第6章ー⑪
「木刀? ああ、そりゃあ勿論私が制作したものさ。護身用にはいい武器だろ?」
「やっぱそうでしたか」
ミーティングが終わった後、確認する為ソンジさんの教室に来ていた。ちょうど彼女の方からも用事があったらしいし。にしても、相変わらず白衣に下着という組み合わせを欠かさない。ひょっとしたらこれが彼女の仕事着になっているのかもしれない。とはいえ、男を入れるならもう少し気を遣った方が良い気もするが。
んで、確認した結果、予想通り彼女がスタンガン式木刀を制作したそうだ。なんか木刀から雷を発生させるという発想に中二病を感じて、どことなく彼女らしいなと思った。
「君達、初任務までもう少しだろ? コールスタッシュ先生に頼まれて急遽作ってみたんだが、扱えそうかな?」
「…それなんですけど…」
彼女がそのことに興味を持ち始めたタイミングで本題に入ることにした。
「ふむふむ。少々重かったか。刀身を少し長めに作ったのが裏目に出たか。たしかに、改善する必要があるみたいだね」
皆の意見を彼女に素直に伝えると、話を聞き終わった彼女はパソコンに向かって作業を始めた。見た感じ、調整の為の計算をし直しているようだ。やはりあの段階でも色々考えられているようだ。申し訳ない気持ちもあるが、こっちも危険な任務に挑む以上妥協は出来ない。
「間に合いそうですか?」
「うーん、まあ、サイズの調整ならすぐ出来るけど、魔力の許容量も調整しないとイケないし早くても二、三日は掛かるだろうな」
「じゃあ、間に合いそうですね」
「お望み通りの品を作れるかはまた別だけどな。剣に関してはからっきしだから使い心地まではよく分からんし」
「まあ、そうですよね」
「良かったら明日、彼女を連れて来て欲しいな。腕の立つ人から意見を直接聞いた方が効率が良い」
「俺もそう思います。明日、声掛けてみますよ」
「宜しく頼むよ」
とりあえず、木刀の件についてはなんとかなりそうだ。マヒロも強力してくれるだろうし問題はないかな。
「あっ、そういえば用があるって言ってましたけど、なんなんですか?」
「ん? ああ、私の用事ね」
自分の要件が終わり、次に彼女の要件について聞いてみた。大事な話ってわけでもなさそうだし、手伝いか何かを頼もうとしていたのだろうか。
「…ん~、え~っとね、こんばん~、わたしと~、一緒に寝てほし~な~って」
「…んで、用件は?」
「ちっ、妹キャラでも駄目だったか」
「いや、目の前でキャラづくりしようとしている時点で駄目でしょ」
真面目に用件を聞く自分に対して、彼女はロリ声とあざといポーズで自分を誘惑しようとしていた。だが、明らかに冗談だと分かった自分は本題に入るよう促した。ま、目の前でキャラづくりしようとしている段階で冗談なのは明白だったしな。




