表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

冬も股間が痒くなる

作者: ぽん

 僕は汗っかきだ。夏は頭から湯気が出るくらいに。アイツの周りだけ何か揺れてる!!ってくらいに汗が蒸発している。


 そんな僕はもちろん股間が痒くなる。何せ汗をかくからだ。ひたすら涼しくなるまで我慢、我慢......いや無理掻いちゃう


 これでもさりげなく掻くようにしている。だがそれでも女子には


「うわ、またアイツ掻いてるよきもちわるっ」


 と言われているのを知っている。デリ○○○ムズなんて陰でアダ名つけられてるのも知っている。


 有名なセラピーなんかは言う「他人はそんなに君を見ていない」と。いやめっちゃ見られてるから。だから変なアダ名つけられてるんだけど!?僕はそう訴えたい。


 じゃあ逆に冬は汗かかないし過ごしやすいんじゃない?そう思う人もいるだろう。残念冬も汗かきます!何故なら寒がりだから!


 寒がりな僕はとにかく着込む。下半身にいたっては下着、ヒー○テック、薄手のジャージ、その上に制服ズボンだ。さらに最近流行りの電熱ウェアが誕生したせいでそれのパンツ版まではいてる。ヌックヌクだよ!快適だあああ!!


 快適になればなる程汗をかく。だが寒いから脱ぐことは許されない。つまり股間が痒くなる。


 君は知るだろう、便利も快適も代償は付きまとう。それが世界のかわらぬ問いかけであり、答えは僕の股間そのものなのだという事を


 ヤレヤレだぜ......僕は溜め息をつき授業を受ける。先生は今日も真面目に授業をしている。だが僕は気づいてしまった。教卓に下半身が隠れるタイミングでさりげなく掻いてることを。もしかしたら勘違いかもしれないと思い確認する。するとこの先生、斎藤先生というんだが、彼は何度も教卓を往復し股間を掻いてることに気づいた。ついに僕は仲間を見つけてしまった。しかも大人だ。僕の倍は生きてる彼はその分苦労もしている。彼になら相談できるかもしれない......そう思い放課後に職員室を訪ねることにした。


「先生!実は相談があるんです......」


「何だい?須藤くん」


「実は僕、すごく股間が痒くなるんです。さっき先生が授業中に何度も股間を掻いてるところを目撃してもしかして仲間じゃないかと!」


僕はハッキリと喋った。近くにいた先生達がすごい顔で見てくるが気にしない。気にしたら負けだ。焦る先生、そりゃそうだろう。何かと思えば下半身の相談だ。しかも授業中に自分が掻いてるとこまで見られている。逃げ場はない。


「そ、そんなこと急に言われてもよくわからないなあ。見間違いかも知らないし。まあ病院行けばいいんじゃない?それくらいしか言えないかな?」


 逃げ腰な先生に腹がたった。仲間が出来たと思ったのに、ついに相談できると思ったのに、あんなに股間を掻いてたのに!!


「僕はこの目でハッキリと見ました!先生が教卓で隠れる位置で何度も何度も股間を掻いてることを!!それともなんですか!?痒い以外の理由で掻いてたんですか!?」


 言い切る僕。ドン引きする教職員たち。痒い股間。


「僕だってなあ!ダメだって分かってるんだ!教師が授業中にそんなことをするのを。だがそれでも掻いてしまうんだ、掻きたくて掻きたくて震えるんだよ!!」


「斎藤先生ちょっと今から校長室行きましょうか」


叫ぶだけ叫んだ先生は校長室へ連れていかれた。だが、その顔は一切憂いのない表情だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ