辿り着けない壁の存在
『***よ、本当に良かったのか?』
『ああ、あの程度どうということはない。逆に、我らを殺しに来てほしいくらいさ』
『それは無理な話だろう。天世之自由世界で生きていくには、選出之天世試合の空間に居る全ての存在を殺し吸収した無限を超越した"天世"の存在でなければ困難だ。彼らはまだ、無限×無限の域に達した程度だ』
『無論だ、だが彼らは別枠だ』
"天世之自由世界"の創造神である***はそう答えながら不敵に笑った。
『……まぁ、良いだろう。我らがこの天井之自由世界に降り立ってから、もう200億年も経つ。そろそろ飽きてきたところだ、多少の道楽を期待するとするさ』
『助かるよ$**。もう少し待てば、天井へと至る存在が出てくるはずさ。我ら2人以外にな』
『そんなことはあり得んよ。この天井へと至るには無限程度の規模では足りん。無限の超越を内包した天世、さらにその天世を超越し、やっとの思いで"天井"を得る条件が揃うのだ』
『だが、我らはそこまでたどりついた。それでも我ら2人では、これより上は目指せん。だから始めたのだろう?』
『……ふん、まぁ良いさ。もう10億年程度ならここで待ってやる』
『だが、我らもそろそろ戦いの時さ。魔王の復活、我らも勇者として行かねばなるまい』
『もうそんな時か、今回の選出之天世の試合が面白かったからだろうか、早く感じるな。復活を待つ数百年が』
『まぁ、誤差程度だがな。それでも退屈しのぎにはちょうどいい催しであったことは否定せん』
『では、参ろうか』
『うむ』
彼らはそう話し、旅に出た。次の"天井"を待ちながら。
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