表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

化け猫ばあちゃん

作者: おみ

ひどい夢を見た。



寒い…「寒いよ~」と鳴いても誰も来てくれない。おばあちゃんどこ?「お腹空いたよ~」おばあちゃん…これは夢だ。夢だ…

起きなきゃ…起きて!!はっと目が覚めた。


良かった夢だった。でもおばあちゃんがいない。どこだろう探しに行こう、たっぷり寝たから元気!あれ?いつもより体が軽い。どんどん進める高い塀もひょ~いだ。これならおばあちゃんすぐ見つかるかも。



…おばあちゃん見つからなかった。一晩探したらクタクタだ。家に帰ってもやっぱり居なかった。これ夢なのかな?早く起きないと…



起きたら夜の縁側だった、寒い。夜なのにおばあちゃん布団にもいない。

そうだ!今夜は狩りをしよう。お土産を持って帰るとおばあちゃんは「すごいねぇ」と言ってくれるからなでなでしてもらおう。蝉がいいかな、あれはブルブルしていてかわいい。そんなに素早くないから簡単に捕まる。見つかるといいな~。

今日も体は軽くて高い木もひとっ飛びだ。夜のお外はいつもより明るく見えた。


その夜の蝉はみんな小さくてちょっと触ると粉々に砕けてしまった。

お土産も持って帰れず家に帰っても家の中はしんとしていた。



クタクタに疲れて気づいたら薄暗かった。また夢なのかな、なんかわからない。おばあちゃんどこ?

なんか毛が逆立ってしっぽがムズムズする。手足が熱くて肉球が破裂しそう。「しゃーしゃー」誰かの荒い息遣いが聞こえる。僕しかいないのに、こわいよおばあちゃん…。



怖い夢をいっぱい見たんだ。体が痛い、また寝てたのかな。



…玄関から音がする。

おばあちゃん!おばあちゃん!!」ダッシュで玄関に向かう。おばあちゃんがいた!!足元に駆け寄るつもりだったのに大ジャンプで胸元にひっついた、爪が出ちゃう。

「ただいま。心配かけてごめんねぇ。寂しかった?」おばあちゃんがじっと見つめてる。いつもゴロゴロ鳴る喉が「ぐごぉぐごぉ」いってる。なんだろうこの音。


「…あら。ずいぶん変化してるねぇ、しっぽが二つに分かれてる。ここに力を入れて心を落ち着けなさい」おばあちゃんはお尻をぽんぽんとさすってくれた。そうしたら爪がひっこんでいつものゴロゴロした音が聞こえてきた、気持ちいい。

「あんたはまだ若いから化けるのはちっとばかし早すぎる。私はまだまだ大丈夫だよ。でもしばらく安静だから縁側でゆっくりしよう。あんたがおばあちゃん猫になるまでにはゆっくり教えてあげるからねぇ」



おばあちゃんいた!!なでなでしてくれた。夢覚めて良かった。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] やはりにゃんこはいつでもどこでも良いものです。 途中でじわじわとわかってくる辺りも良いと感じました!
2022/04/03 11:49 退会済み
管理
[良い点] むずかしいところもありましが、孫猫とおばあちゃん猫がお互いを想いやっているところが良かったです。 [気になる点] 確認ですが、孫猫は女の子ですよね?
[良い点] 色々想像させられました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ