パーティー
あれから三十分ほどたって
「そろそろ着替えていただきますよ。
もうすぐパーティーが始まりますからね。」
「・・・はい、分かりました。
えっと、よろしくお願いします。」
梨華はドレスや髪飾りをつけてくれる
侍女に軽く頭を下げて言う
「いえいえ、そんな恐れ多いです。」
「・・・さあ、早く支度してくださいね。
時間があまりありませんからね。」
「はい、申し訳ありません王妃様。」
侍女が謝りすぐに梨華に
ドレスを着せ髪飾りをつけ始める
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二十分後
「終わりました、いかがでしょうか?」
支度を終わらせた侍女が聞いてくる
「はい、完璧です。綺麗ですね。」
梨華は鏡を見ながら言う
「お褒めいただき光栄です。」
「さあ、そろそろ行きますよ。」
「・・・はい、がんばります。」
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「終わりました、いかがでしょうか?」
支度を終わらせた侍女が梨華に聞いてくる
「はい、完璧です。綺麗ですね。」
梨華は鏡を見ながら言う
「お褒めいただき光栄です。」
「さあ、そろそろ行きますよ。
少しの辛抱ですから、大丈夫ですよ。」
「・・・はい、がんばります。」
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ここはパーティー会場の大広間の入り口の前
「さあ、息を整えて。
私は先に入りますから、
あなたも呼ばれたら入ってきてくださいね。」
「あぁ、はい。ええ、分かりました。」
「では、お先に。」
そう言って王妃は先に大広間の中へ入っていく
「・・・ふぅ、疲れた。」
梨華が伸びをしながら待っているとすぐに
「梨華様、どうぞお入りください。」
大広間の中から声がかけられ中へと案内される
ざわざわ
「本当に、双子なのか。」
「初めて見た。」
「恐ろしい、不吉な・・・」
梨華が入ると皆がざわめき、ひそひそ話を始める
(・・・気にしない、気にしない。)
梨華は自分を落ち着かせながら
王様の近くまで歩いて行く
「皆も知っておるだろうが、
この者は私の側室であった
琉花の双子の妹であり王族の一員である。
これからは、ここ王宮で暮らすことになる故
皆そのように扱うように。」
梨華が王様の隣まで来ると
王様がその場に居る者に向かって話し始める
王様は、忌み嫌われている
双子である梨華を気遣って
梨華が王族や貴族たちから
嫌がらせを受けたりしないように
その場に居る者たちをけん制した
「しかしっ、王様。
失礼ながら王様はこの者の出自を
ご存じでいらっしゃいますか?
この者は、この国で最も忌み嫌われる双子です!
王族の双子は
国を滅ぼすと言われているのですよ!
それを、神聖な王宮に入れるなんてっ!
考えるだけでも恐ろしい。」
しかし、その場に居た
一人の貴族が反論の声をあげる
「先ほど言ったであろう。
わしは、わしのいとこにあたる
この者を正式に王族として迎え
第一王子である琉斗の後見人として
王宮に入ってもらうことにした。
無論これらのことは、
この者の出自や双子であることも
全て理解した上でくだした決定である。
もし、今後これに逆らいこのことで
この者を貶め傷つけた者は
反逆罪でしかるべき罰を与える故
皆ゆめゆめ忘れるでないぞ。」
王様が宣言すると一瞬にして
その場が凍りつき静かになり、
先ほどの貴族も黙り込む
「・・・あーあーもう。
こういう空気が嫌だったんだけどな。」
梨華がボソッとつぶやく
「大丈夫ですか?
・・・申し訳ありません、
あなたがこういうことが
お嫌いだとは分かっていたのですが・・・
それを聞いて王妃様が
申し訳なさそうに話しかけてくる
「いえ、こうなることは分かっていたことですし・・・
それにこういうことには慣れていますから
気にしないでください。」
しばらく沈黙が続いたとき
梨華が王妃様に話しかける
「・・・あの、もう退席してもよろしいですか?
さすがにちょっと疲れたんですけど。」
「申し訳ありません、もう少し我慢てくださいね。
主要な王族と貴族の方たちとご挨拶したら
すぐに退席して構いませんから。」
「はい、分かりました。」
「・・・いらっしゃいましたよ。
今こちらに向かっていらっしゃるあの方たちへの
挨拶が終わったら退席して構いませんからね。」
「はい、がんばります。」
「これは、ウィンザー公爵殿にベレスフォート侯爵
それから、お父様。ご機嫌いかがでしょうか?」
王妃様はドレスの端を軽く持ち上げて挨拶する
「王妃様、ご挨拶申し上げます。
このたびは、王子様のご誕生おめでとうございます。」
ウィンザー公爵と呼ばれた
四十代くらいの男性が王妃に挨拶する
「お誕生おめでとうございます。」
続けてベレスフォート侯爵と
呼ばれた三十代くらいの男性が王妃に挨拶する
「さあ、あなたもご挨拶してください。」
「はい、王妃様。
皆さまご機嫌いかがでしょうか?」
王妃に促されて梨華も
ドレスの端を軽く持ち上げて挨拶する
「・・・このたびは王室入りおめでとうございます。」
今度は王妃にお父様と呼ばれた
四十代の王族の男性が梨華に挨拶する
「えっと、王妃様こちらの方は一体どなたですか?
確か先ほどお父様と
呼んでいらっしゃったようですが・・・」
「紹介がまだでしたね。
こちらは、私のお父様でマクドウォール公爵です。」
「王妃様のお父様ですか。
えっと、これからよろしくお願いいたします。」
「・・・どうぞよろしくお願いいたします。」
マクドウォール公爵は短い言葉で答える
(何か含みがあるみたいね。まあ仕方ないか。
せっかく娘が王妃になって王子を生んだというのに
同じ王族の娘に先に第一王子を生まれてしまって
しかも、生まれた日に
二人ともほとんど差はないんだから。
王妃様の子が琉斗よりも先に生まれていたら
間違いなく次の王様になれたのだから・・・)
「・・・挨拶も済みましたし、
お約束通りもう部屋へ
戻っていただいても結構ですよ。」
梨華と公爵の間の気まずい空気を感じ取って
王妃が気を使って部屋へ戻るように促す
「・・・はい、そうさせていただきます。
それでは、失礼いたします。」
そう言って梨華は足早に大広間から去っていく




