第9章ー51
「きゃあっ!?」
明らかに殺意を向けて放たれたであろう光の柱は空洞を通過。それから数秒後、光の柱がゆっくりと小さくなっていき消滅。上から大きい衝撃音が鳴り響いたかと思えば、それと共に凄まじい数の落石が降ってきた。
「はあ…はあ…はあ…」
辛うじて自分達は下からの攻撃の巻き添えを食らわずに済んだ。といっても、爆風とか細かい破片は飛んできたものの、重症を負うような怪我は誰もしていなかった。これもミオが避けたから、というより止まってくれたからだろう。本人的には自分からの急な指示で困惑して動けなかっただけなのだろうが。それでも立ち止まって攻撃を回避できたのだから結果オーライだな。ぶっちゃけ死ぬかと思ったけど。
『な、なにが起こったの?』
更に困惑を隠しきれないでいるフィー。なにが起こったのか理解できていない様子。自分もあのとき下を見ていなければ同じ気持ちになってただろう。
「下から攻撃されたんだ。マヒロが入れた切れ目の隙間から光が見えた。最初は光魔法で目くらまししてくるのかと思ったけど、あれだけ離れてたらあんま意味ないだろうし、そう考えると攻撃するのが自然な流れかなと思って。正直あそこまでの威力がくるとは思ってなかったけど」
「攻撃って、まさか…」
あの光を見たとき、一瞬自分が出した光魔法のゆらめく炎の光球に似ていると思った。が、このタイミングで下からの目くらましの魔法を撃つだろうかという疑念を抱いた。
その疑念が抱いた時点で薄々気づいていた。あの攻撃は明確に自分達に向かって放たれたものであり、確実に殺す気でいた。つまり、ここに封じられていたのは…
「うぅっ!?」
「うおっ!?」
などと考えていると、ミオの様子がおかしいことに気づく。ふらついているようだが、気づかないうちに爆風かなにかで負傷したのか?
「大丈夫かミオ?」
「う、うん。私は大丈夫…だけど、風足の運び屋が、上手くコントロールッ!?」
「わわわっ!?」
どうやらさっきの衝撃で風魔法が制御しづらくなってしまったようだ。急いで立て直そうとするも間に合わず、ゆっくりと壁際に向かって下降していく。
「…仕方ない。一度降りよう。ミオ君、もう少しだけ頑張ってくれ」
「は、はい」
流石にこのまま浮遊させておくのも危険だと判断し、一旦下に降りることを決意するソンジさん。幸いなことに端の方の被害は少なく、足場は多少崩れてはいるものの辛うじてまだ残ってはいる。ミオはそこに向かってなんとか自分達を降ろすことに成功。とりあえず皆を無事に避難させたことに一安心するミオなのであった。




