第9章ー66
「鳥かご?!」
今度は予想以上の発言で驚愕させられた。たしかに鳥を自由に飛べなくするなら鳥かごで飼うのがセオリーだろう。小鳥ぐらいのサイズなら抜け出したりはできるだろうけど。まあ、その話はどうでもいいとして。
が、あんな巨大な鳥を囲えるような鳥かごなんて当然持ってるはずがない。というかあのサイズの鳥類を収容できる鳥かごなんて存在するわけがない。ライラック先生だって自分の使い魔をペットのように飼ったりはしてないであろう。召喚すればわざわざそんなもん買う必要もないだろうし。
「結界で閉じ込めるんだよ。結界で閉じ込めれば飛行に必要な揚力も生み出せないだろう。まっ、翼を動かす隙間も与えなければいい話だし」
「…ああ。そういう意味か」
しかし、ソンジさんの言う鳥かごというのは結界のことのようだった。なるほど。それなら可能ではあるか。真剣に『そんな鳥かごなんてあるのか』とか考えてた自分が恥ずかしい。冷静に考えてみれば分かることだったな。
「私のこの結界を張る魔道具があれば遠くでも結界を張れるし、魔改造して弾力を上げてるからすぐに壊されることはないだろう。でも相手は伝説の魔物だ。こっちもそんなには持たないと思う。数秒ってところかな。ちなみにさっきの攻撃で一個壊されちゃって手持ちは残り一個だ。つまり、一回きりのチャンスってところだね」
「…」
ソンジさんの魔道具で結界を張り飛行を不能にする。翼を動かせなければ当然結界と共に落下するのみ。それでも向こうが力づくで破壊してくる可能性を考慮すると持っても数秒らしい。数秒あればギリギリ五十メートルはいけるかどうかといったかなり微妙なラインだ。しかもストックは一個だけ。これで失敗したら終わりといっても過言ではない。まあ、やらなくてもどのみちおしまいだけれども。
「一応もう一個作戦はあるんだけど、ロープを投げてやつの身体に結び付けて力づくで引きずりおろすっていう力技になるんだよね」
「いや、ロープ投げたところでやつに引っ掛けないと意味ないんじゃあ…」
「そうなんだよなあ。あらかじめ輪っかを作って鱗か爪に引っ掛かればいいんだけど、問題はやつに引っ掛けられるかどうか…」
他の代案も考えてくれてはいたようだが、その方法はロープで無理矢理引きずりおろすというかなり古風で脳筋的な方法で難易度が激ムズな内容であった。やつとの綱引きになるのもきついというのに、その上やつの身体にロープを引っかけるとなるとどれだけ厳しいことか想像に難くない。となると、前者の作戦でなんとかするしか…
「…それなら、私がなんとか、やってみせます」
ないと諦めていたとき、ミオから意外な発言が飛び出してきた。




