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93.勇者の成長

 


 魔王を倒すと啖呵は切ったものの、自分は平和な日本の学生だ。勇者としての力はあるようだが、しっかりと鍛錬を積まなければならない。



 そういう訳で、俺が召喚された王都にある勇者を育成するためのダンジョンに潜りはじめて一週間ほどが経っていた。


 この世界では魔物を倒すと経験値を獲得でき、レベルアップして体が驚くほど強くなる。勇者はこのレベルアップの時の強化率が非常に高いため、短期間で魔王を倒せるほどになるらしい。



 レベルアップで能力だけ高めるのではなく技術も身につけるため、騎士団長との剣の訓練も日課だ。魔法の適性もあったので魔術師団長からの教えもあるし、毎日ヘトヘトである。


 そんなハードな一日の鍛錬を終えて人心地ついていると、魔術師団長が声をかけてきた。



「勇者様は今日のダンジョン探索でレベル10を超えたのでしたかな?」



「おう。戦いに慣れてきたつっていきなりオーガの目の前に放り出されたからな。レベル13まで一気に上がったよ。」



 実力を見てのことなんだろうし実際普通に倒せたけど、気持ち的には死ぬかと思った。騎士団長はいつか泣かす。



「でしたら明日の鍛錬はお休みですな。空いた時間があれば魔力を動かして魔力操作の練習をしておいてくだされ。」



「え、そうなの?レベルが10超えたらなんかあんの?」



 騎士団長からはなにも聞いてないから明日も普通に鍛錬だと思ってたんだけど。



騎士団長(あのバカ)は…。勇者様のレベルがある程度高くなると聖教会に聖剣を受け取りに行くことになっているのですよ。それが大体レベル10前後です。」



 ちょっとした儀式があったり教会のお偉方と話したりとそれなりに忙しくいらしい。俺が知らないの普通に問題なのではないだろうか。



「流石に教会に連絡はしてるでしょうが…一応確認はしておきます。勇者様は明日に備えてお休みください。」



「おう、わかった。ありがとな。」



 挨拶を交わして魔術師団長と別れ、部屋に向かう。明日騎士団長は殴ると心に決めて眠りにつくのだった。




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