第9章ー48
「えっ!?」
自分の思考を見透かされたかのような発言を唐突にするソンジさん。流石にビックリして一瞬寒気が走った。
が、彼女の視線は自分を全く捉えておらず、虚空を見つめて集中している様をみるに、どうやら独り言だった様子。なんだ。自分が無意識に口に出していたのかと思った。それにしてもタイミングがよすぎてマジでビビった。
「ソンジさん。何かわかったんですか?」
ソンジさんの発言にミオが反応する。皆も気になってソンジさんの方に視線を向けていた。
「あくまで可能性の話だけどね。この場所のどこかに騎士団でも管理できないような『なにか』が封印されてる。恐らく、ここは騎士団の人でもごく一部の人しか知らないだろうね。結界も誰かが定期的に張り替えないといけないだろうし」
「『なにか』って、なんです?」
「ハッキリとは言えないけど、凶悪な魔物とか、呪いの掛かった魔道具とかそういうやつ。ほら、絵本とか小説にもその手の話が出てくるだろ? それがこの世界にも実在してたってことさ。まあ、これは私のただの仮説ではあるけどね」
やはりソンジさんも自分と同じ考えらしく、ここにはなにか危険なものが封じ込められているという結論に至っていた。そうでもないとここをひた隠しにする意味がないし。まあ、なんでそれで魔物が出現しないかという理由は説明しづらいところではあるが。隠蔽するという理由にはいちおうの筋は出来ていると思う。
『じゃあ、魔物が出てこないのはなんでです?』
なんて考えていたらちょうど自分が説明しづらいと思っていたところを聞き出すフィー。そんな質問に対してソンジさんはどう答えるつもりなのだろうか。
「それはここに封印された『なにか』が強力なのが原因だと思う。ここだけ魔障が発生しているし、この迷宮がこんなに寒いのも、この場所が起因してるはず。それだけヤバイ代物が眠っているということは、魔物達も本能的にここに近づくのは危険だと悟って近寄らない、いや、近づくことすらもできないんだろうね。魔物が生まれる要因として、自分達に害が及びづらいところに生まれるって本で読んだことがある。ほら、村の付近に現れたとしても、村のど真ん中に出現することってないだろ? 生まれた瞬間にリスキルされるなんて向こうからしても願い下げだろうし、魔物達も生まれ出でる前から何かしら対策はしてるんだろうね」
『へー。りすきるっていうのはよくわかんないですけど、なんとなく理解はしたっす』
ソンジさんは持論を交えつつ、フィーの疑問に答えた。確証があるわけではないが、彼女の言い分はある程度の納得感はあった。たしかに、タリスターの花が自生していない村もあるが、村のど真ん中で魔物が生まれることはない。ドレーカ村やリーヴ村がいい例だ。あんまり考えたことはなかったけど、そういう理屈だったのか。
ズン ズン ズン
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




