表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/44

第5話

 少し迷うが、暗殺者系に繋がりそうな隠者にしておこうか。

 そう意識すると、選択肢における隠者の項目が数秒光ったように見えると、元のステータス画面へと戻った。



 Lv.1

 名前:オノ ユウジ

 職業:隠者

 生命力:12/12

 精神力:9/9

 筋力:11

 魔力:2

 敏捷:14

 耐久:9(+5)

 抗魔:4

 ◯スキル

 順応性2.1 直感1.4 隠密1.3 潜伏0.5 隠蔽工作0.5 棒術0.4 短剣0.3

 ◯固有スキル

 危険目視


 全体的にステータスが底上げされ、敏捷に関しては数値が3上がっている。

 直感と隠密の熟練度が上昇し、新たに隠蔽工作と潜伏というスキルが加わった。


 ステータスを見渡して、一番下の項目が目に入る。

 危険目視、時々視界が赤く染まるあれの正体だろうか。

 俺は危険目視の項目を注視する。



 危険目視

 固有スキル

 スキル所有者がダメージ等の被害を受ける可能性がある場合、危険な領域(エリア)が赤く染まって見えるスキル。

 危険度が高い程濃い色で目視できる。



 やはりそうか。

 どうやら危ない箇所が赤く染まって見えるらしい。

 戦争中に銃弾が通る場所が赤い線のように見えたお陰で助かった、なんて話を聴いたことがあるが、きっとその類いのスキルなのだろう。


 この危険目視というスキルが有れば、移動時のリスクをかなり抑えられそうだ。

 車の外を視てみるが、今のところ赤く染まってはいない。


 移動しよう。

 車の外に出て、ぐるりと辺りを見回した。


 今来た道は薄っすらと赤く染まっている。

 モンスターが徘徊しているのかもしれない。


 俺は先に進むことにした。

 目的地は大型スーパー。


 当初は要塞化に向いていないので興味はなかったが、今となっては有りだろう。

 近所のスーパーには武器になりそうな物が置いていない。

 逆に言えば、それに対応した危険なモンスターがいる可能性が低い、と思う。


 スーパーで食料を確保し、頑丈な建物を拠点としよう。

 拠点に向いてそうなのは…刑務所とか?

 いや、武装した警備員とかが居たら強いモンスターが召喚されている可能性もあるか。


 それじゃあ、高級志向のマンションとかどうだろう。

 近所のマンションは敷地が高めの塀で囲われていて、出入り口が限られている。

 マンション自体も正面入り口以外は頑丈な柵に覆われていて侵入が難しそうだった覚えがある。


 頭の片隅にそれを置いておいて、今はスーパーに向かうとしよう。


 黙々と進んでいくと、十字路へとぶつかる。

 スーパーへと向かうなら真っ直ぐ行けば近いが、生憎真っ直ぐへの道が薄い赤に染まっている。

 右の道に色は無いが、少し遠回りになる。

 左の道は濃いめの赤。しかも完全な遠回り。


 真っ直ぐ行くか右に行くか。


 進行方向の真っ直ぐの道は薄い赤に染まっているものの、それ程危険性は感じない。

 精々ゴブリン一体だろう。

 どうしようか。


 レベルというシステムが存在するのなら、今の内に上げておいた方がいい気がする。

 スキルを使ってなるべく気配を消しながら、真っ直ぐ進むことにしよう。


 なるべく息を殺し、音を消し、姿勢を低くしながら歩いていく。

 薄かった赤色が更に薄くなっている。

 どうやらスキルはきちんと発動しているらしい。


 少し進むと、危険目視の赤色が前方の物陰に赤い点を示す。

 敵が隠れているようだ。


 その一点を注視していると、頭を僅かに覗かせ、辺りを見回す影があった。

 ゴブリンだ。


 偵察なのか、スーパーマーケットが見える位置からじっと店内を見詰めている。

 ゴブリンはこちらに背を向けており、道路に点在する車を遮蔽物として使えば気付かれずに近づけそうだ。



 俺は可能な限り静かに、にじり寄っていく。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ