第9章ー65
「ッ!? 本当か、フィー?」
彼女からの予想外の発言に驚いて聞き返す自分。
『う、うん』
自分の声量が少々大きかったからか、少しびくついたリアクションを取りながらも首を縦に振るフィー。少々びっくりさせてしまったか。
『私の拘束魔法があれば、相手の身動きを取れなくできる。そうすればあいつを引きずり降ろすことも可能、だと思う』
「おお! 期末試験のときに使っていたやつでござるな?」
「ああ。なるほど」
フィーの作戦とは、期末試験のときにライラック先生に使用していた拘束魔法を使って身動きを取れなくするというもの。たしかにこれならやつを強制的に地上まで引きずりおろすことができる。考えたな、フィーのやつ。
『で、でも、問題もあって』
「問題?」
『距離が遠いと捉えきれないことと、相手が自分より格上だと拘束時間が短くなるんだよ。あの高さだと効果範囲外だし、仮に効果範囲内に入って拘束できたとしても、持っても二、三秒。ひょっとしたらもっと短くなるかも。先生のときは向こうが無抵抗でいてくれたからなんとかなったけど』
「…そうか」
しかし、いくつか問題があるようで、拘束魔法には効果範囲があるらしく、今のままではやつを拘束できないこと。そして仮に効果範囲内に入って拘束できたとしても、効果時間が極めて短いということ。二、三秒しか持たないとなると、ほぼ一瞬だな。それに一番の問題は効果範囲のところまでどうやってやつを引きずりおろすかだ。
「ちなみに、効果範囲ってどれくらいだ?」
『えーっと、頑張れば五十メートル、ぐらい?』
「ッ!? 五十メートル、か」
しかも効果範囲は最大五十メートル。やつとの距離は大体百メートル以上はある。つまり、約半分の距離までは他の方法で引きずり落とす必要があるということ。となると、他の手も考えなければならない。なにか他にやつを引きずりおろす手はないか。
「…なら、やってみる価値はあるか」
「? ソンジさん?」
「ソンジさん、もしかして他にいい方法が?」
「ああ。けど、うまくいく保証は全くないけどね」
そのとき、ソンジさんがなにか思いついた様子。うまくいくかは保証しかねないようだが、話だけでも聞く必要はあるだろう。
「教えてくださいソンジさん。やつを引きずり降ろせるならやれることはやっておきたい」
「…うん。そうだね」
自分はお願いして方法を聞こうとすると、ソンジさんは分かってると言わんばかりに首を縦に振った。あまり時間もないし、もったいぶる時間も惜しいと判断したのだろう。一体、彼女の考えた策とは。
「やつを鳥かごで閉じ込めるのさ」




