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第一話「テンプレVS伊背介行太郎!」

俺の名前は伊背介(いせかい) 行太郎(いきたろう)小学5年生。ふざけた名前だろ?この物語の作者ったら漫画はいちいち絵描かなきゃアカンからめんどいとかほざきだして小説家になろうに小説投稿しだしたらしいからな。そんな小説のサイトでおなじみ「異世界転生」の話だ。もちろん面白い小説はあるっちゃあるんだけどさ、テンプレ展開であふれてつまんないだのクソだの言われがちなんだよなぁ…。

それは学校からの下校中の時だった。向こうで俺より少し年下くらいの男の子が道路でボールで遊んではしゃいでいる。あぶねーなー…。


ぶろろろろ~

「ってオォーイ!お約束と言わんばかりにトラック走ってきてんじゃねーか!ベタな交通安全のビデオか!」

つい声に出してツッコんでしまった。これはギャグ漫画…いやギャグ小説なので仕方ないことだろうか。いやいや、あいつはどうなるんだよ。このままじゃシャレにならねーぞ。俺はトラックの方へ飛び出しアイツを突き飛ばした。俺はトラックの衝撃で吹き飛ばされ、下り坂でゴロゴロと転がった。

「ああああああ」

そのまま電柱に激突した。上で工事していた作業員が驚きスパナから手を放し、俺の頭に激突!

「いてええぇ!」

ふらふらピヨピヨ…千鳥足でマンホールに落下してしまった。

「くせえええ!」

下水道で襲われるは激臭!激流!ってなに韻踏んでるんだよ。そのまま下水処理場を通過し海に流された。いや異常に気づけよ。人を汚物扱いするな。

何はともあれこれでもう危険はないな、と油断したら水平線の向こうから鮫が追いかけてきた。いや、実際鮫より人間アレしてるの蚊とか同じ人間とからしいよ。

波打ち際に着いたときには鮫は諦めていた。あぁ、助かったんだな。そう思って顔を上げたら…。

「放屁日和」

そうつぶやいたおっさんは下半身裸でケツをこちら側に向けていた。

「あっ……」


ぶっ

ここから俺の記憶は途切れていた。



「おっす、オラ神」

「俺の死因ピタ〇ラスイッチか!!って最後おっさんに屁こかれたんですけど!あれ死因なの!?ねぇ!?」

気づいたときには雲の上、なんかいかにも神様っぽい白いヒゲのおっさんがいた。

「これから異世界転生させるからチート食らいやがれコラ」

「はえーなオイ!って口悪ッ!」

神様が俺に迫ってきた。嗚呼、これ絶対なろうのアレだろ。

「やだよチートもらったらどうせご都合主義だのテキトーに美少女にモテるだの読者に嫌われるよ!?アンタも嫌でしょ登場キャラとして!この小説クソ認定されるの!」

ってそれ以前にこんなイかれた文体の小説なんてどう読んでもクソな気がするのだが。

「ほう、嫌なのか?」

「だからそのままの世界に生き返らせてよ~。神龍的な感じでさぁ」

「嫌ならわしの歯茎に転生させるぞ」

「なんだよそのペナルティ?!おっさんの口臭漬けにするつもりなの!?」

神様の身体の一部とかすごい気はするけどこの神様はちょっとなぁ…。

「わかったよ~。チートでもデートでもいいからぶちこめよ!」

向こう着いたらできるだけおとなしくすればいいか。

「じゃあチートかけるからこっちじっとしてろ」

と言って神様はズボンを脱ぎケツをこちら側に向けて…。


ぶりっ!


「くせぇからさっさと行ってこいや!」

神様は「チート」をかぶった俺を雲の上から蹴り落とした。

「嫌な転生方法だな!」

俺は下界へまっさかさま。異世界へ転送されたのだった。


「はっ!」

気が付いた。あのう〇このおっさんの姿はもう見えない。

「知らない天井…いや空だしコレ!」

ある汎用ヒト型決戦兵器のアニメじゃあるまいし寝てたのは良く晴れた原っぱの上だった。視線を横に向けるとランドセルも一緒に転送されていた。そういえばおっさんといた時も背負ったままだったっけ。

「も、もしかして…」

ランドセルを開けて手を入れるとやたら豪華な剣が出てきた。刃にはご丁寧に「えくすかりばー」と日本語で書かれていた。

「だと思った!」

これがなろう系おなじみ「マジックアイテム」か、あの某タヌキのポケット的な。これが悪鬼滅殺とか書かれてたらアウトだったな。もちろん学校で使ってた筆箱や教科書はフツーに出る。とりあえず進もう。ここにずっといててもつまらない。


しかし、顔を上げると上空にグレーのパネルが浮かんでいた。…これはもしや。

「ステータス画面…」

よく世界観ぶっ壊れと言われる要素。ゲームでもないのに表示されるこちらの要素。


伊背介 行太郎。10歳。誕生日12月26日、誕生日とクリスマスが近いせいでプレゼントを一緒にされるやつ。身長140cm、体重35kg。パンツはブリーフ派。5日に1回はおねしょ。昨日までママと寝てた♡


「いらんことまで書くな!」

下にスクロールすれば前世の電話番号、住所、メールアドレスなんてのも書いてある。個人情報なのでここには書かないけど。

問題はチートだ。HPは999…やっぱりね。攻撃とか防御とかこれ以上言わなくてもわかるでしょ、字数節約だよ。

チートといえば魔法だ。魔法で思い出したけど全然賢くないのに賢者って主人公よく見かけるよね。


火属性魔法「チャハーン」水「ネルマエニハトイレ」闇「チュニビョー」光「ハゲアタマ」

「名前ェ!」

予想通り全属性魔法に適正があった。

「超魔法、『ICBM』…?」

非常に物騒な魔法も取得済みだった。

「あとはスキルだっけ…」

というわけでスキル欄を確認した。


スキル「全属性耐性」「全魔法適正」「状態異常耐性」「経験値増大」「鑑定」「スキルハンター」「スタミナマシマシ」「この非リア充にモテさせてやってんだよ感謝しろ」「なんか知らんがこいつ賢者」「強い」

あーあ、見事にチートまみれだな…ヘンな名前混ざってるけど。最後の奴絶対テキトーだよね。

「サッカーうまい」「老後はハゲ知らず」「おねしょ25%くらい防止」「おばあちゃんの知恵」「季節の風邪ちょいと耐性」「ペン回しできる」

「そこはビミョーにちょっと嬉しいなぁオイ!」



次回、「美少女だぜ!ハナノアナ王国のクソハナ姫!」

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