表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/32

19話 総本部#1

僕達はモリタミの本部へ向かう途中、食料を買いにとある街に来ていた。

途中で魔導具店に寄り、「もっといいのがありますよ〜」と店員に奥の部屋に案内され部屋に入るとそこは――


<スライム>

「ウマそうなガキだ!やっぱ人肉は焼くに限るよなぁ!」


<人狼>

「いい女じゃねえか早く犯してぇ〜!」


<ゴブリン>

「ねみぃ。早く終わらせてえから殺す」


<エルフ>

「内臓、内臓が見てぇよぉ!女の内臓があああああああ!」


街を一望できる程のビルの大広間に、どこからともなく魔族達が襲いかかってくる。


<シリウス・バレル>

「何この人達!急に!」


僕は即座に変身し、魔族達を倒す。だが敵はRPGゲームのようにリポップしてくる。

魔族に混じって人間の兵士もちらほら湧き出ていた。

彼らをよく見るとみな同じ首輪を付けている。


<首輪を付けた兵士>

「ああああああああ!」


剣を突き立ててくる兵士を難なく躱し、魔術を放つ女。


<ファリア>

「此奴らの首輪から魔王の魔力を感じるの」


戦火の中、ガラス張りの窓の辺りに一際巨大な影が差す。

影は渦を巻き、その中から現れたのは神輿を担いだ人間の男達。

その上には中肉中背、頭の禿げた”巨漢のオーク”がオフィスチェアに座っている。


<巨漢のオーク>

「おはよう諸君。俺は魔王十七将が1人、デーヴ・ヒュイット」


     ――魔王十七将 第八席――

       デーヴ・ヒュイット

 

<デーヴ・ヒュイット>

「お前達が魔女を殺した一団だな。なぜ知っているかって?円滑な情報共有は組織にとって必須だからな」


奴の話をよそに魔物と兵士が襲いかかる。

なんとか一撃で敵を倒す僕達だったが、次々現れる敵を前に次第に押されていく。


<シリウス・バレル>

「キリがない!」


<デーヴ・ヒュイット>

「物量なら得意でね。一部隊くらいの人数ならいつでも連れているのさ。数の多さは”魔女”の所でもさぞ手を焼いただろう?」


<ファリア>

「鬱陶しい―Sechzehntelゼヒツェンテル


ガトリング砲の速さで魔弾を発射し、魔族達を掃討する。


<ファリア>

「これしきの物量で押し切れると思うなよ」


<デーヴ・ヒュイット>

「さすが魔法使い。ならばもう少し増やそうか。」


奴の影が広がっていき、そこから魔族が這い出るように現れた。


<鬼>

「女オンナおんなオンナ女おんな女ア!!」


<リザードマン>

「コロす!コロす!コロす!」


<オーク>

「アビャヒャッビャビャビャヒャァァ!」


<デーヴ・ヒュイット>

「さぁ行くがいい()()()()()よ、奴らを殺せ」


奇声を上げ、僕達に押し寄せる魔族の群。


奴はワインのボトルを開け、グラスに注ぎ、悠々と飲み始めた。

応戦する僕達を肴にしているのか、一杯もう一杯と奴グラスが進む中、神輿がガタンと揺れ、こぼれたワインが服につく。


<デーヴ・ヒュイット>

「おい、力が入ってないぞ!そこのお前!」


<神輿を担ぐ男>

「はいぃぃぃぃ!」


<デーヴ・ヒュイット>

「俺がせっかく拾ってやったのに神輿を担ぐことも出来ないのか。お前は本当に使えないな」


<神輿を担ぐ男>

「申し訳ございません!どうか、お許しを……」


<デーヴ・ヒュイット>

「お前はもうダメだな。FIRE」


<神輿を担ぐ男>

「うああああああああ」


首輪が光ると男は急速に萎んで骨だけになってしまった。


<デーヴ・ヒュイット>

「寿命全て搾り取ってもこの程度の魔力か、価値のない異世界人いせかいじんはどこまで行っても価値はないな。」


男の首輪を回収し、吐き捨てるように呟いた。


<シリウス・バレル>

「なんて事を!」


死んだ男に代わりすぐさま若い男がスポーンし、神輿を担ぐ。


<若い男>

「クソ…いつまでこんな事しなきゃいけないんだ………」


<デーヴ・ヒュイット>

「何を言っている?価値のないお前達は俺に使われて、意味を与えられて幸せだろ。これ以上何を望む?苦言を言ったお前は30年没収で許してやろう。」


首輪が光ると男は急速に老けていき、禿げたおじさんになっていた。


<デーヴ・ヒュイット>

「話の途中だったな、済まない。私の社員達はどうかね。」


女の魔術で辛うじて魔族に飲み込まれてはいないが、物量に押され壁際に追い込まれる。


<シリウス・バレル>

「これじゃ逃げることすら……でもさっきから魔族頼りでなんで僕達から寿命を奪わないんだ?」


<ファリア>

「………被検体よ、10秒妾を守れ。そして10秒経ったら奴のところへ走り術を放て」


<シリウス・バレル>

「何か考えがあるんだな!」


女が魔弾を止めると、杖を両手に持ち替え呪文を唱え始める。


その隙を見逃さず、まるで波の如く僕達に覆い被さろうとする魔族の群。

パイル・バスターを連発して迎え撃つも次から次へと押し寄せてくる。


<ファリア>

「主よ。悠久の時を眺め、森羅万象を司るただ一つの神よ。

彼方より来たる厄災、内に巣食う悪しき者より我らが心を守りたまえ。

Khiteキーテ gananガナン


<シリウス・バレル>

(それはシスターの!)

「使えないんじゃなかったの!?」


<ファリア>

「模倣じゃ」


金色の光に包まれる大広間。

襲いかかってきた魔族達や兵士の動きが急速に鈍り、彼らが付けていた首輪が全て外れた。

このチャンスを逃さまいと奴の元へ走り出す。


<デーヴ・ヒュイット>

「契約を強制解除しただと!クソっ、MOT-D!」


<ファリア>

「―Pause(ポーズ) そうはさせぬわ」


<デーヴ・ヒュイット>

「動きが止まる!発動できないっ!」


<シリウス・バレル>

「観測者よ掌握せよ。我引くは大いなる弓張月!」


<ファリア>

「―Crescendo(クレッシェンド)


両腕に纏っていた魔弾が巨大化し、奴に突き立てる。


<デーヴ・ヒュイット>

「やめろおおおお」


<シリウス・バレル>

「ツイン・パイル・バスター!」


爆音と共に炸裂する魔弾。

奴の半身を穿ち、残った体も崩れていく。


<デーヴ・ヒュイット>

「おのれ、貴様のようなゴミに俺がやられるなどあってはならぬ、あってはならぬのだ!ぐわああああああああああ!」


醜い断末魔をあげながらデーヴ・ヒュイットは爆散した。



<神輿を担いでいた人々・兵士>

『助けてくれてありがとうございました』


<ファリア>

「礼は良い。さっさと逃げるぞ」


<シリウス・バレル>

「どうして?」


首輪が外れ、生き残った魔族達が起き上がる。

鈍かった動きも元に戻り散会すると思っていたが、誰一人としてシリウス達から目線を外す魔族はいなかった。


<妖精>

「アイツもいなくなったし、僕の好きに……スキに殺してイイよね!」


<ハーピー>

「イキのいいニンゲン、ニンゲンだ!イキの良いニンゲンの心臓はオイシイ!」


飢えた肉食獣の如くにじり寄る魔物達。


<ファリア>

「首輪なぞ無くとも魔族とは元来こういうものじゃ。己の本能………快楽のみで生きる者達」


<シリウス・バレル>

「みんな早く集まって!飛んで!」


奴に支配されていた人達だけを呼び、女の周りに集める。


<ファリア>

「仕方ないの。Da Capo(ダ カーポ)


僕達は窓ガラスを突き破り、遙か彼方へ飛んでいった。



魔王城 玉座


<魔王>

「ふはははははははははははははははは!スナイドルに続きヒュイットまで、二度もあの女共にやられるとは!」


<サキュバスの女王 魔王軍総督

ハビニア・ファタ・シードランド>

「それにしては楽しそうだけど?」


<魔王>

「そう見えるか。ふん」


いつの間にか床に倒れているハビニア。

彼女が自身の身体を見ると胴体から下が消し飛んでいた。


<魔王>

「不甲斐ないぞハビニア。スナイドルはともかくヒュイットはなぜ呼び戻さなかった?」


<ハビニア・ファタ・シードランド>

「だってあいつ言う事全く聞かなかったんだもん!」


プンプンと不満を言いながら、消し飛んだ下半身生やして元の姿に戻るハビニア。

魔王の所へ戻ろうとすると、扉の開く音がキギィと響き、ヒョウガとサブジェクが現れた。


<魔王軍特殊工作部隊 隊長

コートの男 ヒョウガ>

「そんな感じだから威厳も無いんじゃないのか?」


<ハビニア>

「ダ〜リン!またそうやってイジめるんだから〜」


<魔王>

「ヒョウガの言う通りだ。今日の夜俺の所に来い、徹底的に教育してやる」


<ハビニア>

「蔑む目も素敵魔王様♡」


恍惚の表情で魔王を眺めるハビニア。

そんな彼女の視線など歯牙にしていない魔王。


<魔王>

「王都侵攻計画はどうなっている?」


<ヒョウガ>

「部隊の準備は既に済んでおります。私もサブジェク殿もいつでも出立可能です。」


<魔王軍化学班 班長

ゴブリンの男 サブジェク>

「新型MOT-D”は侵攻に参加する十七将に全て投与済みですヨ。サンプルが取れ次第、他の将にも随時投与する予定ですネ」


<ヒョウガ>

「あとはハビニアの予定ですが」


<魔王>

「問題ない。事は済ませておく。よしお前達、明日の早朝に出立だ。検討を祈る」

☆いっしょに!なになに~☆


デーヴ ヒュイット

魔王十七将の1人

常に部下に神輿を担いでもらい、その上のひじ掛け付き椅子に座っている


能力は寿命の吸収と分配、相手の支配

ただし、相手と契約を交わし、首輪を付けなければその能力は使えない。

契約は自分でも出来ない事はないが、魔術が苦手なので同僚のオンズアーシにやってもらっていた


寿命を吸収する他に自身と契約した者が働けば働くほど自身の魔力が向上する。

他者から吸い取った寿命を他の人に分け与える事も可能だが、本人はやりたがらない(分け与えたくはない)が契約している者を使えるようにする為にも多少だが分配している(本当に微々)


基本的に魔王以外の者から上から見下ろされなくないので神輿に乗っている

総督のハビニアは上司だか、神輿から降りる事はない、というか嫌い

契約者は6000人

そのうち1000人を連れており、残りは魔王城で生活している


MOT-Dの能力は6000人の全員召喚

また契約を交わしていない相手から無差別に寿命を吸収できる上に思うがままに操ることが出来る


好きな食べ物は寿司、焼肉、フレンチ料理

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ