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インターミッション 結

 朝が来た。

 良二が初めて迎える女性との朝だ。

 とは言っても、言葉で言うほどエロい状況ではなかった。

 良二は昨夜の姿勢のままベッドに突っ伏して寝いってしまっていて、そのまま朝を迎えてもうた、と言うワケだ。

 せめて添い寝くらいなら色っぽさもあったろうが、頭だけをベッドに預け、床にしゃがんだままでの寝姿に性的な何かを感じられる人も、そうは多くあるまい。

 目覚めた良二は、若干痛む首を持ち上げてライラを見た。

 眼の前には当然ライラがいた。

 そしてライラも眼を覚ましていた。

 眼が合った。

 そのまましばらく見つめ合った。やがて、

 バッ!

ライラは跳ね起きると自分の周りを見回した。

 自分が安宿で良二と一晩過ごした事を自覚したライラ。再び良二と視線を合わすと、改めて自分の服装を確認した。

 パンツOK

 シャツOK

 ブラOK

 おぱんつ……OK

 手探りでのチェックが終わるまで、ライラは良二との視線を外さなかった。

「……何を……したの?」

「……何も……してない……」

「……何も……しなかった?」

「……しなかっ……た」

「……ほんとに?」

「……してない」

「何で、しなかった……の?」

「……嫌われたく、なかった」

「……どうして?」

「…………」

「どう……して?」

「好き……だから」

「…………」

「…………」

「………………………………もう、一度……」

「俺は、ライラが……好きだ……から」

「………………」

 沈黙。二人は見つめ合ったまま、言葉を出す事は無かった。

 黙したまま、ライラはゆっくりベッドから降り、床に座り込んでいる良二の前に自分も座った。

 じーっと、お互い変わらず見つめ合ったままに。

 ライラは良二の首に手をまわした。

 良二はライラの腰に手をまわした。

 やがて、お互いの吐息を感じる距離に。

 そして……そのまま眼を閉じ、唇と唇を重ね……合わせ……た。

 重ねた唇の奥でいつしか舌と舌が触れ合う。

 熱烈に、激しく……ではない……

 ゆっくり、やさしく、それでいて、たどたどしく……

 お互いの気持ちを、言葉では足りなかったものを確認するように。

 二人は唇を離した。そのまま見つめ合う。

 そしてどちらからともなく、再び唇を重ねた。


                ♦


 さて、少々時間は遡って昨日の時間は夜11時ごろ。

 場所は遊撃隊、隊舎内隊長居室。

 どこかの初々しい二人の口づけと違って、

強烈 猛烈 苛烈 爆裂 激甚 酷烈 激烈 峻烈 厳烈 熾烈 凄絶な絡ませ合いを終え、事後の一時に浸ってるホーラと誠一。

「すまぬなセイイチ」

「どうしました? いきなり」

 ようやく呼吸が整い始めた2人が語り合い始めた。

「いや、貴公らが知りたい事、聞きたい事の多くを我は知っておるに、それを話してやることが出来ぬ、心苦しい」

「……やむを得ますまい。私とて知りたいのはやまやま。とは言え、そのすべてを知ったとしても、果たして何が変わりますかな?」

「そう思うか?」

「事実がどのような形であっても詰まる所、我らが帰還するには10か月後にそれに必要な星の位置が揃わなければならないわけで。例えば召喚の原因が我らに承服しかねる理由であったとしても、結局はその日を待たねばならない。ですから我らが今すべき事は、さして変わらないと考えます」

「そう言ってくれると助かる……」

 他に思う事はあるものの、誠一はとりあえず、ホーラの顔を立てた。

「今回の件、表向きは魔界からの要請だとのことですが、私としてはそれに懐疑的です。言い方がアレですが、魔素異変に続いて再び人界や天界が魔界の尻を拭う役を押し付けられるにしては、三界の関係が好調過ぎます。ラーさまとも色々話をさせてもらいましたが、肝心な中枢部を話せないところはホーラさまと同じではあるのですが、ご自分たちの魔界が他の二界に面倒を掛けているとの印象が非常に少ない」

「おい、我と戯れてる場で他の女の名前を出すのか?」

「私に先手を打ったのはホーラさまです。言ってみれば私との繋がりで見ればラーさまはホーラさまの妹分と言う事になります。目下の茶目っ気を寛容するのも、格上の余裕、器と言うものでは?」

「よく言うわ。そうやって我をイジって面白がっているのであろう?」

「唇を尖らすホーラさまの魅力も至上・至高でして」

「全く……こんな腹のどこに我は惚れてしまったのだろうかの?」

 ホーラは誠一の脇腹を軽く抓った。

「お、お手柔らかに! さて、話を戻しましょうか。先程申しましたように魔界の方々、ラーさまは勿論、アイラオさまも、またお二方から聞く魔界情勢や他の8魔王さまの話にしても、そう言った負い目の様なものが感じられないのですよ。魔素異変の時、ローゲンセン様は土下座までなさったとか」

「うむ、我もあの時は驚いた。夜王などは単にプライドが分を超えているだけとも思えるが、ローゲンセンは智龍王の名の通り、物事の天秤の傾き具合には敏感で厳正だと改めて思い知らされたわ」

「今現在の情報からローゲンセン様も今回の事案には関わっておいでの様ですが、本当に再び魔界の失態であるなら、土下座とはいかなくても我らや沢田君に会いに来られるくらいは……とか愚行してしまいましてな」

「……貴公、それを他の者たちに話したか?」

「いえ……ホーラさまの前ですので甘えさせていただきました」

「そうか……では、その件は引き続き、我だけに甘えよ」

「恐れ入ります」

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