第9章ー49
「じゃ、じゃあ、この場所に居座ってるのってマズくないっすか!?」
ソンジさんの話を聞いて、ギリスケが真っ当なことを言い始める。ギリスケの言う通り、真相はどうあれここがヤバイ場所であることは間違いない。となると、ここに長居するのは危険だ。
ズン ズン ズン
「そうだね。面倒なことになる前に早いところ引き揚げないと。ミオ君、準備いいかい?」
「はい。私はいつでも。フィーちゃん急いで!」
『う、うん!』
ギリスケの発言を聞いて一気にせわしくなる。ソンジさんがミオに再び脱出の準備を整わせ、ミオは一人離れたフィーを呼ぶ。フィーも状況を理解し、慌ててミオ達のもとに駆け寄っていた。
ズン ズン ズン ズン
「皆、準備はいい?」
「ああ」 『オッケー』 「もち」 「うむ」 「…」
フィーが合流した後、今度はミオが皆に準備できたか確認を取る。皆が返事をする中、自分だけは無言で意識は耳の方に集中していた。
ズン ズン ズン ズン ズン
「? サダメ? どうしたの?」
そんな自分を見て声を掛けるミオ。話はある程度聞いていたが、妙な雑音が気になってそれどころではなかった。
ズン ズン ズン ズン ズン ズン
「まだ何か気になることでもあるのかい?」
それを不審に思ったソンジさんがフィーの時と同様の疑問を自分に投げてきた。正直言うべきか悩んだが、皆が気づいていないようだからいちおう言っておいたほうがよさそうか。
ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン
「なんかさっきから変な音が聞こえる気がするんですけど、聞こえないですか?」
「変な音?」
「ほら、耳澄ましたら聞こえてきません?」
「んー?」
自分は皆に妙な雑音が聞こえてくると話すが、やはり皆は気にしていなかった模様。多分、集中して聞かないと聞こえないんじゃないかと思い、皆に耳を澄ますよう促した。
ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン
「ッ!? 本当だ。何か聞こえる!」
『ズンズンって音が下から聞こえてくる気がする』
「これは何の音でござる?」
「分からない。なにかを壊してる音、なのか?」
「つーか、なんかだんだん早くなってきてねーか?!」
皆も耳を澄ませると、奇妙な音が聞こえるようだ。やはり空耳ではなかった。明らかに下からズンズンと激しい破壊音のような音が聞こえてくる。
ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン
しかも、その音はギリスケの言う通り徐々に間隔が短くなっていく。それどころか音も大きくなってきている気がする。いや、耳を澄まさなくても聞こえてくるぐらいには大きくなっている。
ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン
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そして奇妙な音とともに、けたたましい遠吠えまで聞こえてきた。




