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とあるサモナーズリフト

グロロロ!!


ゲーム時間も35分をちょうど過ぎたその時、マップ全体にドラゴンが轟く不吉なサウンドエフェクトが響き渡った。


「おい!エルダー湧いたぞ!!」


序盤からブルーサイドのプレイヤーたちによる一歩的な展開が続き、あっという間に勝敗が決まるかと思われたこのゲーム。

しかし慢心から生まれた少しのポジショニングのミスから一度シャットダウンがレッドサイド流れると、試合はだらだらと長引き続け、ついにはエルダードレイクがマップの上に舞い降りる時間になってしまった。


「おい、なんか相手のADリコールしてね?」


誰かがのミッドレーンの深い位置に置いたワードにレッドサイドのAD、ジンクスがリコールしているのが映った。


「エルダー、、、できんじゃね?」


ミッドレーナ―のタロンのプレイヤーがすかさず全員がエルダーのピットに集まるよう支援ピンを鳴らした。


「やんぞ、エルダーラッシュだ」

「取り敢えず視界は取ったぜ」


パンテオンがサポートアイテムのスタックを全て消費してボットサイドの上側の森を広く照らした。

これだけの視界があれば、例え敵がこちらの動きに気づいても、相手の動きをすべて見ることができる。

状況に応じてエルダーの狩きったり、一旦触るのをやめたり、もしくわ反転して攻勢に出たりなど、こちらが十分に主導権を持って選択できそうだ。

タロンが沸いたばかりのエルダードレイクの懐にシュッと壁を飛び越え飛び込んだ。


「ラッシュしよう!!俺がDPS出せるから早いぞ!!!集まれ集まれ!」


そういいながらタロンがスキルとAA、パッシブの効果を余すところなく活用し、みるみるエルダーのヘルスを減らし始めた。


「俺のチャンピオンはめっちゃエルダー遅いんだけど...」


エルダーに触る判断が正しいのか疑問に思いながらも、ADのセナや、そのほかのパンテオンもエルダーラッシュに加わり始めた。


「敵が来たら反転しよう!取り敢えず…殴れ殴れ殴れ!!」


同じチームのジャングル、グラガスのプレイヤーもボディスラムでドラゴンピットに入りラッシュに参加する。しかしセナよりもさらにタロンが行ったこの判断に不満そうだ。

ファーンファーンと警戒のピンを色々な場所に鳴らしている。


「ねぇカジックスの位置分からないんだけどぉ!下のトライブッシュとかワード置いてないけど、あそこに隠れてたり、まさかしないよねぇ?それでエルダースティールされても俺のせいじゃないからぁ!」

「分かった分かった。俺が見てきてやるから待ってろ」


パンテオンがお気持ち程度のダメージをエルダーにディールするのをやめ、カジックスを探すためにドラゴンピットを抜けてトライブッシュの方へ、ぐるりとフェイスチェックに向かう。


「てかさぁ、、、おいグウェン!!あいつ何でいまファームしてんの?早くエルダー寄ってこいよぉ!!!!」


それでもグラガスの不満は収まらず、今度は未だにトップレーンのウェーブをクリアしてる味方のトップ、グウェンの真上に怒りの支援ピンを連続で出した。(ファン!ファン!ファン!)(効果音)

するとそのグウェンのプレイヤーも、答えるように負けじと怒涛の勢いでチャットのログを埋め尽くした。


十色 (グウェン): ツイステッド・フェイト - 生存中

十色 (グウェン): ツイステッド・フェイト - 生存中

十色 (グウェン): ツイステッド・フェイト - 生存中

十色 (グウェン): ツイステッド・フェイト - 生存中

十色 (グウェン): ツイステッド・フェイト - 生存中

十色 (グウェン): ツイステッド・フェイト - 生存中


「なに?TFがスプリットが怖いってこと?」


確かにトップレーンのウェーブがインヒビタータワー直前まで押し込まれている。加えて相手のミッドレーナーが使用しているのはツイステッドフェイトだ。

もしこっちのチーム全員がドラゴンに集まってしまえば、ツイステッドフェイトがエルダーで起こるファイトを無視してスプリットプッシュしてきたとき、少なくともインヒビター、ひどければネクサスさえも破壊されてしまう危険性がある。

グウェンはそれを警戒して、タワーを守るため、わざと味方から離れたポジションを取っている。

しかし少しでも早くエルダーを倒し切りたいと考えるドラゴンピットにいるプレイヤー達はそんな事をあまり気にしてもいられなかった。


「いいから寄れや!もうこっちはエルダー始めてんだよ!!!」

「マジでこいつ初めからピン連打ばっかしやがって。韓国人かベトナム人か知らねぇけど、考えがあるならチャットで言えや!!」

「この【十色】って奴めっちゃトキシック(※暴言を吐くプレイヤーの事)だから、多分チャット制限食らってるw」

「アハハ、なるほどw」


どうやらこの十色という名前のグウェンはこのレート帯では有名なトキシックなようだ。


エルダーのヘルスも残り1万を切ったそんな頃。ホワーン!特徴的な効果音とともにドラゴンピットが青く光った。レッドサイドの誰かが置いたファーサイトオルタレーションだ。


「あー、エルダーやってんのバレたな」


グラガスが殴ってすぐに破壊するが、これでエルダーをラッシュしているのが敵に見られてしまった。

それでも視界はこちらが有利、、、そう思っていた次の瞬間、ブルーサイドのプレイヤーたち全員の頭の上に不気味な目玉が表示された。

敵ツイステッドフェイトのアルティメットスキル「デスティニー」だ


完全にこちらの位置関係が把握され、パンテオンが一生懸命置いたワードで得た視界有利もこれで良くて五分五分か、それ以下になってしまう。

エルダーのヘルスは残り9000。


「これ狩り切れるか?どうする?」

「やばくね?一旦リセットかけよう、少なくともTFのウルトの効果が切れるまで...」

「いやそれよりもカジックスどこだよ!まだ見えないんですけぉ!!まさかピットの裏とかいねぇよなぁ!?」

「トライブッシュには居なかったからな!!」


あるものは撤退ピンを鳴らし、あるものは何も考えずにエルダーを殴り続ける。

誰も自分がどうするべきか正しく分からなくなっていたが、しかし4人はただ、雰囲気でエルダーを殴り続けた。


「あ、待って... カジックス映った!!」


しかしその時、相手のジャングル、カジックスの姿がブルーバフのブッシュに置かれたワードに映った。

一応オラクルレンズを回してはいるが、慎重な様子は無い。

見つけたワードも殴らずTFのウルトで得た視界を利用して、一気にドラゴンピットへと詰め寄ってくる。


「オイやばいぞ!!これ狩りきれない!!スマイトバトルになるぞ!!」

「いや、スマイトバトルなんかしねぇよ!!おいパンテオン!どこ行ってんだぁ!?早く戻ってこい。カジが入ってきたらお前がWで捕まえるんだよ!」

「ハイハイ、今行くって!!」


カジックスに続いて、視界の無いジャングルを進みにくそうにしていたレッドサイドの他のプレイヤー達もどんどんと森の中を進み、ドラゴンピットに詰め寄ってくる。


「大丈夫か?やっぱり一旦リセットかけない!?」

「どうすんだよ!!」

「と、取り敢えずエルダー殴るか...」


今まさに敵が流れ込んでくるそんな状況の中、反転やリセットを見据えてエルダーを殴る手を緩める者もいた、しかしまた誰かは止まることなくエルダーを殴り続け、ヘルスはもう6000を切り、そのまま5000、4000と止まる事なくじりじりと減っていく。


だが、ヘルス3000を切ろうとしたその時、試合は動いた。

カジックスが突然、Eのスキル「リープ」を使ってジャングルの壁を越え、リバーの中心、ブルーサイドのプレイヤー4人の目の前にジャンプして飛び込んできた!

勿論後続はついていけるはずもなく、まだ敵のブルーバフの辺りだ。

カジックスは完全に孤立してしまった!


「え?」

「なんだコイツ!?」

「お前ら... かかれぇ!!」


パンテオンがWスキル「跳撃の盾」によって目の前のカジックスにスタンを入れた。

4人の敵の目の前で完全に動けなくなったカジックスにタロンのアルティメット込みのコンボ、セナADCの重いAA、ありとあらゆるブルーサイドの攻撃がカジックスの顔面に向かって一気に飛んで行った!


【敵を倒しました】


アナウンスが響く。

序盤からデスを重ねながらも頑なに脅威アイテムを積み続けたカジックスは、4人のフォーカスを受け、跡形もなく消し飛んだ。


「ナイス!!!!」

「こいつ焦りすぎだろぉww、エルダーそんな欲しかったぁ?wwww」

「ウルトで消えるつもりだったんだろうけど…流石に無理じゃね?wwww」

「いいからお前ら、エルダー殴れ殴れ殴れ殴れ!!!www」


スマイトを持つ相手のジャングルが死んだことでエルダーを触っているところに飛び込まれ、スティールされる可能性はこれでなくなった。

ブルーサイドのプレイヤーは勝利を確信し、ここではさすがに誰一人として迷うことなくエルダーを狙う。

エルダーさえ手に入れればこの直後時間差で沸くバロンがほぼ確定でとれる。

そのあとはゲーム中最強の2つのバフを身にまとって相手の陣地に攻め込み全滅させて、ネクサスを壊すだけだ。

つまりこれは... 勝った!


エルダードレイクのヘルスが残り2000を切った。

怪しい試合になってしまったがこれならもう大丈夫。

後はグラガスのスマイトを使ってエルダーのバフを手に入れ、あとは詰将棋。

負けるリスクは殆ど何もない、ブルーサイドのプレイヤーたちはそう確信していた。


ホワーン!


突如、ドラゴンピットの奥にずらずらとトランプで円が描かれた。

TFのアルティメットの二段目「ゲート」。

自分を中心に超広範囲で、サモナーズリフト上を一瞬で移動する事が出来る。


「TFここに飛んできた!スキルで命がけのスティールするつもりだ!」

「大丈夫大丈夫、TFなんかのダメージじゃ俺からスティールは出来ねぇって!w」

「ハハハ!あいつらどいつもこいつも俺たちの目の前に飛び込んできて馬鹿すぎだろ!」

「俺まだW上がってない!まずはエルダー狩切ろう!TFはその後だ!」


一歩的にスマイトを打てる時は、オブジェクトを狩り切る時、安易にバーストを入れない様にした方がいい。バーストの中に混じった敵のスキルがエルダーにとどめを刺してしまうかもしれないからだ。

混乱の最中でも、レートももう低くはないプレイヤー達。

これまでの試合での経験からこの定石は染みついていた。

ADはバロンを殴るのをやめ、タロンとグラガス、パンテオンは落ち着いてAAのみを優しくローヘルスのエルダーに入れて、ヘルスをスマイト圏内に調整していく。


ヘルスが1200を切り、、、1100の台に...!

ズドン!

瞬間、エルダーの上に完璧なスマイトが落とされた!


グオオオン!!


ついにエルダードレイクは倒され、その理不尽なバフ効果がサモナーズリフトの上で片方のチームへ一歩的に振り撒かれた。

強すぎるバフの効果でゲームから駆け引きの要素は消え、蹂躙が始まる。


「よし、相手突っ込んでくるぞ!!構えろ!」

「俺はセナのピールする!」

「とりあえず先にこのバカのTFを片付けるぞ!」


ドラゴンピットの中で一人浮いているTFをフォーカスしようと4人が一斉にスキルを放った。


しかしキーン!とTFがゾーニャの砂時計を使用した。


「ああもう!いいや!TFは取り敢えずほっとけ!!リバーの方から敵来るぞ!」


サイドをクリアしていたトキシックなグウェンがTFがピットにウルトをしたのをみてやっとこちらに寄り始めた。

まだミッドの辺りだが、それでもカジックスは先に倒して4v4。

さらに、エルダーバフがある事を考えればブルーは余裕を持ってこの集団戦に勝つ事が出来る。

しかし...。


「どうしたセナ!敵を殴ってくれ!!」

「う、動けない」


ADCのセナがスタンしている。

どうやらTFが砂時計を使う直前におまけでイエローカードを投げていた様だ。


「あ、俺サッシュ有ったんだった」

「馬鹿が!早く殴れ、押し負けるぞ!」

「ご、ごめん。でも大丈夫だって...!こっちには最強のエルダードラゴンの力がある!」


サッシュを使うのが一瞬遅れたセナに、ジンクスがスーパーメガデスロケットを放った。

そのメガデスロケットのモーションを見たとき、セナはケラケラと内心嘲笑った。


「おいおい初心者か?ジンクスのウルトはな、減少ヘルス割合でダメージが増えるんだぜ。いくらダメージの飽和するレートゲームと言っても俺はまだTFのイエローカード一枚食らっただけ、MRも積んであったしまだ俺のヘルスは8割もある。そんな打ち方をしちゃあダメージは...」


ヘルスがあるうちのメガデスロケットは大した脅威ではないと油断しているセナ。

しかしそれが自分にぶつかる頃、その真の意味にふと気付いた。


「あれ?なんか俺のヘルスバーに処刑ライン表示されてね...?」


メガデスロケットがAOEでぶち当たり、ゆらゆらと青白く燃える竜の炎がブルーサイドのプレイヤー達に確定のドットダメージを振りまいた。

いよいよ集団戦が始まったその瞬間、セナは一瞬でデッドした。

ギャオーン!とドラゴンの真髄に燃やされて...


タロンがフラッシュを使って一心不乱でジンクスに飛びついた。

なんとかヘルスを減らそうとするが、ウルトをさっきカジックスに使ってしまったこともあり、全く倒せる気配はない。

負けを悟った頃、タロンも気づいた。


「あれ?俺たちエルダー取られてたの?」


セナのデスによりパッシブスキル超エキサイティン!を発動させたジンクスは、あっという間にピット付近にいる残り3人のプレイヤーを理不尽な圧倒的確定ダメージと共に葬り去った!

ギャオーン!ギャオーン!……ギャオーン!


【ジンクスのクアドラキル!】



?????


ホワン!ホワン!(効果音)

?ピンが数人分、大量に炊かれた。

場所は、ドラゴンピットのすぐ後ろでリコール中のグウェンの頭の上。

ギリギリまでサイドでウェーブをクリアしていたグウェンは急いで寄ってきてはいたものの、結局戦闘に参加できないまま、ただ目の前で他の味方がクアドラキルされたのを見ていた、そして今、何もしないままただリコールするしかなくなった。

正直、グウェンが悪いのかは分からないが、デスしたプレイヤー達にはとにかくその苛立ちをぶつける相手が必要だった。そしてその苛立ちは、最後までファームし続け、戦わず、死にさえもしなかったグウェンに向けられた。


十色 (グウェン): グラガス スマイト - 準備完了

十色 (グウェン): グラガス スマイト - 準備完了

十色 (グウェン): グラガス スマイト - 準備完了

十色 (グウェン): グラガス スマイト - 準備完了

十色 (グウェン): グラガス スマイト - 準備完了

十色 (グウェン): グラガス スマイト - 準備完了


グウェンも言い返すようにグラガスのスマイトをピンした。


「それはそうだろ。おいグラガス!何TFなんかにエルダースティールされてんだよ!!訳わからん!俺たちには偉そうに指示してきたくせにさ!!」


パンテオンが不満を込めてグウェンに乗っかり、スマイトにピンを挿した。


(パンテオン): グラガス スマイト - 準備完了


しかしグラガスが反論した。


「いや、なんかあいつスマイトしたんだよ!!」

「は?そんなわけないだろ!!言い訳やめろ!!」

「ほんとほんと!!!」


グラガス: ツイステッド・フェイト 解放の魔導書

グラガス: ツイステッド・フェイト 解放の魔導書

グラガス: ツイステッド・フェイト 解放の魔導書


「これだよ!あいつ魔導書でスマイトを出してたんだ!!」

「ハァ~?知ったことかよ!クソが!!」

「あ~うるせぇ~!そもそもさぁ、グウェンがとっとと寄ってればラッシュ間に合ったじゃん!カジックスが入ってきたときエルダーのヘルス3000ぐらいだったよ、後3000ぐらいグウェンが初めから寄ってきてたら余裕で出せただろ。グウェンがワリィわ!」

「まぁそれはあるわ!このグウェン戦いもしないでずっとミッドうろうろしてさ~、まじで何やってん?」

「確かに、グウェン何もしてなくないか?」


グウェンが何かを言い返したそうに再びピンを鳴らした。


ツイステッド・フェイト - 生存中...


「そんなにTFのスプリットが怖いならさぁ、、TP持ってこいや!!お前のサモナースペル、ゴーストとイグナイトって、LoL舐めてんじゃねぇよ!!!」

「それな」

「大体さぁ、TFのスプリットなんてエルダー取った後にリコールすればええやん。俺たちがもうエルダー触ってんだからとっとと寄ってこいや!」

「それな」


責任を押し付け合うピンやチャットの応酬の中、結局ただ何もしていなかった様に見えるこのグウェンに、段々とチームのヘイトが集まった。


ヘルスを十分に残した4人の敵がミッドのインヒビタータワーをシージしてくる。

ドラゴンピットでデスしたプレイヤー達ののデスタイマーは後25秒...

グウェンがタワーをなんとか守ろうとW「聖なる霧」を展開しながらアルティメットスキル「針仕事」でミニオンのクリアを試みる。

しかし...バシュン!TFが聖なる霧の内側にまで入るフラッシュイン、からのイエローカードでスタンしてしまうと、そのままエルダーバフの乗った4人からのフォーカスでグウェンは呆気なく死んでしまった。ギャオーン!


?????(ホワンホワン)(効果音)

プレイヤー4人分の、とてつもない数の?ピンが死んだグウェンの上に炊かれた。


「は~、マジでさ~」

「なんでネクサスの前まで引かないんだよ。ネクサスの前にはタワーが2本あるんだよ?ワンチャン俺らが湧くの間に合っただろ」

「はー、しょうもね~」


自分一人で浮いた行動を続けたにも関わらず、結局何の成果もなくデスしたグウェン。

インヒビターが割れたタイミングでデスタイマーは1番早いセナでも20秒。

ゲームの敗北が確定した。プレイヤー達の苛立ちはもう止まるところを知らない。


そんな頃、敵のツイステッドフェイトのプレイヤーが何やら全体チャットをしてきた。


[all]トランプマン (ツイステッド・フェイト): GG!!!!!!

[all]トランプマン (ツイステッド・フェイト): グウェン、ダイア昇格失敗、ドンマイ~w


煽りチャットだ。


「なんだあの【トランプマン】って名前の奴...」


そうは思うが、しかし何故かそのヘイトが向いているのはブルーのプレイヤー達と同じグウェンに対してだった。

おそらくこのグウェンが日頃から暴言を吐いているからだろう。


グウェンがこれでダイア昇格失敗。

それを聞くと、プレイヤー達はむしろ面白がり、一緒になって笑い始めた。


「あれ、この十色って奴、これ勝ったらダイアだったの?」

「マジかよww時間的にこの試合今シーズンラストだぞw」

「ザマァ!ああ~、俺今ちょっと機嫌良くなったわ!ハハハ!!!」


ネクサスを守る最後の2本のタワーも、充分なビルドの揃った4人のチャンピオン達によってあっという間に壊されていく。

レッドのプレイヤー達はむき出しになったネクサスの破壊をわざと遅らせ、楽しそうにファウンテンの前でダンスを始めた。

そうしてゲームが終わる直前に出来た少しの時間。

チャット制限がされているらしいグウェンのプレイヤーがここにきて初めて、少しのチャットを行った。


十色 (グウェン): 全員親ごとくたばれ


そうして1年間の、長いLoLのシーズンがまた一つ終わった。

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