第7章ー㊼
「さて、次は六試合目になるかな? それじゃ、次の対戦カードを発表するよ?」
それから一試合進み、試験も折り返し地点を超えていた。五試合目はリーフ理事長がまたもあっさり終わらして終了。現時点での合格者は二組だけとなっていた。改めて思うけどこの実技試験、想像以上に難易度高い気がする。マヒロやサダメでもギリギリ。あの二人と組めなかったのは正直痛い。実力差もあるだろうけど、今までの試験内容を振り返ってみると、やっぱりお互い知らない者同士だと上手く連携が取れずに落ちてしまうケースが多い。サダメみたいに機転を利かして一人で立ち回るやり方もあるけど、あれはそれなりに動ける身体と磨かれた魔法センスがあってようやく機能するものだ。私が見よう見まねで出来るようなものじゃない。
「まずは生徒側からだが、一人目は…ミオ・チヤドール」
「ッ!? は、はい!?」
そうこう考えている間にライラック先生が抽選を始めており、先に渡しの名前が呼ばれた。とうとう来た。呼ばれただけで異様に緊張する。
「それで、もう一人の方はー…」
「…」
私の名前が呼ばれた後、すぐさま二人目の抽選が始まる。私の相方。一体誰になるの?
マヒロもフィーちゃん、サダメだけじゃなくギリスケも居ない。奇しくも私の友人はもれなく全員チームを組み、合格している。困ったな。まさかここで仲間外れにされるとは思わなかった。まあ、五人なら一人外れてしまうからこればっかりは仕方ないのだけれど。
けど、本当に困った。私はどっちかというとサポート系の魔法ぐらいしか使えない。風の攻撃魔法もあるにはあるが、せいぜい石を投げる程度の威力ぐらいしか出せない。そんなレベルでは先生達とやり合うなんて、とてもじゃないけど無理。勝てる気がしない。
これは私個人の身勝手な我侭かもしれないけど、当たるならせめて私以上に攻撃魔法を使える人にして欲しい。それなら支援しながら一緒にゴール出来るかもしれないし。同じサポート系だとお互いカバーし合うのはかなり厳しくなると思う。
だからお願いします神様。私の相方は、私より戦える人としてください。その条件だけ揃えてもらえれば頑張れそうな気がするから。手を合わせて必死にそう願う私。こんな神頼みの仕方、神父様に見られたら大目玉を喰らいそうだけれども。今はそんなこと気にしている余裕はないんです。だから何卒、私の願いを…
「アラガ!」
「…え?」
叶えてくれた、のだが、その相手はサダメに敵対心を抱いている男とだった。




