第6話 夢……それは奇想天外なこともあるが、毎日そうだと疲れそうだと思うな
「フォワチャァァァァァッッッ!!!」
田中千夏さんの放った拳は、大地を砕き、海を破り、空の雲を裂きました。そう、彼女の攻撃は、それはそれはすごいと形容できる技であったのでした──
「って言う夢を見たんだよね」
「なぜに?」
「ん〜。まず私たちのいるこの場所ってさ」
「おん?」
「白だよね」
「おん」
「床も天井も壁も全部白。それ以外の色はないし、それ以外のものもないよね?」
「まぁ、そうだね」
「つまり、暇なんだよ」
「……ん?」
「暇だから、暇を全て吹き飛ばすような空想が頭の中をよぎっちゃうんだよ」
「ほ〜ん」
そのとき、ガタリと音が鳴り、床が木製のものとなる。壁や天井はコンクリートに、そのすぐあとに電灯が8つ。壁には、黒板、日程表などが。
「「……」」
そして最後に、机と椅子が二つずつと、教卓一つ。
「この作品のジャンルはいつから学園ものになったんだ?」
今からです。
「はっ!? なんでだよ!」
それと、服装も変えておきました。
「あっ、これがあのセラー服ってやつ!?」
「これまで私服だったのに!?」
これが、ナレーションの力です。
「ナレーション、すげぇ」
「さすが黒幕……」
そこ、変なこと言わない。
「ん? なんて言ったんだ?」
「なんでもないよ。ちいちゃん」
「そうか? なら良いの、か?」
良いんじゃないんですか?
「お前には聞いてねぇよ」
けど、これで変な夢も見なくなりますよね?
「お、おぉ多分な」
それはなりよりです。変な夢を見てストーリーから脱線されては困りますからね。
「この話にストーリーもクソもないだろ」
「ちいちゃん、一応プロットがあるから……」
「あぁ、あの登場人物設定だけのプロット」
「だから……」
「けど、これでよく眠れるな!」
「強引に話を変えた……」
「明日の夢は何かな〜」
「……は〜」
後日、田中千夏さんは、また変な夢を見たそうです。




