真似っ子
私はひまり。高校生。
ここのところ、クラスのさとみが私の真似をしてくる。
髪型やアクセサリー、制服の着こなしも、私服も、化粧も、身振り手振りも。ほんとうに気味が悪い。
真似をしているだけだし、あんまり文句も言いづらい。だからほっといているんだけど、少しずつ増長してる。私の好きな人にちょっかい出してきたんだよ。
好きな人まで真似するなんて、ちょっと頭おかしいんじゃないの? って思う。だから私、さとみのその行動を宣戦布告として受け取ることにした。
積極的に彼、みなとくん(大好き♡)にアプローチ開始。負けないんだから。さとみは少し奥手みたいだし、みなとくんもこんなに言い寄られた経験もないから、私が有利。
3か月くらいして、みなとくんは私と付き合うことになった。告白したらOKしてくれたんだ。さとみには悪いけど、ちんたらやってるのがいけないんだよ。
みなとくんと私が付き合い始めても、さとみはまだ私の真似をやめることはない。もう私のことなんて嫌いでしょ? いい加減にしたら?
でも、やっぱりさとみはやめない。
もう、直接言うしかない。人の気持ちがわからない子なんだ。今後の彼女のためにも、言ってあげなきゃ。
私は使命感に駆られ、さとみを校舎裏に呼び出した。
「ねえ」
「な、なによ」
「あのさ、私の真似するの、もうやめなよ。あんまりそういうことされると、嫌なの。わからない? そんなんだからみなとくんだって」
「は? あんたなに言ってんの?」
こんなに言ってもわからない? バカにつける薬はないってほんとうだ。
「とにかく、私の真似はやめて」
さとみは信じられないようなものを見ているような眼差しで私を見つめていた。何この女?
「ふざけんなよ! 真似してんのはあんたの方じゃない!! みなとくんまで取るなんて、最低よ! 私がなんかした!?」
「逆ギレ? さとみ、見苦しいよ」
「……頭おかしくなったの? それともおちょくってんの? ひまりは私よ! さとみはあんたの方でしょ!」




