錬金
中学の先生にメールで、進路を伝える。
返信はあっさりしたものだった。
定型文っぽい文面と、最後には、今後も頑張ってくださいという、とってつけた応援。
けれども、落ちこぼれ生徒に対する教師の反応は、まあこんなものだろう。
『プチスライムもどきから集めた体液を錬金スキルで価値のある物に変えます。解放されている錬金場だと、レシピ公開が義務付けられているので、家で、やった方がいいですよ。』
「火とか水とか使えないけど大丈夫?」
『この部屋で出来る作業なので、大丈夫です。100円ショップで、バケツを買ってくれば出来ます。』
というわけで、100円ショップで、バケツを買ってくる。
「流れでわかるけど、このバケツに、スライムもどきの体液を入れて何かするのか?」
『そうですよ。ちなみに、1回の成功で、1万円近く稼げます。』
「…それは、いいな。」
『ただ、成功するまでが大変ですから、頑張るんですよ。』
さて、この世界の錬金術は、魔力を使う錬金術と魔力を使わない錬金術、2種類がある。
魔力を使う錬金術は、錬金対象が、急に大きく変化する。
魔力を使わない錬金術は、錬金対象が、法則に沿ってゆっくり変化する。
そんな違いがある。
そして、この世界の生物は、皆、魔力を持つ。
さらに言えば、この世界の物質は、マナから構成される。
分子という概念もあるらしいのだが、そこのところは、中学では勉強できていない。
よって、俺の記憶では、詳しくはわからない。
いつか勉強する時もあるだろう。
話が逸れたが、俺がこれから行う錬金術は、魔力を使わない錬金術。
スライムもどきの体液を法則に沿って、ゆっくり変化させる。
『手順通りに行えば、スライムもどきの成分を変化させられるはずです。』
手順というのは、スライムもどきの体液をバケツに入れ混ぜるだけ。
混ぜれば空気中のマナを取り込み、無色透明から青色に変わるのだ。
俺は、棒で、スライムもどきの体液を混ぜ始める。
そして、3時間後。
『…いい感じです。あと、3時間で、スライムもどきのマナ染め体液が出来ますよ。』
スライムもどきのマナ染め体液がどういう物かわからない。
だが、ひたすら混ぜる。
昼前に、やっとの思いで、マナ染め体液が2本分が出来た。
「金になるとはいえ、6時間混ぜるのは、きつい。」
『錬金術LV1→LV2になりました。』
『レベルを上げていくと、難しい錬金を成功させられるようになります。また、錬金を効率化できます。』
昼ご飯前に、マナ染め体液を売りに行く。
1万8000円になった。
気になったので聞くと、マナ染め体液は、魔武器を鍛えるのに使うそうだ。




