進路
さて、俺の日常は少し変わった。
午前中にスライムもどきの体液を回収し、午後に、オーブをトレントにあげ、残った時間は、勉強という何とも堅実な学生生活になってしまった。
寝る前には、身体強化の訓練も忘れない。
何となく身体強化の時間も伸びている気がする。
限界超えて、いつも気絶しているからだろうか?
まあ、そんな感じで、1週間。
「お前、進路どうするんだ?」
言われて思い出す。
…そうだ。
最終報告明日だった。
『ここは、無難な生産科高校がよろしいのではないですか?』
俺は、生産科も良いと思っていた。
ただ、こいつが身体強化を俺に鍛えさせているのは、戦闘科も選べるようにだと思うと、素直に生産科を選べない。
そして、生産科も戦闘科も3年拘束される。
だったら…。
「俺、中卒で、資格とりまくって働くよ。」
「…うーん。」
父は、悩んでいる雰囲気だ。
「どの道、俺のステータスじゃ、どこ行っても浮いちゃうし。」
「確かにな。でも、お前友達とかできなくてもいいのか?」
「いや、中学のころからぼっちだったし、いいって。」
「…そうか。」
気まずい沈黙。
「資格って、どんな資格狙ってるんだ?」
「とりあえず、農業士と料理士。」
「農業士はともかく、確かに料理士はいいかもな。最近、お前の料理どんどん上手くなっているし。」
「無理でも、何してでも働くから安心してよ。」
「そう言われると逆に心配になるが、わかった。でも、1年で結果を出しなさい。結果が出ないようなら、何か考えなさい。」
「…わかった。」
『農業士ですか。最低3力平均で、100は必要ですね。料理士も同じくらいは必要だと思います。』
うーん。
俺って、今どれくらい?
『実は、3力平均で、3まで上がっています。』
1週間、ギリギリ生活で、+2か。
『1年で+100は行けると思いますよ。』
これも、お前の予想通りの進路か?
『…正直、この進路は想定外でした。想定外に、あなたへの興味が強くなりましたね。』
お前ってなんなの?
『私でもわからないことはあります。あなただって、あなたはなんですかと言われても答えられないでしょう?』
少しいつもより饒舌なこいつを見るに、本当に予想していなかった答えだったようだ。
そこに少し満足しつつ、俺は、今日もプチスライムもどきのドロップを回収に行く。




