マッドゴーレム
『頑張って倒して下さい。』
俺は、マッドゴーレムと泥試合をしていた。
「プチスライムもどきじゃだめなのか?」
『あそこは、目立つので、もうだめです。』
「目立ってもいいじゃないか。」
『目をつけられて悪い人たちに一生こき使われてもしりませんよ。』
「そんなに危ないものなのか?」
『純粋なスライムもどきの体液を効率的に集めるのは結構大変です。インベントリの存在は、できれば誰にもバレたくありませんので。』
「そんなにか。」
『そうですよ。』
「で、このマッドゴーレムなら、ばれずにってわけ?」
『まあ、そういうわけです。』
マッドゴーレムは、俺くらいの大きさの泥のゴーレム。
べちゃべちゃで、ドロドロで、服が汚れるのが難点なのだが、殴ってくる攻撃も弱く、切ったり殴ったりで、体が崩れるので、練習台には向いているモンスターである。
「汚れたジャージきれいになるかな…。」
暴れるゴーレムの体へ、田植えのように手をつっこみ、オーブを引き抜く。
そんな重労働を1時間続ける。
プチスライムもどきの4倍くらいの大きさのオーブと、マッドゴーレムの体の泥を5体分集めた。
『油断は、禁物ですから、ここいらで、休憩しましょう。』
俺は、マッドゴーレムが上がってこれない高台になっているところで、水分補給する。
『マッドゴーレムの泥は美容効果があるので、1kg1000円くらいで売れます。1体30kgくらいですから、3万にはなりますよ。』
「今、5体分だから、15万か!良いお金になるんだな。結構重労働だったけど、頑張れそう。」
『頑張って下さいね。』
それから休憩をはさみつつ、午前中で、20体倒すことに成功。
「今日だけで、60万の稼ぎか。」
『稼いで浮かれているところ申し訳ありませんが、泥は全部は売りませんよ。』
「わかってるんだけどさ…。」
『装備が整えば、もっと稼げます。っていうか、残念がりますが、60万円も何に使うつもりだったんですか?』
「ラーメンとライスと餃子のセットに唐揚げもつけたい!」
『それくらいなら別に60万なんて、いらないですよ。しっかり、装備にお金使って下さい。』
「…はい。」
10万円分泥を売る。
泥は、狩場の近くで、専用のビニールに入れる形で買い取ってもらえる。
重さと純度を測り、問題なければ、お金を渡されるか、口座に振り込まれるのだ。
併設されている水浴び場で、顔と手を洗い、家に帰る。
お風呂場に直行し、浴槽で、服の泥を落とすのに30分かけて、ある程度きれいになったものを洗濯機に入れて洗濯した。
『着替えたら、昼食食べつつ、武器屋に行きましょう。』
「ちょっと仮眠とらせて。」
『…わかりました。』




