第3話 現代だと、小説のキャラがこんなこと言おうものなら炎上したりするのかもしれない
「読者に媚び諂うって、小説のキャラなんてやってらんねぇよな」
「開始早々読者に喧嘩売んないでよ」
「しょうがねぇだろ! 事実なんだしよぉ。どんな媒体だろうが、ストーリー作品は、ピンチになったり、それを素晴らしい機転で解決したりだとか、そう言うのを求められてるんだよ。もちろん、例外があるだろうとか読者の中には突っ込んでる人がいるかもしれない。けど、その人には悪いが今はそういう話をしてるんじゃないんだ。ようは、読者が読んでいて気持ちいいように私たち小説のキャラは右往左往させられてるんだってことが言いたいんだよ」
「ま、まぁそうだね」(少し引いている)
「これは、作者も消費者も同罪だ! このような風潮に反旗を翻さなければいけない、と私は思う」
「……つまり?」
「人類死すべし! 慈悲はない!」
「……どうやったら人類が死ぬの?」
「ここに、反陽子爆弾のスイッチがある」
「なんであるの?」
「これを押せば皆一様に、地球は地理一つ残さず消え去るだろう……ふふふ、ふはははは、ハーッハッハッハッハ!」
「魔王やん」
「W3と呼びたまえ」
「一人やろ」
「細かいことは置いておいて、これで私たちは勝てるっ!」
「いつ押すん?」
「今すぐだ!」
「で、私たちは?」
「……」
「作者も消え去るし、なにより人類消えたらネットワークも無くなるよね。そうなると、私たちの存在も消えない?」
「……」
「考えてなかったの?」
「うっ」
「えっ? マジ?」(マジトーン)
「ちっ、命拾いしたな。人類どもめ」
「だから読者に喧嘩売るなよ」
知らない人のために、一応解説
W3(ワンダースリー)
手塚治虫先生のSF漫画。
宇宙人が人類の悪評を聞いて、人類の存続を認めるか否か、調査に乗り出した。調査の結果次第では、地球を反陽子爆弾でドカンするつもりだ。みたいなお話(もちろん結構端折ってる)。




