや、嫌ならいいんだ。

さっきのことも忘れてくれ。」

ウィルクが若干気落ちしたように言う

「いやっ!そう言うことじゃなくて、その。

返事に関しては待って欲しいんだけど

えっと、とりあえず連れて行ってくれますか?」

「・・・ああ!分かった!」

そう言った途端ウィルクの顔がパアッと明るくなる

「じゃあ、その、よろしくお願いします」

「っつ!ああっ!任せとけっ!」

そう言うとウィルクは

梨華を背中に担いで

梨華に振動を伝えないように慎重に歩きだす







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ