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異世界冒険部  作者: ノラえもん
8/25

ステ振り

短いです。

よろしくお願いします。

『ケント・クロノ』Lv.3


BP:150/150

MP:400/400


総合力:2350

演算力:72

超感覚:12

持久力:70%


残りスキルポイント:2(+6 初心者ボーナス)


習得可能スキル一覧

《BP強化》NEW!

《MP強化》NEW!

《総合力強化》NEW!

《演算力強化》NEW!

《超感覚強化》NEW!

《持久力強化》NEW!


「おぉ、SPが増えてる!」

「白河部長、初心者ボーナスという文字が見えるのですが、これは何ですか?」

「もともとレベルアップ毎に1ポイントのSP獲得、Lv.10からは追加で+1、Lv.20からは+2……と設定していたのだが、それだと初心者が成長を実感できないと思ってな。まずは異世界を楽しんでもらえるように、Lv.10まではレベルアップ時の獲得SPが+3されるよう調整してみたのだ」


「全部パシブスキルみたいですけど、SPでアクティブスキルは習得できないんですか?」

「アクティブスキルのレベルアップにSPを使うことはできるが、習得には経験が必要だ。要求ステータスや前提スキルも存在する。というのも、RPGで定番の火炎魔法などは、使い方を誤れば大火事になるわけだ。前提スキルに、消火するための水魔法が設定してある。ちょっとしたヒントだな。色々と挑戦してみることだ」

「ひえぇ……確かに、火事は怖いですね……」


VRMMORPGだと主力でバカスカ打ってた火炎魔法。高火力・高範囲攻撃で便利だったけど、原っぱや森で打てば、そりゃ野火、山火事になるよなぁ



「一度習得したアクティブスキルは、思考で選択、発動できるようになる。誤爆を防ぐために言葉に出すのもいいぞ。雰囲気も出る」


「なんとっ、呪文詠唱! そうだな……



“我、いざなうは静謐せいひつなる終焉。汝、その封印の中で安息を得るだろう……

                     ――極寒の眠りを! 『フリージングコフィン』”! 」




その瞬間、周囲の温度が下がった。



そんな気がした。




「さて、お勧めの構成も伝えておこう」


(つらい!この空気っ!)


「まず青海には、剣と魔法を使いながら最前線で戦う【勇者】を担当してもらいたい。バランス良く習得してみろ」

「分かりました、とりあえず、全部のスキルに2ポイントずつ割り振ってみます」


そう言って手早く割り振るユウト。


「6×2=12、割る4だから3?……ハルLv.4?」

「いや、Lv5で4ポイント余るんだ」


「まじかー、オレLv.3だった」


「私Lv.6なんだけど……」

「わ、私Lv.7になってましたぁ」


「えぇっ!?オレだけレベル低い!?」


「黒野はヴァイスから受け取った経験が少なかったからな」

「あー……気ぃ失ってすんませんでした……」


「あまり気にするな。お前はお前のペースでレベルを上げろ」

「うっす、頑張りまっす」


「黒野は魔法を使いつつ、前線で素早く状況を判断する司令塔、【賢者】だ。MP、演算力、超感覚、持久力が重要となる」

「演算特化はダメ?」

「ふむ、そうだな。演算は魔法の行使でも重要だが、それを発動するためのリソース、つまりMPと持久力がすぐに枯渇してしまう。この世界でMPを失うとアバターが消える、と言ったのは覚えているか?」

「あーっ!そうだった……」


「ケント、いくらなんでも説明を聞き流しすぎでは?」

「大丈夫!演算あげれば理解できるようになるはずっ」


溜息を吐く部長。

「……そうだな、まずは話を理解するための演算力を優先しよう。MP、演算力、超感覚、持久力に1ポイントずつ割り振り、残りを演算につぎ込め」

「自分で言ったことだけど、バカって言われてる気がする……」


「気がする、じゃなくて言ってるんだ。さっさとしろ。この後には腹黒共が待っている。青海も、ポイントを余らせるのはもったいない。演算と超感覚でも上げておけ」

「ひどいっ!……りょーかいっす」

「分かりました」


ポチポチとスキル習得。


「白山は後方支援、【ヒーラー】担当だ。魔法の中でも回復魔法は特に高い演算力が要求される。行使するためのMPと持久力も必要だ。MP、演算力、持久力を均等割り、もしくは演算力を高めに割り振るといい」

「はいっ、分かりました」

「うんうん、素直な子は大好きだ。【ヒーラー】にはMPや持久力を味方に譲渡するスキルもある。皆を支えてやってくれ」

「えへへ……」


アコの頭を優しく抱き、髪を撫で梳かす部長。安堵の表情で眺めるハル。


(良かった、アコの調子も戻ってきたようだ)


「赤座はBP、総合力、超感覚を優先してくれ。BPを上げておけば、攻撃を受けた際に消費するMPや持久力を軽減することができる」

「演算力を上げなくて良い理由を教えていただいても?」

「赤座は既に社交界というものを経験しているだろう。甘い誘惑なんぞに騙されるバカじゃない」


(そうだった。ナツキの家は財閥だったな。……騙されるバカってオレのことかよ!)


「この場で演算力を上げても、赤座には付け焼刃にしかならん。黒野は……付け焼刃でも無いと、何をやらかすか分からないからな」


(言葉の刃がグサグサくるっ!お願いBP、豆腐メンタルのオレを守って!)


「赤座は【騎士】役を頼む。魔法にはあまり頼らず、物理的な方法で皆を守って欲しい」

「あ、なるほど、脳筋ってヤツですn」


ピコーン!

《バックハンド・ナックル》


ふんっ!


ガンッ!


「今まであまり気にしてませんでしたが、頭上の《この》表示は何ですか?」


(さんきゅーBP、ちょっと痛かったけど)

鋭い裏拳で顔面を殴られながらも、平然と尋ねるケント。


(むうーっ!BPさえ無ければっ!)

ナツキはとても悔しそうだった。


「パーティメンバーへの通知機能だ。自分が次に何をするか、実戦でいちいち宣言する余裕なんてほとんど無いだろう。支援や連携に有用となる。例えば」


部長はそっとナツキの手を取り、


ピコーン!

《付与:痛覚強化攻撃》


ナツキの右手が淡く光りはじめた。


(はっ!?)


ピコーン!

《正拳・順突き》


「せいっ!」


ドスッ!


「ぐっふぅうう!!!」


踏み込みから腹部への一撃。かなり痛く、たまらず膝をつく。


(むふーっ!)

ナツキはとても嬉しそうだった。


「通知はお前たち以外には見えないから安心しろ」

「くぅっ……、この痛み、さっきと違って中々消えないんですが?」

「60秒持続する痛みに設定した。《付与:痛覚強化攻撃》は精神干渉系スキルの一つだ。魔法の所有者である私と、攻撃を受ける冬野では総合力の差が文字通り桁違いだからな。BPで軽減できなかったわけだ。物理攻撃でもBPの減少量が大きければ、それだけフィードバックされる痛みは大きくなるぞ?」

「つまり、私が総合力を上げれば……」

「うむ。そうなるな」


ぱぁっと輝く笑顔を浮かべるレイカ。


(うわー、ナツキがとてもやる気になってる)


60秒きっかりで痛みがすっと消える。


「ふぅっ……、しんどかった。ちなみに、部長のステータスってどのくらいなんですか?」

「ふむ。ちょっとだけ見せてやろう。《ステータス・オープン》」



『【管理者】リリィ』Lv.8191《制限》


BP:524287/524287《制限》

MP:524287/524287《制限》


総合力:214748364《制限》

演算力:131071《制限》

超感覚:131071《制限》

持久力:127%《制限》



( ゜д゜) …


(つд⊂)ゴシゴシ


(;゜д゜) ……


(つд⊂)ゴシゴシゴシ


(; Д ) 。。ポロッ


思わず三度見した。


「メルセンヌ素数で統一してみた」

「あなたが異世界の神か」

「ただの『フルリンク型異世界体験マシ~ン(仮)』の【管理者】だ」

「えっと?理解が追い付かないのですが……」


「この世界に『魔法』が存在することは理解したか?」

「ええ、そこはすぐに」


「それを解析し、応用して、この星全域を覆う広域魔法を構築した。惑星魔法《フルリンク型異世界体験マシ~ン(仮)》だ」

「いや、そうはならんやろ……」

(部長、その名前気に入ってるのかな)


「ステータス画面を見た時点で気付くと思ったんだがな。お前たちがよく知るRPGに似ているのは何故か、少し考えれば分かるだろう。ここから先の話は、お前たちにはまだ早い。今はのんびり、とは言わんがこの異世界を楽しんでほしい」


「部長はどうして――」

『この世界で遊んでいれば、その答えは自ずとわかるさ』


ハルが尋ねようとすると、質問を封じるかのように、彼の脳内に部長の声が響く。


(なっ!?)


部長には変わった様子はみられない。


(何だったんだ、今のは……僕たちの成長を促そうという考えは理解できる。しかし、ここまで大規模な舞台を用意するメリットが白河部長には無い。そもそも、部長は僕たちのことを知っていて、あの日、『異世界冒険部』に誘ってきた。一体何が目的なんだ? ……いつもより思考が巡る。なるほど、これが《演算力強化》か)


「どうした?ハル?」

「ごめん。何でもないよ」


何かを言おうとして、少し難しい顔をしたハル。すぐに元のニコニコ顔に戻った。


(……?変なハル)


「さて、レベルアップしたお前たちなら、お食事会に現れるヤツらに呑まれることもないだろう。冬野は……注意しておけ」

「え?なに?どういうこと?」


「ケント……話聞いてたの……?」

「え?なんか怖い人がいっぱいいるんでしょ?」


「精神を害する干渉やスキルならBPで防げるが、美人や甘言に引っかかるな、って意味だ」

「おぉ!そーゆーことね!」


「流石にこれは……悩ましい」

「あはは……」


呆れられてしまった。

次こそお食事会予定。

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