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28話 王都へ 1/2

目覚めたら真横にイケメンの男が横たわっていた。事あるごとに僕に微笑みかけてくる。


<青年>

「あれ?僕の美貌の虜になるかなって思ったんだけど」


<……>

「寝起きで目の前に顔面があったら虜どころか恐怖だろうよ」


<シリウス>

「誰!あなたは一体誰なんですか!」


<青年>

「僕は連盟軍一のイケメン、Aランク魔術師のシャトレさ」


     連盟軍 二十一番隊隊長

     Aランク魔術師 シャトレ


<……>

「連盟軍一ねえ。他にもいるだろうに」


<シャトレ>

「君は手厳しいね。こう見えても今回のMVPだと思うんだけど。魔力切れで体が全く動かない僕の事を少しは案じてくれたっていいじゃん」


<……>

「その点についてはありがたいと思ってる」


さっきからこの人と喋っている人の声どこかで聞いた事あるような………


<シリウス>

「ってお前!」


寝返りをうち、反対方向を向くとあの刀の女がこちらを見下ろしていた。


<シリウス>

「殺す!くっっ、手が動かない!」


手首をよく見ると拘束具が付けられていた。

外そうと手首を動かしても外れない。

連盟軍に囲まれてるけど、早くこの状況を何とかしないと。

一か八かやるしかない!


<シリウス>

「Mind on!」


そう叫んだ途端。刀の女が手に持っていたスイッチを押した。


<シリウス>

「ふにゃああああ」


唐突に僕の力が抜けていく。気力も抜かれたみたいに思考もあやふやになっていく。


<パレ・リブッカー>

「対魔術師用拘束具、Hoodだ。Aランク魔術師ですら拘束できる。今のお前では無理だろうな」


<シャトレ>

「まぁそんな怖い顔しないの。旅は長いんだからもうちょっとリラックスして」


<パレ・リブッカー>

「嘘をつくなシャトレ。もう王都に着くぞ」


<シャトレ>

「だって外見れなかったんだもん」


今一度自分の状況を確認する。

前には運転席のようなものがあって、軍服を着た人が運転しているようだった。僕は後部座席に拘束具を付けられて横たわっている。両側にはシャトレという人と刀の女。何かの乗り物に乗っているみたいだった。


<シリウス>

「この乗り物って」


<シャトレ>

「ああ、連盟軍の最新型汎用武装高機動車F-A-Bさ。あれやってくれるかい?」


運転していた人はそれを聞くと、空中にディスプレイを出してどこかのボタンを押した。


<車内アナウンス>

ーパノラマモード展開しますー


車内全てに外の映像が投影された。下を見ると海面がはっきり見える。


<シリウス>

「うわああああああああ」


<シャトレ>

「はっはっは!初めてだとびっくりするよね。

でもここは車の中だ。外の景色がよく見えていいだろう」


見渡す限りいっぱいの海が地平線の先まで続いている。

上を見ると幾つもの車が車上を通り過ぎ、飛行機や電車が海上を飛んでいるのがよく見えた。


<シリウス>

「こんな近くで飛んでる所見るの初めて」


後ろを振り返ると、海岸には波止場のようなものがいくつも建っており、百メートル級のビルが林立している。


<シャトレ>

「ビル群をを抜けたならあとちょっとで王都だ」


<シリウス>

「王都?建物らしきものは見えないですけど」


<シャトレ>

「まぁ最初はそう思うよね」


海上を飛ぶ車は速度を上げると突如として消えた。

他の飛行機や車、電車もある地点を境に消滅していってる。


「みんなはどこへ………」


「もうすぐ分かるよ。さあ捕まって!」


車内で警告音が鳴ると、車は一気にスピードを上げ、目の前の”何か”に突っ込んでいった。

まるで滝の奔流をその身で受けたかのような重圧が体にかかる。


<車内アナウンス>

――魔術障壁突破まで三、二、一、――


カウントダウンが終わると車も急減速し、落ち着いた速度に戻る。

重圧も無くなり解放感で体が満たされる。


<車内アナウンス>

――障壁突破しました――


<シャトレ>

「着いたかな。何を目にしているか僕には分からないけど、多分見えてるんじゃないかな」


目の前を向くとそこに見えたのは白い壁。

幾何学模様が入った白い壁。

景色全てを塗り潰す程の白い壁が海上に浮いている。

横を見渡しても白い壁がどこまでも広がり、上を見上げても白い壁が雲を突き抜けてどこまでも伸びている。


車上を新幹線が追い抜いていく。

飛行機、車、バイク、電車、あらゆる乗り物が白い壁の下へ向かって吸い込まれるように走っていく。

僕は口をぽっかりと開けたままただ呆然としていた。


<シャトレ>

「いいリアクションだ」


<シリウス>

「どれだけ大きいんだ」


<シャトレ>

「直径100km 高さ500km 総面積約314000㎢

人口約5億人」


<パレ・リブッカー>

「あれがレヴェリオンの首都にして王都、AICL.Cアイシール クラウンだ」


     ――――――――――

       28話 王都へ

     ――――――――――


<シャトレ>

「ちょっと体勢キツくなってきた………パレ、体勢変えてくれない?」


<パレ・リブッカー>

「もう着くから我慢しろ」


<シャトレ>

「はい」


次回は11/16になります!

☆いっしょに!なになに~☆


F-A-B

連盟軍の最新型汎用武装高機動車

英名:Forefront multi Attachment and Bilstering Vehicle


連盟軍で使用されている特殊車両の最新型。

陸海空どこでも走行でき、砲撃用、空中戦闘用、運搬用、潜水用など様々なカスタムパーツを外付けする事で多種多様な任務に対応。

全周天モニターが搭載されており、座っていても360度見渡す事ができる。

運転は空中に投影されるディスプレイで行い。車内車外問わず操作が可能。


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