正体は・・・
「あっ、女神様!」
近づいてくる、その人の正体は…
「あっ!な〜んだ、ウィルクとルートじゃない!
もう、誰かと思ったじゃない。」
「おう、すまんな。
せっかくの休日を邪魔しちまって。」
「ううん、別にいいよ、気にしなくて。
この前も途中で切り上げちゃったしね。」
「そういえばあの時言ってたのって
結局どういうことだったんだ?」
ウィルクがずっと気になっていたことを聞く
「そうですよ、
俺なんか気になって夜しか寝れなかったですよ。」
ルートが冗談めかして言う
「もう、ルートったら!」
「あはははは」
そう言って二人でしばらく笑いあったあと
「それで、どういうことなんだ?
あぁ、言いにくいなら無理に言わなくてもいい。」
ウィルクが改めて聞いてくる
「いや、別にいいんだけどね。
うーんと、簡単に説明すると
四年前に私に姉がいたことが分かって
それで、その姉が王族で
王様の側室だっていう事が分かって
その姉はもう亡くなっていて
王子である私の甥がいることが分かったの。」
「「・・・・・・・」」
二人は驚きのあまり絶句する
「それで、その甥と一緒に王宮で
暮らすことになったんだけど・・・
って、どうしたの?」
梨華が固まって無言でいる二人を見て話しを中断する
「い、いやあまりにも凄すぎて・・・な。」
ウィルクは心底驚いた様子だ
「あはは、まあ普通はそうなるよね・・・
私の場合は驚いている暇なんてなかったからなー」
梨華が感慨深そうに言う
「大変・・・だったんだな・・・」
「うーん、別にそんなこともないんだけどね。
自分に家族がいたってことも分かったし・・・
それに今は可愛い甥っ子と一緒にいられて
とっても幸せだしね。
ねー!琉斗。」
梨華が琉斗の頭で軽くポンポンと叩く
「・・・もう!お姉ちゃんったら!
恥ずかしいでしょっ!・・・もう」
「別に恥ずかしがることないのにー。
かわいいなーっ!もう琉斗は!」
よしよし、と今度は琉斗の頭をなでる
「あぁ、紹介がまだだったわね。
この子は琉斗。私の甥っ子よ!」
しばらく琉斗に夢中で忘れていた
梨華が二人に琉斗を紹介する
「ってことは、この子があの王子様か?」
ウィルクが呆然としながら聞いてくる
「うん、そうだよ。
ほら、琉斗。ご挨拶しなさい。」
「う、うん。
・・・こんにちは」
琉斗は梨華の影に隠れながら挨拶する
「ごめんね、琉斗は普段、弱いところを見せられないから
こういうときにしか子どもらしいことができないんだ。
だから許してあげてね。」
梨華が複雑そうな顔で言う
「ああ、もちろんだ。
俺はそんなに頭の硬い人間じゃない。心配するな。」
「ありがとう、ウィルク。
それともう一つお願いなんだけど
このことは秘密にして欲しいんだ。
特にこの子の叔母が私だということは。
貴族とか王族は知ってるけど、
そのせいで琉斗はあまりよく思われていないから。」
「ああ、分かった。」
「分かりましたっ!任せといてください!」
「ぷっ、あははははははっ!
なんかおもしろいっ!」
「そんなに笑わないでくださいよっ!」
「だって可笑しいんだもん。
あははははっ『―カッカッカカッカッカッカッ―』」
そう言って梨華が笑って
和やかな雰囲気になったところで
突然街中に太鼓の音が鳴り響く
「Aランク超え出没警報かっ!」
ウィルクが叫ぶとすぐに空気が変わり周りも騒がしくなる
「すぐに王宮に戻って・・・
琉斗を置いて行かなきゃ
梨華がそう言おうとしたとき、
「いや、そんな時間ないかもしれない!」
ウィルクが今まで以上に焦った様子で大声で叫ぶ
「どうしたのっ!?」
梨華が問い返す
「三十年ほど魔物がほとんど襲ってこなかったのに加えて
女神様が簡単に倒してくれるから
いつもならみんなさほど騒がないんだ。
それがこの騒ぎようだと
もしかしたらよほど厄介な奴か
それか、亜種かもしれない。」
ウィルクが深刻な表情で言う
「っつ、そんなっ!亜種なんて・・・」
ルートがそれを聞いて息を飲む
「・・・とりあえずギルドに行って
詳しい話しを聞きましょう。」
梨華が真剣な顔で言う
「ああ、そうしよう。
話しはそれからだ。」
そう言うと三人は冒険者ギルドに向かって走っていく
このあと琉斗はどうやって移動したでしょうか?
1・走る
2・魔法
3・おんぶ




