番外編 「恥ずかしき言ノ葉」
慧:「てめえ……
なにしてんだ、白夜!!」
和:「そいつらを離せ……!!」
撫子と茜が、白夜に捕まったのを、助けに来た慧と和火が、
逆に白夜の術で動けなくさせられたようです。
二人とも、目の前の少女二人を助けに行きたいのに体が動かず歯痒そうです。
茜:「きゃー。
助けてー、慧お兄ちゃんー」
慧:「お、おま……なんか棒読みに聞こえるのは、気のせいか!?」
撫:「離してください、白夜さん!!」
白:「これは、復讐。
出番が少なかった私の、出番がすこぶる多き者へのささやかな報復。
巫女姫、いくら君と言えども……」
撫:「離して!!
あなたなんか、干からびて、高野豆腐になっちゃえばいいのよ!!」
白:「……」←若干傷ついた。
撫:「和火も慧も逃げて!!
白夜さんは、なんか術をかけるつもりみた……もがっ!?」
白:「こらこら。
いきなり種明かしをしては面白くないであろうに」
白夜が優しく撫子の口を手のひらで覆って、彼女の言葉をさえぎりました。
和:「っ!?
そいつに触るな!!」
慧:「てめえ……ちょっとうらやましいぞこら!!」
茜:「おにいちゃーん…。
キャラ崩壊してるし、本音だだもれですよー」
白:「ああ、まことうるさき者ども。
さて、霊力も高まったことだし、早速術をかけてやろう」
白夜は、きれいな人形のような顔に真っ黒な笑みを浮かべました。
白:「恥ずかしい言葉を、読者の前で吐かせてやろうぞ」
慧:「はあ!?」
白:「ただの恥ずかしい変態用語を吐かせても面白くない。
巫女姫に向かって、麗しき愛の言葉でも囁いてもらおうか。
きっと甘ったるすぎて、読者も反吐が出るに違いない」
和:「…………」
白:「ああ、愉快、愉快。
さて……まずは、おまえで試そうか、獣の一族の者よ」
白夜はそう言うと、慧に手をかざし、幻術を放ちました。
ふらりと、慧が撫子の方に向かって歩き出しました。
目の焦点があっていません。
はたから見れば、少女に近づくラリっている変態にしか見えません。
ばっちり幻術にかかっています。
茜:「うわー、お兄ちゃん、幻術に弱ーい……」
慧:「るっせーぞっ☆茜っ☆」
和:!?(゜Д゜ )
撫:!!??(゜Д゜;)
茜:「最近はやりの認知症がついにお兄ちゃんにもきたか……」
撫:「認知症は、はやってないし、
これ認知症の症状じゃないですよ!?うん!?」
白:「ちなみに、本人の意思は残してあるから、
自分がいかようなことを申しているのか
すべて彼はわかっていてるが、話したくなくても、
術によって強制的に話させている」
慧:「なでちこっ☆
ほら、こっちこいよっ☆」
撫:「なにその、なでちこって!?
ネバチコみたいで嫌なんだけど!?
しかもすごく傍に行きたくない!!」
和:「……マジかよ……おれも、あんな変態的なこと言わされんのかよ……」
白:「言ったであろう。
これは、復讐だと」
慧:「なでちこーっ☆
愛しちゃったぞっ☆」
撫:「人生初の愛の告白なのに少しも感動できないのは何故!?」
和:「愛したくないのに愛してしまった感が満載だな……おい……」
白:「まあ、陳腐な愛の告白は達成したこと」
慧:「なでち……ぐっ」
撫:「!?
慧!?」
慧が白目をむいて倒れました。
白:「ああ…恥のあまり気絶したようだね。
まったく、骨のない男だ」
茜:「……なんか、お兄ちゃん滑稽通り越して哀れなんだけどー(笑)」
撫:「あ、茜…!?
なんか、語尾に「笑」って、ついているの気のせい!?」
白:「思ったより、尺を満たせなかったな……
仕方あるまい。
次は、君の番だ」
和:「……!!」
白夜は、和火に向かって手をかざし、幻術を放ちました。
幻術が和火にかけられました。
しかし、特に変化はありません。
いつも通りの和火です。
茜:「和火、幻術に強いんだねー。
って、あれ……?
なんで、撫子の方に歩いていっているの……?」
和火は、無言で撫子のすぐそばに膝をつくと、彼女の手を取りました。
撫:「か、和火……?」
和:「いかがなさいましたか?
マイ、プリンアラモード?」
撫: ずざざざざざざざざざざ…… 、、、<(ll゜◇゜ll)>
茜:('ェ';)
撫:「和火!!
ちょっと、違う!!
そこ、マイ、プリンセスだから!!
なんでマイ、プリンアラモード!!??」
和:「あなたさまの頬がプリンのごとく滑らかでいらっしゃるから
……思わず、触れてみたくなる」
撫:「和火!?
なにそのセクハラ発言!?」
茜:「ていうか……なんで、騎士口調……?」
白:「あの者の祖先が、彼女の騎士だから。
ああ、まこと憎い……。
いっそのこと、殺してしまおうか」
撫:「白夜さん、真顔で殺すとか言わないで!?」
白:「ああ、安心して、巫女姫。
ピーッ ピーッ ピーッ
殺すのは君ではなく、そこの●●●で●●●●●●●な●●●だから」
撫:「放送禁止用語にまみれ過ぎて、
何を言っているのかわからないんですけど!?」
和:「ああ、申し訳ありません……」
撫:「え……?」
和:「前言撤回いたします」
撫:「は、はい…?」
和:「あなたさまの頬は、触れたくならない」
撫:「は、はあ……左様ですか……」
和:「あなたさまの頬は、見ていると、食べたくなる」
撫:「和火!!??」
和:「食べます」
撫:「そこは食べてもいいですか、みたいな感じからいこうよ!?」
茜:「撫子~。
ツッコむところ、そこじゃないからね~」
撫:「ていうか、なにその突撃宣言」
和:「決定事項ですから」
撫:「何が!!??」
和:「あなたさまを味わ……ぐはっ」
白夜に強く後頭部を蹴られた和火は、そのまま倒れて気絶しました。
白:「まこと憎き男。
やはり、殺す」
撫:「ま、まままま待って!!
命を大切に!!」
番外編 終