王之堕天使-ルシフェル-
堕天使之再誕の発生により、魔界より眠りについていた堕天使が目覚めた。
先に顕現を果たした崩壊之堕天使、堕天之王分裂体の王之堕天使と唯我之堕天使、知恵之堕天使、否定之堕天使、無価値之堕天使の通称六之堕天使である。
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「ついに我らの悲願が叶う」
そう語ると王之堕天使は喜びに身体を震わせた。
「だが、真の再誕ではない。唯我之堕天使は未だ我と同化しておらず……既に下界へと行ってしまった」
そう王之堕天使は、唯我之堕天使が去った方向を見つめながら言う。
「ですが、好機であることには変わりません、堕天之王様。それに、唯我之堕天使と互角に戦っている二人組の人間もいます。上手く利用できれば、壊滅的な打撃を与えられるやも」
「ああ、だが……。あの忌々しき我が兄も来るだろう」
否定之堕天使の進言に王之堕天使は表情を曇らせる。
「ええ、今彼と衝突するのは避けるのが得策でしょう。まずは唯我之堕天使を利用し、天使の出方を伺いましょう」
「そうだな、数でも劣っているのだ。利用できるものを最大限使うしか勝ち目はない。兄の采配は天界大戦争にて学んだ、まずは天使共を誘き出すこととしよう」
王之堕天使はそう言って、不敵に笑った。
「無価値之堕天使は聖騎士団の居るグライグ王国に行ってもらおう、どうせ秩序之大天使が出張ってくる。無価値之堕天使分かっているな?」
「当たり前じゃない、妹として姉のことはしっかりと殺しておくわ」
「うむ、それでいい。知恵之堕天使は智慧之大天使だろ?」
「ええ、わたくしに殺らせていただけるのでしたら、必ず」
「貴様には期待している、さて崩壊之堕天使は人に敗れ連絡がないが、復活はしているはずだ。見つけ次第、報告してくれ。それと、否定之堕天使、お前には愛心之大天使を任せる。存分に遊んでやれ」
「ありがたきお言葉。この手であの女を殺せる日が来るとは、期待を裏切らぬよう全力を尽くし、あの女狐を殺してさしあげましょう」
否定之堕天使はそう言うと、準備のためにその場から立ち去る。
「直ぐに勝敗が決まる戦争だ、決して気を抜くなよ」
王之堕天使は否定之堕天使にそう返すと、自身も準備を始めるのだった。




