トレントの実
能力:千里の道も一歩から。
これは、どうやら、スキルや魔法をレベリングできる能力だということだ。
そして、よく喋る声の主もこの能力らしい。
『そういうわけです。』
どういうわけだかわからんがまあいいや。
異空間牧場に行くと、ミニトレントが俺に気づき近寄ってくる。
ミニトレントには、3つの実ができていた。
『トレントの実です。貴重品ですね。1つ10万くらいです。』
これで、30万!?
『どうしますか?売りますか?』
とりあえず、家族にあげよう。
『…まあいいと思いますよ。』
俺は、夕飯のあと、家族に1つずつ渡すことにした。
『トレントの実には、オーブと同じ効果があります。食べればステータスが上がりますよ。』
へー、そうなんだ。
じゃあ、次は自分で使おうかな。
『価値を知っても家族に渡す気は変わらないんですね?』
あ、そうだな。
でも、それでいいんじゃないか。
というか、30万っていきなり手に入れても使い方に困るよ。
自分で使うのは、いい気もするけど。
というわけで、夕飯のあと。
今日の夕飯は、父担当で、竜肉シチューだった。
夕飯のあと、家族を待たせて、トレントと一緒に降りてくる。
「あなた、いつの間にテイムなんてしてたの?」
母は、驚いていた。
「ちょっと前にね。それで、実をつけたから食べてもらいたいんだけど。」
「…いただこうか。」
父は、優しい表情で頷いた。
妹は、びっくりしつつも、トレントの実に興味があるようだ。
トレントの実はすごくおいしいらしいから。
『10万で手に入るが、そもそも出回らないんですよ。次に実がなるのは10年後とかかもしれないですよ。』
まあ、その時はその時だよ。
妹は、いつの間にか持っていた愛刀で、実を半分に斬る。
「兄貴も食べて。食べづらいから。」
「…わかった。」
結局、一家4人で食べることになった。
トレントの実は、とても美味しかった。
ただ、料理スキルを使えばもっと美味しくなるかもしれない。
そんな確信もあり、俺は、いつかまた、家族で食べたいと思うのだった。




