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転生勇者が死ぬまで10000日  作者: 慶名 安
4章 入学試験編
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第4章ー㊽

 「つい先程、試験に受からなかった者達への説明やらエールの言葉を送ったりやらして少々時間を食ってしてしまった。申し訳ないね」


 リーフさんは皆の元にゆっくり近づきながら事情を説明していた。要するに不合格者から先に用件を済ませていたから遅れたということなのだろう。きっと納得いかない者が現れ、説得に時間が掛かってしまったのだろう。あれだけの数がいれば、そうなってもおかしくはなさそうだ。特にあの二人はな。


 「それでは改めて。ここに居る者達は試験を突破した者達だ。というわけで諸君、合格おめでとう」


 事情説明が終わり、今度は合格者達に拍手を送るリーフさん。周りに居た職員らしき人達もつられるように拍手を送っていた。


 「君達はこれで我が学園の生徒の一員となった。それで今後の予定だが、この後すぐに学生証の発行をしてもらう。色々記入事項があるけど、分らない事は遠慮せず職員に聞いてくれて構わない。といっても、そう難しい事は書かないだろうから聞く必要もないだろうけど。学生証は当日には発行出来るから、今日のうちに受け取っておいてくれたまえ。今後使う機会が増えるだろうからね」


 リーフさんは説明しながら手元にある銅のプレートを翳して説明を続ける。あれは職員が身に着けているプレートと同じで学園の関係者の証明なのだろう。学生証だから当然か。


 「入学式は二週間後。それまでの間に一度家に戻って家族に報告したり寮生活に向けて準備するなり色々してくれたまえ。遠方の者は事前に馬車を出すから今日で申し出てくれ。馬車に乗る際は学生証の提示が必要になるかもしれないから忘れないように。説明は以上だが、なにか質問はあるかな?」


 「…」


 今後の予定と注意事項を簡潔に説明し、リーフさんの話は終わった。質問を受け付けてはいたが、特に誰も手を上げたりするような行為はなく、暫し沈黙の時間が流れた。


 「それでは、説明会はこれにて終了だ。改めて言わせてもらうが、諸君、合格おめでとう。これからはこの学園の生徒として恥ずかしくない行動を取るように心がけて欲しい。大変なのはこれからかもしれないが、大きな壁を越えれば間違いなく君達は過去の自分達より一皮むける事が出来るだろう。私達職員一同もその為のサポートは惜しまないから、目一杯頑張ってくれたまえ。では、解散!」


 最後はリーフさんの大きめの手拍子一回にて説明会は終了した。その後は職員に促されるように学生証の発行手続きをする形となった。

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