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父と母とマリラマ


 ほがらかな春の日差しと、春の風が吹いているなかに知らせが公爵邸に来た。

 昼食を摂ってサロンに移動しくつろいでいた。



 私の妻のハーミユは、碧色の瞳に、ふっくらした唇、華奢きゃしゃな身体で、蜂蜜色の髪の毛をハーフアップにしていた。彼女はこの国の王太子様の妹で、現国王様の娘なのだ。

 妻は陽当たりの良い所にある椅子に腰掛けて、紅茶とスコーンを口に含んで微笑んだ。柔らかな生地のワンピースとストールを身につけ、少しふっくらと膨らんだお腹を撫でていた。



 「国王陛下からご連絡が御座いました。マリラマ様のご結婚がお決まりになったとの事です!」



 そううやうやしく執事のマーベルがサロンへ来て、私と妻に報告をした。それに早く反応したハーミユは、直ぐ様に椅子から立ち上がり、マーベルの所へ詰め寄る様に近付いた。



 「マーベル、それって本当かしら?マリが結婚ですって?」


 「奥様、落ち着いて下さいませ。お身体を大切にして下さらないと!」



 マーベルは困った顔をして、ハーミユに注意している。それを止める為に、ハーミユの隣りへ行き落ち着く様に声を掛けた。



 「ハーミユ、お腹の中の赤ちゃんがビックリしてしまうよ」


 「だって旦那様、私の可愛いマリが結婚するんですよ?って、それよりマリは、どちらのお方と結婚なさるのかしら?良いお方なら賛成ですが…。もしも私の気に入らないお方なら、結婚を破談にさせてみせますわ」



 そう興奮する様にハーミユは、私とマーベルに言っていた。ハーミユは、マリラマの事を凄く溺愛していた。だからこそ、マリラマが誰と結婚するのか、幸せになれるのかを気にしていたのだ。



 「ハーミユ、落ち着くんだ。興奮し過ぎたら身体に良くない。それに、その身体では結婚式には行けないだろう?」


 「そんな事など分かってますわ。でも、こうしてお茶などして居られませんの。私は、この身体でもマリの所へ行けますわ」


 「奥様、本当に落ち着いて下さいませ」



 そう私とマーベルとで、ハーミユを落ち着かせ様と説得を続けた。そして妻を落ち着かせる為に、妻の部屋へ移動した。

 だがハーミユは、見た目のおっとりした感じと違い、意志が強いのと、行動力があり過ぎたのだ。


 ハーミユは、部屋に戻ると侍女に自分の必要な物を鞄に詰めて貰い、馬車をに乗って王城へ向かったのだ。ハーミユを止められる者は、ここには居ないと言っていいだろう。



 ☆☆☆



 私はサロンで旦那様のルミナスと過ごしてました。久々にルミナスが仕事が片付いて、一緒に過ごせると言ってたので。

 ルミナスは、私からしたら良い旦那様ですが、銀髪に蒼い瞳、鼻筋も通ってますし、女性にモテるタイプの見た目です。そして仕事も出来るので、女性が寄って来ますね。

 侍女からのおじょうほうだと、私との縁談が来るまでは、遊び人だった様です。それは、もう女性を取っ替え引っ替えだったとか。まぁ、今は良い旦那様ですけどね。



 陽当たりの良い所にあるテーブルと椅子。そこでお茶を飲みながら、スコーンを食べてユックリとしてましたの。

 すると執事のマーベルがサロンへ入って来ました。


 「国王陛下からご連絡が御座いました。マリラマ様のご結婚がお決まりになったとの事です!」



 そうマーベルが報告したので、私は椅子から立ち上がり、マーベルに近付いて聞きました。



 「マーベル、それって本当かしら?マリが結婚ですって?」


 「奥様、落ち着いて下さいませ。お身体を大切にして下さらないと!」



 そうマーベルが私に言いますが、それどころじゃないのです。私の大切なマリラマが、どこぞの馬の骨か分からないのに、結婚するんですのよ?

 心配になって当たり前ですわ。



 マーベルは困った顔をして、ルミナスに目配せしたり、私に注意してます。それを止める為に、私の隣りにルミナスが来て落ち着く様にと言って来ましたわ。



 「ハーミユ、お腹の中の赤ちゃんがビックリしてしまうよ」


 「だって旦那様、私の可愛いマリが結婚するんですよ?って、それよりマリは、どちらのお方と結婚なさるのかしら?良いお方なら賛成ですが…。もしも私の気に入らないお方なら、結婚を破談にさせてみせますわ」



 そう私が言うと、ルミナスとマーベルが必死な形相で、私を落ち着かせようと説得して来ました。


 「ハーミユ、落ち着くんだ。興奮し過ぎたら身体に良くない。それに、その身体では結婚式には行けないだろう?」


 「そんな事など分かってますわ。でも、こうしてお茶などして居られませんの。私は、この身体でもマリの所へ行けますわ」


 「奥様、本当に落ち着いて下さいませ」



 私を説得して落ち着かせる為に、ルミナスとマーベルとで、私を私の部屋へ連れて行ったのです。それは、手の込んだ連れて行き方でした。

 ルミナスが私の背中と膝の裏に腕を入れ、軽々と抱き上げて歩いてますし、マーベルは先々の扉を開けて行くのです。

 私は手足をバタバタと動かして抵抗をしましたが、耳元で「流産したら大変だよ」とルミナスに言われ、抵抗をするのをやめたのです。



 部屋へ連れて来られて、私は直ぐに侍女に出掛けるのに準備を頼みました。ルミナスやマーベルに秘密で王城へ向かう為に。ちゃんと私付きの侍女数人と騎士を連れて馬車で向かいました。多分、この様になる事はルミナスには分かってると思います。



 前触れもなく私は王城へ行き、マリラマの所へ行ったわ。私の可愛いマリは、蜂蜜色の髪に、碧色に金色が入った瞳、そして肌の色が白過ぎて、溶けて消えそう。そんな見た目で凄く優しいのよ。



 「マリ、結婚が決まったと聞いたわ。どんなお方なの?」


 「お姉様、お久しぶりです。お身体が大事な時に、わざわざ来て頂いて…ゴメンなさい。ミランダ王太子様の所へだとお父様からお聞きしました」


 「私の事は気にしないで大丈夫よ。ミランダ王太子様の所ですって?ルーランド国でしょう?遠いじゃないの。しかもルーランドは、国内が荒れてて余り良くないとか聞くわ。そんな所なんてダメよ!!」


 「ミランダ様は、とても良い人なのよ。だからお姉様、心配なさらないで」



 私に心配を掛けない様に、マリラマは笑顔で言った。ミランダ様は良い人だからと。そう言ってマリラマとミランダ様の結婚式がルーランド国で行なわれた。ルーランド国だと遠い為、私は結婚式へ行かずに…。


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