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転生勇者が死ぬまで10000日  作者: 慶名 安
9章 迷宮~攻略編~
462/492

第9章ー22

 それから五日後。初迷宮まで残り二日を迎えていた。


 「よし。今日はここでしまいだ。明日の魔法学と補習はなしだからしっかり休んで任務に備えろよ。当日に風邪なんか引いたら殺すかんな」


 「は、はい…」


 自分はこの五日間、新必殺技習得の為に先生から指南を受けていた。


 「どうだ? 新しい必殺技覚えた感想は?」


 「いや、感想も何もひたすら素振りとダミー人形斬っただけで、覚えた実感すらないんですけど」


 「ははっ。そりゃあそうだろうな」


 「くっ!?」


 とはいえ、今のところ新しい魔法を覚えた感覚はまるでない。なにせ教えてもらったのは魔法の効果と剣の振り方ぐらいだ。それからずっと素振りしてダミー人形斬って素振りしてダミー人形斬っての繰り返し。正直、いつもやってる朝練とあまり変わらない気がする。なんなら朝練の時も意識してこの振り方してるし。


 「先生。本当にこれで習得できてるんですかね?」


 「さあな。生物で試すしかねーけど、その辺の虫斬っても意味ねーし、使い魔で試すにしても一度やられたら回復するまでに時間かかって効率わりーし。なんならその辺の生徒で試してみるか?」


 「俺ただの辻斬りじゃないっすか!?」


 「そもそもこんな夜遅くに出歩いてる奴が悪いし、今後の指導の為にも一回やってみればー?」


 「やる訳ないでしょ!?」


 不安に思った自分は先生に大丈夫なのか聞いてみるが、半ば冗談話で返されてしまった。いや、この人のことだから一割ぐらいはマジで『辻斬りしろ』とか思ってそうだけど。絶対やる訳ないでしょそんなこと。やったら退学どころじゃ済まないよ。捕まって人生オワタだよ。


 「ほら。終わったらとっとと起きて帰れ。そんなに眠りてーなら帰ってからベッドで寝ろよ。永眠してーなら話は別だが?」


 「ッ!? おつかれさまでしたー!!」


 「ったく」


 そんな小ボケをぐったりしながら内心やっていると、先生が上からさっさと帰れと圧を掛けてきた。なんなら脅迫もされ、怖くなった自分は重たい身体を無理やり起こして足早に寮へと帰って行った。カタギとは思えない顔をしていて一秒でも早くこの場を去らなければと自分の直感が言っていた。まあ、あの人なら本気でやりかねなさそーだけどな。いつやってもおかしくなさそうだもん、あの人。


 そんなことを思いつつ、二日後の迷宮攻略への期待と不安を胸に抱きながら帰路に就くのだった。まさかあんな目に遭うとは思ってもみなかったが。


 ―転生勇者が死ぬまで、残り3916日

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