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31話 異世界人事務所本部 3/3

<男性>

「よろしくシリウス。俺は神崎守」


<シリウス>

「日本人でしたね!僕も異世界転生してきたんです」


<神崎守>

「だからあそこにいたのか。じゃあお仲間だ」


がっしりと握手を交わす。彼は恰幅がよく、健康的な日焼け姿をしていた。見ているこっちが力を貰えそうな程エネルギッシュに見える。


<神崎守>

「こっちの世界に来てからどれくらい?」


<シリウス>

「大体二ヶ月くらいですね。まだまだ来たばかりです」


<神崎守>

「おお、じゃあ先輩じゃん!ぜひシリウス先輩と呼ばせて下さい」


<シリウス>

「そんな!頭下げないでくださいよ」


彼の深々としたお辞儀を見てついあたふたしてしまった。そういえば転生した時、アスカさん達とこんなノリで話してたっけな。


<神崎守>

「はは冗談冗談。でもこの世界ほんと凄いよな。ちょっと見ただけでも分かる。俺のいた所より遥かに未来の世界って感じ」


<シリウス>

「それはほんっっっとに思います!車がほんとに空飛んでるし、ここだって空に浮いてるし」


<神崎守>

「ほんとに。まだ魔術のある世界なんて実感ないけど、これ見てるとそうなのかなとか思うわ」


彼は手から首都のホログラムを出した。腕にはiDeasが付けられている。


<神崎守>

「さっき貰ったんだ、生活に必要だって言われて。住民届とか一時的な住処とか諸々の手続きもこれのおかげですぐ終わったし。なんか色々楽なんだよな。まぁこの世界のあれこれを聞かなきゃいけねぇのがちょっとめんどくせぇけど」


僕は転生したての彼にあの事を聞こうとしている。酷かもしれない。でも直後だからこそ何かヒントがあるのかもしれない。


<シリウス>

「………前世の記憶ってありますか?」


<神崎守>

「ん、あるぞ。バッチリ覚えてる。これでも建築やってたんだ、家建てたりしてな。シリウスお前は覚えてるか?」


<シリウス>

「それが……銃に撃たれて死んだ事以外あんまり覚えてないんです。それ以外の記憶が思い出せなくて。この姿だって転生前のものじゃないんです」


<神崎守>

「そうか……中々酷だな。俺みたいに覚えてる奴ばっかりと思ってたが大変な奴もいるんだな」


彼は僕の肩をポンポンと叩く。


<神崎守>

「転生したばっかりで言うのもアレだが、こんな事も悪くねえなとは思う。俺は仲間とサーフィンやって溺れて死んだが、こうやってまた生きてるだけでラッキーだと思うぜ」


言い終わると同時に彼のiDeasからアラームが鳴り、ホログラムが投影された。


<神崎守>

「おっと、また呼ばれてる。どうやら俺には魔力があるみたいでよ、今から講習やるんだってさ」


彼はベンチから立ち上がると僕に目線を合わせ、頭をわしゃわしゃと撫でた。


<神崎守>

「気楽に行こうや。シリウスお前ももうちょっと楽に生きた方がいいぞ」


<シリウス>

「………僕も頑張ります」


<神崎守>

「じゃ、またどこかでな!」


彼は駆け足で遠くへ向かっていった。

気楽に、か。そんな風に生きれたらどんなにいい事だろうか。


<パレ・リブッカー>

「いい話は聞けたか?」


奴と本部長さんが僕の方へと向かってきた。


<シリウス>

「まぁ、頑張るって感じ」


<オースノン本部長>

「成果は得られませんでしたか。ですがここには多くの異世界人がいます。いつか何かしらのヒントを掴む事ができるかもしれません。我々もできる事を尽くしていきたいと思っています」


<パレ・リブッカー>

「まぁこいつは捕虜だからなどうなるかは分からんが」


<オースノン本部長>

「それでもです。何かの間違いでここに来る事があったら是非」


そうして事務所本部を後にした。

日もそろそろ暮れてきて、近くの連盟軍の駐屯地に泊まる事となった。


<シリウス>

「市場行きたかったなぁ」


<パレ・リブッカー>

「今日は遅いから帰るぞ。この時間だとほとんど終わってる」


<シリウス>

「えー行きたい行きたい!」


<パレ・リブッカー>

「子供みたいに駄々を捏ねるな、それでも大人か」


<シリウス>

「ちぇ、見破られなかったくせに」


<パレ・リブッカー>

「私はそういうのに疎いんだ、帰るぞ」



ウェズカーク第三駐屯地


駐屯地は五階建ての建物で、隣接した訓練場からは兵士達の訓練する声が聞こえてくる。十分大きいとは思うのだが、今までの建物を見ると少し肩透かし感は否めない。こういった駐屯地は首都全土に二百以上点在していて、警察と連携して日夜首都の警備をしているらしい。

中は老人ホームみたいに各々部屋が区切られているタイプ。中央には広いスペースがあり、ご飯を食べたり仲間同士で会話する兵士達の団欒の場となっていた。


<パレ・リブッカー>

「他の連中はシャワー入ったみたいだから先行ってきていいぞ」


男性用シャワー室と書かれた扉を開き、共用の脱衣所で服を脱ぐ。目の前にはガラス張りの直方体の部屋がいくつも並んでいて、恐らくこれに入れという事なんだろう。


シャワー室に入り、戸を閉める。

んーシャワー、シャワーっと…………え、どこ?

これどうやって水出すんだろう。

上にスイッチらしき物を見つけた。頑張ってジャンプするも届かない。そうだ。目に見えないとはいえ、力を抑えられてるんだった。どうしよう……


<パレ・リブッカー>

「あーやはり届かなかったか。拘束具付きじゃ変身も魔術もできないしな。代わりに私がやってやろう」


<シリウス>

「え」


そこには僕のいるシャワー室の中に入ろうとする全裸のパレ・リブッカーの姿があった。ミスガイ時の再来。またしても僕は————


<シリウス>

「ぎゃああああああああああ」


次回は12/27になります!

☆いっしょに!なになに~☆


連盟軍のシャワー室


外がガラス張りの至って普通のシャワーだが、いつ戦闘行動の命令が出ても大丈夫なようにボタンを押すと三秒で全身を洗浄、乾燥できるような魔術が施されている。シャワー室を出るとまるで温泉に浸かったような気分になるという。

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